前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

騎士団長対面

大講堂に行くとそこは沢山の人々で溢れかえっていた。
そのうち少なくない人数が半分狂乱しており、それを近衛騎士達や一般の騎士達が宥めていた。


その民衆のそばには紅き髑髏のメンバーらしき奴らの亡骸があった。おそらく民衆を捕虜として捉えていた奴らだろう。それを騎士達が押し入って倒したようだが、普通そんな事をして人質である民衆達に何か起こるのを予想して踏み込めないはずだが……?


ティオスがその騎士たちの動きを疑問視していると、離れた場所から声が聞こえてきた。



「あ、やはりティオスは来ていましたか」



そういって流れる汗を拭いつつこちらへ近付いて来るのは。


「グアン、お前も動いていたのか」
「父が宰相の動きが最近少し怪しいからと、夏休みに入ってからは街の見回りをしていて、何やら民衆達を攫って連れて行く奴らを見かけたのでそれに紛れていたらなんと城に連れて行かれて、そこで城が陥落している事に気がついて…」
「なるほどな。騎士達が強行手段に出られた理由はこれか」
「日頃から報告をできる魔法道具を持っていたので」
「お前が動いていたのは分かった。お前の父親、騎士団長は何をしている?」
「攻撃を受けてかなり重傷を負っている国王様の元に居るはずだよ」
「今その魔法道具で通信は出来るか?」
「今…は、国王様の前だから出てくれないかもしれないけどそれでもいい?」
「ああ、騎士団長に繋いでくれ」


ティオスはそう言ってグアンに指示を出すと、リエスとシトリーには民衆達に今の状況の説明を頼んだ。


「ティオス、繋がったよ」


そういって通信の媒介になる宝石を渡してきたので受け取った。


「グアンから変わりました、ティオスと言います」
『君か、私と話したい者というのは』
「はい」
『悪いが今は城が陥落していてそんな話をしている時間は───』
「俺が賊は倒しました」
『ない───は?』
「賊は討伐したといったのです」
『ち、ちょっと待ってくれないか。冗談はよし給え』
「冗談ではありません。こちらには討伐した証拠もありますし、なんなら城ももう取り返しています」
『な──────!?』



ティオスはこちらに来る前に何か討伐したという証拠がないか探してから来ていたのだ。その討伐した証拠と言うのはマルが使っていたあの骨でできた指揮棒、実は彼が愛用しているステッキだったらしく運良くそれが残っていたのだ。


「それじゃあ今から向かいますね」


ティオスはそう言うと通信機からの魔力を逆探知して発信源へと転移した。





「───初めまして。グアンの友人のティオスと申します」
「なっ、転移!?」



目の前で固まっているのはまさしくグアンの父だと分かる風貌をしていた。


グアンと同じホワイトブロンドの髪の毛を短く切り揃え、その整った顔はどこかグアンと似ていた。まだ三十前半なのだがその年で騎士団長を務めていてどんな人か少し楽しみにいていたティオスはその風貌を見て、やはり騎士団長だな、とそう思うカリスマが彼にはあった。


白銀の鎧に身を包み、そのピンとした背筋はまさしく騎士だった。




「よろしくお願いしますね、騎士団長殿」



そういってティオスは頭を下げた。
きっとグアンの様な真っ直ぐな人なのだろうと思って。

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