前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

窮極魔法

「これからお魅せするのは本当なら最後の手段でもうちょっと個人的な復讐が果たせてから使う予定だったのですが────貴方相手ならまあいいでしょう」
「奇遇だな、俺もこれはできれば使いたくない手なんだ。何しろこれを使えば一気に融合が解けて最低一月は融合が使えなくなるからな」




マルもティオスも互いに奥の手である技を組み上げていく。その途中、ティオスは流石に周りへの影響が大き過ぎるなと考え力魔法マハトで空間を歪め、擬似的な別空間を作り上げた。


その間もマルは何やらずっと魔法式を組み立て魔法陣に変えていた。それはティオスから見ても相当高度な魔法で見たところ融合状態じゃなければ使えない魔法の様だった。
しかしそれはティオスも同じで現在膨大な魔法式をシトリーに任せて組み上げているが、魔力や体への負担の面で融合時にしか使えない特別な魔法を作っていた。


二体のバケモノの組み上げている魔法─────窮極魔法の影響で一気に周囲の魔力が吸い上げられ、枯渇していく。しかしそれでも足り無い分は自分の魔力から持っていかれるのでティオスもシトリーも二人とも9割以上が無くなっていた。


だかそれは向こうも同じで魔力が明らかに減っているのが目に見えて分かる。


「────そろそろ、出来上がりますね」
「こっちももう終わりそうだ」



ティオスはその魔法陣を眺めつつずっとニヤニヤが止まらない。前世で最強になり、今生でも最強になる予定だがその全ての記憶を探してもここまで緻密で繊細で、芸術にしか見えない魔法陣は見たことが無い。

全く知らない組み上げ方式で探究心を擽って仕方がない。


ああ、早く戦いを終わらせて早速この魔法陣を解き明かして本当の自分の力に変えてやりたい……!!




───と。


「────やっと組み上がったか」
『お待たせしました』
「いや、良い。そっちは──もう終わったようだな」
「ええ。それでは行きましょうか」
【良いのお………こんなに血が滾るのは何千年ぶりかのお!!】







『では発動します!ご主人様、魔法名を!』
【発動するぞぃ!!口に出せぇ!!】









魔神之威光・禍殃花吹雪シトリークラグ・スオクフロニパス!!」

邪神之威光・腐爛潰滅モラクスラグ・ヴェロトンカース!!」







その瞬間、世界から音が消え、光が遠のいた──────。















******















窮極魔法同士のぶつかり合いは拮抗していた。その絶大なる力の奔流によって互いの肉体はボロボロになっているが、両者とも目は死んでいない。

ティオスは魔法そのものの概念を真紅の花吹雪の様に乱射し、マルは腐食と邪の概念を光線にしてこちらへ放ってくる。


ぶつかって最初はティオス側が押していたのだが流石は邪神。単純なる攻撃力はあちらのほうが上のようで少しずつ、少しずつこちらを押してくる。



「魔法という力を概念として飛ばしてくるのは分かっていた───だから腐食を概念化して飛ばして邪の概念も一緒に飛ばしてみたら思いの外上手く行ってるみたいだね」




マルの言う通り、腐食の概念がこちらの攻撃を腐らせ、邪の概念を当てることで更に威力を抑えつつ光線で押してくるという三段構えに対しこちらは魔法の概念そのものが攻撃となっているため3対1の関係になっている。

このままではいずれ負けてしまうのが目に見えていた。




『ご主人様……私の力が及ばないばかりに……』
「……違う。使い手の問題なんだ。あちらは恐らく邪神がマルの体を最適化する術で何かをしているようだがこちらは何もしていない。完全に俺の力不足だ」
『違います!私が、私が────』
「だから違うと言っているだろう?俺は奥の手が1つだとは言っていない。そうだろう?」
『────!』



あちら側もこちらの変化に気づいたようで、何をする気だと言う顔をしていた。それを見てティオスはニヤリと笑うと



「今行った通りだ。……奥の手は一つじゃないと」



そしてティオスは深呼吸を1つするとマルの目を見据えて声を発した。








「“理滅”」







その瞬間、マル側の攻撃が一気に弱くなりこちらが押し返し──────全力でぶつけた。

シトリーとティオスの全力を受けたマルは下半身が弾け飛び、胸から上だけしか残っていなかったが邪心の影響か、少しまだ生きが残っていた。



「な………………ぜ…………………」

「俺達が負けるのはもう目に見えていた。だから俺のスキルでその“負ける”という理を滅しただけだ」

「あ………り…………えない………………………それ……は………………もは……や………………神………の…………」





そこまで声を発していたが既に丸の目からは光が消えていた。
邪神モラクスの反応も無くなっておりそれが確認できた瞬間、ティオスは膝を付く。


「ご主人様!!」


既に融合は解けていてシトリーが走り寄って来てくれた。そしてその場に座り込み、ティオスの頭を自分の足の上に乗せると、魔法を掛けた。


回復サナーレ

回復は普通なら切り傷がやっと消えるくらいの魔法なのだが魔神であるシトリーが使うと大体の傷は治ってしまう。全身が光に包まれると、傷は消えていた。


「申し訳ありません。残りの魔力の量的に回復しか使えません…」
「いや、十分だ。助かった────」



ティオスが起き上がり、立ちたがろうとすると、前からシトリーがぽふっと抱きついてきた。一体どうしたのかと聞こうとしたが、シトリーが少しだけ震えているのに気が付いた。


「…私が、力不足なせいで、ご主人様の命を脅かしてしまいました………」
「いや、だからあれは俺の力不足だと言っているだろう?お前は悪くない。寧ろシトリーが居たから俺は死なずに勝てた。ありがとう」




ありがとうと言われたシトリーは顔を上げた。目は少し赤くなっていて涙ぐんでいた。そして口を開くと



「で、ですが、私の力不足も事実なので──」
「あ〜あ〜それ以上言うならここに置いていくぞ。お前は強い。俺が力不足だった。それ以上自分を悪く言うな。もう一度言うぞ、お前は悪くない。」



ティオスは自分を下卑するシトリーの口を塞いではっきりと言った。手を離すとシトリーは目を見開いていて、涙を一粒零すと、笑顔で「はい」と言った。


その笑顔を至近距離で見たティオスは、思わず見惚れてしまった。



そして、シトリーは現在自分がティオスに抱きついている事に我に帰り、バッと音がしそうな勢いで離れると、照れているのかティオスの後ろの方に行った。


ティオスはちらりと見てみると顔を赤くし口元をもにょもにょと動かしているシトリーが目に入ってきたので、フッと笑うと前を見直し、




「そんじゃあ、リエスと合流し直して国王達、ルーチェ達をどうにかしないとな」
「は、はい」



シトリーに確認すると、歩いて行くのだった。
























やっぱり小説って、書くの難しいです。

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コメント

  • コーブ

    令和元年12月1日
    ブチュッ!!っといけよ~ブチュッ!!っと♪(笑)
    小説って難しいですよね♪(≧▽≦)
    いつも楽しく読ませて頂いております♪有り難うございます。

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