前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

忍び寄る悪

「───まさか光魔法ゲレルが使えるとは思いませんでした」


今は王城でカミーラ王妃はティータイム中であった。先程愛娘であるルーチェの光と炎の合成魔法を目の当たりにして、未だに目で見たものが信じられないとばかりに少し上の空になりつつ呟いた。


「私もまさか自分があの光魔法ゲレルが使えるなんて思ってもいませんでしたよ。なにせ今まで使えたのはあの元賢者様ただ一人の特別な魔法だったんですから」
「たしか現賢者様は使えないはずでした。それなのにその魔法を使える元賢者様から教わったならまだしも同い年であるティオス君という子から教わったのでしょう?」
「はい、母様の言いたい事は分かります。ですが私は正真正銘ティオス様から教わりましたよ!」
「そんな凄い子がいるなんて聞いたことが無いですがルーチェが言うならそうなのでしょうね。ほら早く紅茶を頂かないと冷めてしまいますよ」



そう言ってカミーラはテーブルの中央にある純白のケーキスタンドの上に綺麗に盛り付けてあるクッキーに手を伸ばす。






そうして優雅なティータイムを二人と付きのメイド達で過ごしていると扉からノックが聞こえた。メイドが確認するとすぐさま扉を開いた。


「──ティータイム中すみません、王妃様、姫様」


そうやって入ってきたのは宰相マルだった。メガネを掛け、ぴしっと宮廷服を着こなしていてその細身で高身長な容姿から執事っぽく見られがちだ。

執事の様な態度だがどこか騎士然とした雰囲気を醸し出す切れ長の細い目と整った顔立ちからメイド達の間では優良物件じゃない?と人気なのだ。


その証拠に先程ドアから様子を見に行っていたメイドは少し顔が赤い。


「宰相様、ご機嫌よう」
「はい。姫様」

そう言ってマルは手本のような綺麗なお辞儀を返した。


「──宰相殿は今回はどういった要件でこちらへ?」


カミーラは持っていた紅茶を音を立てずにもとあった皿の上に戻した。質問されたマルは恭しく右手を左胸に持っていくと


「はい、王妃様。国王様に先程姫様が規格外な魔法をご使用なされたとの知らせが入り、姫様は無事か確認の命を受けた次第でございます」
「そうでしたか、それなら心配は無いですよ。ルーチェはこの通りピンピンしております」
「はい!私は大丈夫ですよ!」


ルーチェは両腕に力こぶを作るポーズをとっていた。その様子を見たマルは少しだけ目尻を下げると「安心しました」と言い残し、突然押しかけたことに対する謝罪を言い残し帰っていった。




「──宰相様がなぜあんなに父様に好かれているのかが分かりました」
「そうですね。あれ程礼儀正しいものは王城の中でもそうそう居ませんよ。なにせこの国の王城は少しばかり力至上主義で騎士然とした言葉遣いの方が多いですから──」













「母様────少し眠くなってまいりました」

「奇遇───ですね────私も────…」





メイド達がばたばたと崩れ落ちる音が響き、カミーラとルーチェが机には突っ伏すように眠っていた。














静まり返った部屋には、フローラルな香りが漂っていたのだった。
















どうもup主です。
体調が優れずあまりかけていません…申し訳ないです……

「前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く