前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

尋問

ティオスは五人を雑に引き摺ってライヴ達の場所に投げ捨てた。
そしてその紅き髑髏のメンバーかその関係者の男の口を開くと指を突っ込み、何かを摘み出した。そして全員分終わらせると水魔法アイルで手を洗い、ぱんぱんと手を叩いた。



「毒も取り除いたし、そろそろ尋問だな」


リエスとシトリーはティオスの横に立ち準備を始めるが、銀の翼のメンバーは未だに唖然としていた。賊をたった数分で無力化して来るどころかそいつらを纏めて持ってこれるほどの膂力、持ってきて最初に毒を取り除くなどまるでその姿は賊討伐に慣れた上級冒険者、しかしその力は底が知れないほどの強さ。

超級冒険者だと言われても簡単に信じてしまいそうだった。




ティオス達はそんな銀の翼のメンバーは放っておいて尋問に移っていた。シトリーが左手で線を描くように空中を仰ぐと全員が目を覚した。
……その姿はまるで悪夢から覚めたとばかりに汗をかいていた。

しかしここからが本番だ。




「さて、一人一人尋問するのも面倒くさい。一気にお前たちの記憶を探らせて貰うぞ」
「何を─────」


「"記憶の遡及メモリア・レディーレ"」





記憶の遡及メモリア・レディーレ────生命魔法アミナスの中でもかなりの高度な魔法で名前の通り、生物にのみ働く記憶を遡って物事を確認する事のできる魔法である。

この魔法はかなりの魔力消費が激しく、どれだけ魔法に精通し扱える魔法使いでも出来て3日前の記憶を覗ける程度なのだ。


しかしティオスが前世で既に自分しか使えない魔法理論を使い、自分と自然界の魔力をできるだけ同一化させて自然界の魔力を自由に操れるティオスにはどれだけ前の記憶でも、その場に魔力さえあれば幾らでも覗き見れるのだ。




因みにこの理論について、一度Sクラスの生徒や担任のガーネットには授業で説明してあるのだが、やはりと言うべきか誰一人として出来なかったのだ。

そもそも体内魔力と体外魔力(自然界の魔力)は完全に質や波長が違うので、体外魔力を操ろうとしたら体内魔力を利用しなければならないのだ。しかしティオスはスキル理滅によって普通ならば出来ない事でも鍛錬すれば出来てしまうのだ。

ならなぜ小さい頃から魔力を鍛えていたのかと言うと、流石のティオスでも最小限に留めているとはいえ体内魔力を使っているのだ。しかも体内魔力の消費が少ない分、反動が来ているのか体に対する負担が馬鹿にならないほど大きいのだ。

2歳3歳から鍛えているとはいえまだまだ発達段階なので現状は二年前の記憶を覗くだけで精一杯なのだが今回はそんなに深く見る必要は無いのでこの高等魔法を頼る事にしたのだ。











さて、これから記憶を潜って見ていくとするか。この魔法はこういう時には便利だが現状はそこからは記憶しか見れないからな、そのうち改良して体験などを取捨選択して自身に組み込むようにしなければ─────と、いかんいかん、魔法の事となるとつい熱くなるな。


この魔法の注意として記憶を深追いしすぎると対象が余りの激痛で死んでしまうから死なない程度に痛みを与えつつ見ていこうか。










「な、なあ………途中から思ってたけど、これ、俺達必要だったのか…?」
『言うな、悲しくなるわ』 


ライヴが呟いた事が銀の翼の全員の心にクリーンヒットしていたがそんな事は構わずティオスは賊達の記憶を探っていた。

そのティオスの側にはリエスとシトリーが控えており、シトリーが魔法でそよ風を起こし、制御のおかげで精神を使い、出てきている汗をリエスが拭き取っていた。


時々、と言うかずっと聞こえてくる賊の悲鳴が何ともシュールだった。










******







「ふう、一通り見終わったぞ」
「お疲れ様ですご主人様」
「おつかれ」


ティオスがリエスから貰ったタオルで汗を拭きつつ銀の翼のもとに行った。ライヴ達も小走りでティオス達に近寄ると、お疲れと言いつつ村の人から貰ったのか冷たい飲み物を渡してきた。

一応毒が入っていないか確認してから飲むと、この辺で取れたのだろうフルーツの味が口いっぱいに広がるジュースだった。
鼻孔を抜ける爽やかな香りがが疲れた脳にやさしかった。


「疲れてるところ悪いがどうだったんだ?」
「色々と分かったが一応関わっている連中の顔に違和感があったんだ」
『『違和感?』』
「ああ。何処かで見たことのある様な顔だったんだが…生憎忘れてな」
「それ、絵に出来ないの?」
「ちょっと待ってろ」



ターニャから絵にできないか聞かれたので無属性魔法ニリティである念写メナスを使い、記憶にあるままの顔を紙に映した。



『───────ッ!!』



ティオスとシトリー以外の全員が息を呑んだ。そして、ルイが重い口を開き、掠れた声で絞り出すように言った。















「─────その人………ハーレイ王国の………………宰相………です………」

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