前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

いざ突入

「──────ビンゴ。黒だったな」







ティオスがスピーカーとなる魔法道具を起動すると最初はノイズ掛かっていた音声が段々と明瞭になってくる。全員が息を呑んで耳を傾ける。




〈──ちっ、あのクソジジイ、冒険者呼んできてたぞ〉
〈なに、案ずることは無い。その冒険者と言うのも全員が若者なんだろう?〉
〈ああ…。見た所ランクはCかBだな〉
〈ならば問題は無い。ああそうだ、この前の分の金を渡していなかったな〉
〈おお、そうだ。まだ貰っていないぞ〉


そしてそこでジャラジャラと金属の音が聞こえる。


〈約束分の金貨だ〉
〈へへ、感謝するぜ〉
〈それはこちらのセリフだ。こうやってを順調に増やせているからな〉
〈お前らの計画が上手く行ったら地位は要求しねぇ、贔屓くらいは頼むぜ?〉
〈ははは、その位安いもんさ〉

〈それじゃあ依頼に来た冒険者達のせいで攫えなくなってるからな、これからどうするか…〉
〈そいつらは弱いのだろう?全員殺れば問題無い〉
〈それも考えたが冒険者の女達がこれまた上玉揃いなんだよ〉
〈なら男だけ殺して本部の方に連れて行って伽をさせるか〉
〈おっ、それなら最初にこっちで味わっとくか?〉
〈……悪くないな〉
〈なら明日早速やるか〉









「……なんて下種な野郎だ」
「内通者が話しているのは紅き髑髏のメンバーなのか?」
「恐らくそうでしょうね。全く、私の体はそんなに安くないのよ」


ライヴ、オラル、メリッサが愚痴る。それも仕方ないだろう。男は殺し女は慰み者にすると言われたのだ。


「まあ私の体はティオスの物だし誰にも渡さないわ」
「リエスに同意します。私もご主人様の物ですから。というかそろそろ夜這いに行っても良いですか?結構我慢するのも大変なのです」
「リエスもシトリーも何言ってるんだ。お前たちの体はお前たちの物だろう?というかシトリーはもうちょっとオブラートに包め。それと夜這いは駄目だ」


話が変な方に縺れそうなので強制的に話を締める。ティオスは魔法道具をアイテムボックスに仕舞うこれからの予定を話す。


「奴らは明日動くと言っていたな。なら今から俺達は動こうか」
「そうですね。奴らはボク達のことを下に見てるようですがボク達だって伊達にB+張ってる訳じゃないんですよ」
「まあ俺達の方はまだ昨日結成したばかりなんだがな。まあそれは置いておこう。今からの作戦を説明する」


ティオスはそう言って話しながらアイテムボックスから普通のミスリルソードやミスリル製の武具を戦闘用に着ている薄手の黒いローブに装着していく。

因みにこんなにぽんっとミスリルソードを出すが高価格品なのだが親が称号持ちでお金に困っていないのでティオスは様々な武器を一通りミスリルで持っているのだ。


銀の翼のメンバーがティオスがそんな風にぽんぽんミスリル製道具を出すので少し驚いているがそのまま話を続ける。


「まあ作戦と言っても人数は気配からするに5人程度の様だからな。正面から倒すだけだ───と言っても非常の時以外殺さないでくれよ。情報を引き出したい」
『『了解(しました)!!』』


そうして全員武器を装備して、再び村に戻った。









******









装備をした後、件の奴らが居る家から少しの離れた場所に空き地があったので全員一度ばらばらになってからそこで待ち合わせをしていた。流石に8人ぞろぞろと歩いていると相手に直ぐに勘づかれてしまうのでそういう手段をとった。
全員が集まった事を確認するとティオスがこれからの動きを説明した。


「さっきは正面からとは言ったが流石に自殺されると困るからな、作戦変更をする。この中で相手に察知されないように相手を気絶させられる奴は居るか?」


そう言うと全員、顔を見合わせてみるが誰も手を上げない。ティオスに目線を戻すと、ティオスは分かっていたのか特に何も言わずに軽いノリで言った。


「なら俺が一人でやってくる」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。なぜ一人なんだ?」


ライヴが移動に入ろうとするティオスを呼び止めた。するとティオスは簡単に説明した。


「ああいう賊は自分達が不利だと理解した瞬間、仕込んである奥歯の激薬や爆弾なんかで自殺をしようとするんだ。だから相手に察知されずに気絶させられるやつが居ないか聞いたんだ」
「い、いや、そういう事じゃ無くてなぜ一人なんだい?」
「そうだな、簡潔に言おうか」


ティオスはそう言って一度言葉を止めた。


「「「この中で俺が(ティオスが)(ご主人様が)一番強いから」」」

「…んっ?」


ティオスは重ねて言ってきたリエスとシトリーを見た。すると二人は曇りのない笑みを浮かべつつ振り返ると銀の翼の人達を説得するかの様に言った。


「安心して。ティオスは本当に強いから」
「ご主人様は、そういう身内贔屓だとかそう言うのを抜きにしても規格外ですから安心してください」
「……そうは言ってもねぇ…。私達はティオス君の力を見てないから何とも言えないわね」
「ならご主人様がきっと見せてくれますよ」
「……俺抜きで勝手に話を進めないでくれ。なら手短で良いか?」


ティオスはそう言うと銀の翼の中で一番戦闘力のあるというオラルと模擬戦をする事を提案した。オラルは動揺しつつも承諾したのでその空き地でやる事が決まった。





「それでは、オラルvsティオスの模擬戦を始める!」



「自信があるのはいい事だが、流石にこっちは斧OKでそっちが素手は怪我するぞ」
「構わない。殺す気で頼む。それでこちらが死んでも文句は言うまい」


ティオスが提案したのは、オラルは武器有りでティオスは武器無しと言うハンデだった。普通に見たら13歳の子供が煽っているようにしか見えないのだがティオスはまさに真剣そのものだったので、えも言えぬ圧力を感じ承諾したのだ。

  




「こちらの合図で始めるように。3………2………1!始め──」






スタートの合図と共に、オラルは宙を舞っていた。何が起きたのかすら理解する間もなく。

下を見ればオラルが居た場所にはティオスが何かを持ち上げたかのようなポーズをとっていた。


オラルはそのまま地面に落ちると受け身を取れなかったのか気絶した。




「しょ、勝者、ティオス……」



審判をしていたルイは勿論、遠くで見ていた銀の翼のメンバーは全員があり得ないものを見たとばかりに目を見開いて唖然としていた。
ティオスはそんな視線は物ともせず「それじゃあ今度こそ行ってくる」と軽いノリで向かって行った。



その後ろ姿がやけに大きく感じ、誰も、何も言えなかった。











向かって行って家に入ったかと思えば20秒もしないうちに何事もなかったかのように出てきた。



……………5人の男を引き摺って。

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