前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

初めての依頼

次の日、朝10時頃に再びギルドに訪れるともう既に用意してあったのか、カウンターで三人の名前を告げるとすぐに持ってきてくれた。


「───はい。こちらが冒険者証で御座います」


そう言って渡されたのは銀の手の平サイズのカードだった。右上に四角の枠に精緻な魔法陣が刻まれており、左側には名前とランクが刻印されていた。


「ほう」 
「?ご主人様、どうされましたか?」
「いや、見事な魔法道具だと思ってな」
「魔法道具?」
「ああ。今試しにこのカードに魔力を行き渡らせて調べてみたがこの表面右上の魔法陣があるだろう?そこに指を置くとその指を置いた人間の情報が組み込まれるようだ。名前、ランク、そして魔法陣のあった場所は消えその人の顔が映し出されるようだ」



ティオスがそう言って魔法陣に親指を乗せるとその魔法陣が反応し淡く輝き、指を離すとそこにはティオスの顔が載っていた。



「ついでにこの左下の何も刻まれていない場所があるだろう?」
「ええ、余白の部分があるわね」
「恐らくだがここにはその日の目玉となる依頼が届いたり、ギルドから個人へのお知らせを表示させる機能がある────それと位置情報をギルドに知らせているな」



すると昨日とは違うギルド職員が目を丸くしつつ、付け加えた。



「凄いですね……位置情報を回収していることはギルドの中でも知っている人は少ないんですが……見ただけでここまで分かってしまうんですね。流石はギルドマスターが認めた方達です。付け加えるなら、パーティ申請して下さればその方々間での通信の機能も備わっていますが、どうされますか?」
「それならこの三人のパーティ申請をする」



職員に3人はカードを渡すと何やら特殊な魔法道具を使用して色々と操作をしていた。途中、「これはあの元賢者様が作ってくださったのですよ」と聞いたときにはティオスとリエスは驚いた。まさかあのいつも何処かやる気の無さそうな先生がここまで凄い開発をしていたとは。流石は元賢者である。







******







数分してカードを返された三人は依頼の張り出されている場所に来ていた。

自分達のランクは今はBランクなのでBランクより下(B+は含まれない)の依頼を探していた。



「しかしこのランクじゃなかなかめぼしい依頼は無さそうだ」
「仕方ありませんよ。Bランクは冒険者レベルで言えば中堅、一番人口が多いランクです。目立った依頼は朝早くから無くなっているでしょう」
「Aランクとかになれば手慣らし程度に出来る様な依頼はあるのだけれど…」
「まあBランクの依頼を只管やればその内ランクも上がっていい感じのやつができるようになるだろうな」
「…だけど面倒よね」
「すぐにランクを上げられそうなものは無いでしょうか?」



この三人は普段は努力家なのだが冒険者ランクは出来るだけ早くあげたいらしい。
特に理由は無い。

依頼掲示板で右往左往していると何やら五人組がこちらに近づいてくる。三人男で二人女という比率で、全員が羽振りが良さそうだ。そしてリーダーっぽい顔立ちの良い、銀の装備を身に着けた男がこちらに来た。



「やあ!俺達はB+ランクの“銀の翼”というパーティなんだけど、君たち確か昨日登録したばかりのパーティだったよね?もし良ければだけど俺達と一緒に今から依頼を受けてみない?どうやら早くランクを上げたいらしいし。あ、俺はライヴっていうんだ、よろしくな!」


短髪でつんつんした明るい茶髪の20歳前後っぽい爽やかな感じで少しやんちゃそうだが悪い奴では無さそうだ。手を伸ばして握手を待っているのでティオスが手を伸ばして手を握る。


「俺はティオスだ。よろしく頼む。知っての通り昨日登録したばかりのだがランクはBだ。しかし冒険者業については全くの無知だ。色々と指導してくれると助かる」
「えっ!?昨日登録したばかりでもうBランクなの!?ま、まあいいや、着いてきて!今から依頼を受注するんだ!」







こうして少しやんちゃの抜けないライヴとティオスとの付き合いが始まる。




これから先、長い付き合いになることになるとは、ライヴやリエスは勿論、ティオスですら知る由もない。

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