前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

意外な特技

「おはよう」
「おはよう。昨日は窓から聞こえてくる風の音と葉擦れの音が故郷の様で落ち着いて眠れたわ」
「おはよう御座います。私もこれ程よく眠ったのはいつぶりでしょうか…」



リエスとシトリーはいつの間にか起きていたようで何やら二人で中庭に続く縁側に座っていた。
あの二人がこんなふうに平和に縁側に居るなんてな、と目を丸くするが「まあ何か積もる話でもあったんだろう」と気を取り直し「朝飯の用意が出来たぞ」と言うと二人はリビングの方に向かった。





******






「おや、マリスさんとマティスさんが見当たりませんが…?」
「ああ、あの二人は今日は朝から急に魔物討伐の依頼が来ていた様でな、6時頃には出ていったぞ」 

因みに現在は9時を少し過ぎたくらいの時刻だ。

「そんな早くから…叡帝と剪神であるあのお二方に依頼するなんて余程の自体だったのでしょうね」
「どうやらこの町の東の方にグリフォンが現れたらしい」 
「へぇ〜グリフォンですか。納得です」



シトリーが納得しているとリエスがジト目で二人を見据える。


「…凄まじい事を平然と言うのね。グリフォンって災害級だったわよね?なんでそんなに平然としているのかしら」
「災害級だろう?この丸々2年以上俺が魔法を教えこんだリエスなら少し時間を掛ければ倒せる筈だが」

もちゃもちゃと朝食を頬張るティオス。シトリーも何食わぬ顔で朝飯を上品にバランス良く食べていた。リエスははぁっと溜め息を着くと価値観が違うって辛いわねと小さく呟き朝食に手を付ける。

そしてそこで違和感を覚えた。二人は6時には出て行っているのにこの朝食はどう見てもさっき出来たばかりかの様にホカホカと湯気を立てている。魔法で温め直した様では無い。




もっちりとした白いパン。
白い皿に少し厚めの正方形のベーコン。丁寧に盛り付けされていて、ほくほくの人参とブロッコリー、キャベツに黄色がかった爽やかな風味のドレッシング。
トマトをベースに作ってある赤いスープは、白菜とゴロゴロとしたじゃがいもが入っていて、飾りに表面に盛り付けられているのはパセリ。




どれもがその辺の料理亭で出てくる様な料理よりも味わい深く、朝から贅沢な雰囲気を醸し出していた。
リエスはこの料理に疑問を抱きティオスに聞いた。



「この料理、凄く美味しいわね。時間的にご両親が作ったものでは無さそうなのだけれど」
「これはさっき俺が作った奴だぞ。変な味とかしなかったか?」
「ええ、全然変な味なんてしないし、寧ろお店で食べるものより美味しいわ」


ティオスはそれを聞いて安心したかの様なポーズをとっていた。


「えっ!?これご主人様が作ったものなのですか!?」
「ああ」


シトリーはティオスが作ったと聞いた瞬間、顔を下に向け、ふるふると震え始めた。そしてがばっと立ち上がると唐突に土下座をした。それには流石に驚いたティオスは椅子ごと少し体を引いた。


「申し訳ありません!従者ともあろうものがご主人様に料理をさせてしまうなんて……どうぞ、何なり処罰を」
「いや、料理は俺が作りたくて作った訳であってお前が謝る必要は無いのだが───と言ってもお前が納得できないよな。なら、これから俺が料理をする時に手伝ってくれないか?」
「え?その様なことなら別に構いませんが…罰になっていません」
「だから罰は与えないと言っているだろう。強いて言うなら手伝いは強制だ、といえば良いか?それと土下座やめろ」
「……はい」


どこか腑に落ちないシトリーは渋々と立ち上がると食事に戻った。



「それにしてもティオスがここまで料理が上手いとは。女子力でも負けているかもしれない」
「料理は昔から趣味でな、小さい時から両親には料理を振る舞っていた。学園に入ってからは旨い料理ばかりだったから作る機会が無くてな」
「…私も負けないように頑張るわ。力では勝てなくても流石に料理で負けるのは嫌」
「そうか。応援するぞ」
「ええ」



そして食事を終えた3人は家を出て、町の方に向かうのだった。









******








「町の方に来たは良いが何をするんだ?」
「私はご主人様に付いていければそれで良いので」
「なら冒険者登録してみようかしら」
「…そういえば冒険者登録は俺もまだしていなかったな」


冒険者とは一般に決まった職業をしている訳じゃないが、冒険者ギルドにて張り出される依頼を元にその依頼を受けて、成功する事でお金を貰って生計を立てている人々の事だ。

冒険者ギルドではランク分けされていて、上から順番にSSS、SS、S、A、B、C、D、E、Fとなっている。
そのランクと言うのも3段階に分かれていて、例えば平均であるCランクを例に出せばC+、C、C-の様に更に細かく区分されている。

なぜここまで細かく分けられているのかと言うと、冒険者に来る依頼の殆どが命の危険が大きいからだ。
例えばウルフなら適正ランクはCランク帯で、Cランクの中でもランクが上がったばかりの冒険者とBランクに近い実力を持つ者だとかなりの実力差が現れる。その為細かくランクを分けられているのだ。




「登録しておくのも後々役に立つかもしれないからな。今からギルドに行くか」
「そうですね。畏まりました」
「その後は軽く依頼も試しておきたいわね」




そういう訳で冒険者ギルドに向かうのだった。

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