前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

突然の参入者

グアンが踏み込んで最初の攻撃を始めてから凡そ10分経った。

その10分間、観客達はずっと唖然としっぱなしだった。
────これが学生の戦いなのか、と。


二人共ずっと剣技のみで打ち合っていた。はっきり言ってティオスが少し力を入れたらグアンは一発でやられてしまうほどの実力差がある。
しかし、ティオスはグアンとの模擬試合を純粋に楽しみたかった。故に力を抑えてグアンが最高の力を振るえる様に戦っていた。

グアンに合わせてと言ってもグアンは元々剣技に関してはかなりの使い手だった。

ただ、それを発揮できるだけの力、更に踏み込んだ技を繰り出す技術が無かったのだ。
それをティオスが開花させた。そんなグアンは、既に歴戦の騎士達とまともに打ち合え、押せるほどの力を得ていた。


そんなグアンとそれに合わせているティオスの二人の舞が、この戦術学園の生徒達に響かない訳がない。



「グアン、お前はそれまでじゃないだろう?俺のステージまで上がってこい」
「はは、ティオスさん程の高みにはまだ届いていませんが、今出せる全力で迎え撃ちましょう!」


───そして二人は更に加速する。









******








「へぇ〜、噂には聞いてたけどやっぱ凄いなここ。…イギリスのウィンザー城みたい」

黒髪黒目の少年が荷物を手にエリザベート戦術学園の前に立つ。
荷物と言っても背中の、1本純白と金色の輝く剣のみなのだが。

転生・・してから得たこの力のお陰で、正直この世界の人達じゃ相手にならなくなって来たんだよね〜……今この学園は元賢者がバックボーンに居るらしいし……期待できるかなぁ…?」



ぶつぶつと独り言を喋りながら学園の敷地内に入る。




今はまだ午前中なので当然他の生徒達は授業中だった。しかし、敷地内に居るとすぐにどこからか教員らしき人が走り寄って来て、

「君、ここは関係の無い子は入って来ては行けないんだよ?」
「それは知ってます」
「なら何故……?」


その教員がそう口にした瞬間、壮絶な圧力がその少年から吹き出す。


「俺、強い人探してるんだ。今この学園で強い生徒とかって居ないんですか?」
「っ………!い、今、第一グラウンドで、この学園で、一番の規格外、が、模擬戦やってる」


その教員は圧力からひしひしと感じる殺気に耐えつつ、肩で息をしながら答えた。言い終わると共にその圧力は消えると、少し申し訳なさそうな少年が


「すみません。こうでもしないと教えて貰えそうになかったので」


ぺこっと頭を下げるとその少年は第一グラウンドに走っていくのだった。








「ッ!!!!」

その少年は、この世界に来てから最も衝撃を受けた。


───あの銀髪の子、この俺でも底がまるで見えない─────。



少年は茫然自失とした雰囲気でゆっくり歩いていく。


──あの子と戦いたい────戦いたいッッ!!



その思いが強すぎて戦っている二人の周りを取り囲むように見ていた生徒達を押しのけ、二人に近づいていく。その場に居た生徒達はざわざわと騒ぎ始めるが少年の耳には一切届かない。



ある程度の距離までくると、突然少年が消えた。










******







ん?


グアンと戦っていて、とある違和感に気付いた。

それは今までの人生、前世のモノも合わせて初めての感覚だった。

自分に近しい気配。規格外の気配が俺達に近寄ってくる。



「グアン」
「なん、だっ!?」



今も尚続く凄まじい剣技の中、何とも無い様なティオスがグアンに声を掛ける。グアンの方は剣技で一杯いっぱいだが。



「想定外な事が起きた。一度やめるぞ」
「あ、ああ?」



グアンは何だろうという雰囲気を残しながらも飛び退くように距離を取った。





ティオスも一度距離を開けようとしたその刹那、ソイツ・・・が突然目の前に来たかのように錯覚するほどの速度で忍び寄り、同時に剣を振るってきた。

これ程の速度を出せる者は現世になって初めての体験だったが前世の様に余裕を持って受け止めた。




「一体誰だ?」
「凄い、凄い、凄い!やっと俺のこの速度に反応出来る奴に会えた!!!」


ティオスの質問の全く答えになっていない事を突然話してきた。すると突然剣を背中に仕舞ったかと思うとソイツは突然握手してきた。



「初めまして!!俺はカナタって言うんだ!早速だけど俺と戦ってくれない!?!」




観客やSクラスの生徒達すら驚く急展開。ティオスはグアンに目配せすると、グアンはやれやれといった感じで目を閉じる。


「仕方ないな、良いだろう。俺はティオスだ。言っておくが初めから手加減はしないぞ?」
「わあ!それは嬉しいな!!」


この時誰も思わなかっただろう。









まさか、ティオスの様な規格外が、もう一人存在するなんて。
















今日は2話更新でした!!
まあ、明日が更新できるか怪しいので前払いですね(?)

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コメント

  • つかっちゃ

    こんにちは!つかっちゃです( ˘ᵕ˘ )作品の画像が無いと何か寂しかったので自分で描いてみました_:(´ཀ`」 ∠):
    最近はお気に入りの数も増えてきていて本当に感謝の限りです!これからもよろしくお願いします(_ _*)

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