前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

クラス代表決定戦3

ルーチェとリエスの戦いの後、すぐにシズとワイルの試合が始まる。
 

勿論二人ともクラスではずば抜けた一点突破力を誇る。
シズは槍で、ワイルは弓で互いに急所になる場所を突き合う。

両者とも純粋な技勝負がしたかったのか魔法は無く、それまでのクラスメイト達の試合とはまた違う激烈な戦いを繰り広げていた。


ワイルの得意な速引きで同時に5本矢が発射された様に見える。その手元は最早霞んで見える程の速度でどんどん矢は打ち出される。しかもその矢はワイルの腕力も加算され音速でシズに襲い掛かる。

しかしその矢全てを見切っているのかシズは避け、薙ぎ払い、突き返す。

最初は互いに20m程の距離があったのだが今は既に8mも離れていないだろう。
シズは飛んでくる矢を躱しつつワイルに詰めていくと、


「──僕の勝ち」
「…………無念」


ワイルの胸元を一文字に裂く。
しかしワイルは負けたと言うのに清々しい様な顔をして地面に仰向けに倒れる。


そうして、ワイルとシズの戦いは終わった。






******






「はっきり言ってティオスさん、貴方には勝てるイメージが湧かない」
「ほう、なかなか高評価なんだな」
「高評価何かじゃなくこれはクラスメイト全員が思っていると思います。どんな戦術もティオスにかかれば達人以上に使いこなす。それに、この二年間、貴方の特訓で私も、クラスメイト達も何段階も強くなりました」
「そりゃあお前らが俺に教えろ教えろって迫ってくるからなぁ…」

グアンの発言にティオスは頬をポリポリと掻いて、この2年間を振り返る。




******





入学したあとすぐのクラスメイト達の前で披露したあの魔法、それからの日々で見せたティオスの力の片鱗にクラスメイト達は戦慄し、憧れた。

きっかけはグアンだった。剣の扱いに伸び悩んでる所をたまたまティオスに見られた。それはグアンのこれまでの人生の中で最も恥ずかしい思い出の一つで、同時に自分を変える一番の大切な思い出でもあった。


ティオスに自分が剣で伸び悩んでいるところは正直見られたくはなかった。

ルーチェ様に仕える一番の騎士である自分の弱い所は誰にも見られたくなかった。これからもルーチェを守る為、学校が終わったあとは一人こっそりと近くの森の中に行き、魔物を相手に鍛錬していた。

そんなある日、グアンが森に行っていつも通り鍛錬し、自分の剣術が余り伸びず、自分自身に腹が立ち近くにあった木を殴りつけた。 


「クソッッ!!!!!俺は姫を守る剣だぞ!?!?こんな所で躓いてはいけない!剣においては誰にも負けてはいけない!!そんなんじゃ守ることはできるはずが無い!!!なのに!!なのに……………なんで………………強く……なれないんだよ………」




────その光景を、たまたま暇つぶし程度に森に来ていたティオスが見てしまった。

普段、敬語で誰にでも優しく振る舞う金髪の彼のそんな一面にティオスは目を見開き驚く。
森の中でひっそりと鍛錬していた事にも驚いたが何よりルーチェの為にそこまで自分を追い詰める事ができることに。



今でこそティオスはこんなチート野郎だが前世では最初からそうだったのかと言われれば否、と答える。寧ろ平均以上に魔法や体術系統は出来なかった。
しかし、そんな弱かったティオスの事を励ましてくれた友人がいた。そいつも戦術に関しては人並み以上に出来が悪かったが、一番中の良かったそいつは「一緒に強くなろう?」と手を差し伸べてくれた。

それからは二人とも強くなる為に死ぬ気で頑張った。いや、死ぬ気でというのも生ぬるいほどの鍛錬を積み重ねた。

当時は今よりも“力こそ全て”という風潮が強かった時代だった。それこそ力の無いものは死刑されるほど。

しかしそんな環境が二人を化けさせた。世界最強の座とその次席を取れるほど。




そんな遠い遠い昔の記憶が頭によぎり、気づけばグアンに近づいていた。


「───強くなりたいか?」






******





それからはグアンがティオスから個人的に指導を受けていることがクラスで知れ渡るのは遅く無かった。
それでクラスメイト全員がティオスに教えを乞うたのだ。





「そんな私の人生を変えてくれたティオスさんに、あれからの進歩を見せて差し上げましょう」
「ああ、楽しみにしてるぞ」





ティオスがそう言い終わると同時に、グアンから攻撃を仕掛けるのだった。














お読み頂きありがとう御座います!
感想などを頂けたら幸いです(๑´ω`๑)


それと実は自分あまり上手くはないですがお絵かきもしています(ᯅ̈ )
Twitterにてキャラクターの構想イラストをアップする予定なのでフォローお願いします→@N_Tsukaccha

(実はティオスの絵はアップしています

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