前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

クラス代表決定戦1

「クラス代表は擲皇の弟子であるこの俺だろ?」
「はぁ〜?何言っちゃってんの?それなら薙王の弟子の僕こそが相応しいでしょ」
「皆さん落ち着いてください。私は王女です。一つここでビシッと出場しておくことで皆からの支持を────」
「ルーチェ様、ここで権力を使うのは反則かと。私が姫の剣としての意地を見せてみましょう」
「あ〜あ〜あ〜そこのお姫様と騎士様は置いといてそれならこの華麗なるアイナ様が代表に──」
「何を言う。この斧の素晴らしさを皆に広める為には必ず代表にならねばならない俺が出るべきだろう」
「筋肉バカは出しゃばらないで。私が力魔法で圧倒する」
「わ、わたしだって………出たい……」
「………………俺が出る……」

「何言ってんだお前ら。俺が出るに決まってるだろう?」
『『『ティオスうるさい』』』
「……なあ、ここ一年俺の扱いが酷くないか?」


クラス代表を決める為に全員第一グラウンドに出てきていた。外に出たは良いが未だに俺が私がと言い合っている。

さっさと戦えばいいものを…と思っているのだが未だに戦い始められない理由があった。



まず第一にグラウンド破壊その他の責任の所在を区切らなければいけなかった。ここは周辺諸国の中でも有数の設備を整えた学園だ。もしもの事があると行けないのでそういう面倒臭そうな手続きをガーネットがまとめに行っている。


次の理由が観客だ。俺達のクラスはこの二年間で全ての学年、クラスから興味を持たれていた。全員がテストで上位を独占しているし何より実力が全員並外れているというのを当の昔に越しておりもはや異常というほかない実力者しか居ない。

そんな訳で色んな学年からその模擬戦の見学をさせてほしいと言われ、結局Aクラス全学年とCクラス全学年が集まるといった大きな規模になってしまったから、現在様々な手続きに手間取っているため時間があるのだ。



そうして凡そ15分後、ガーネットが面倒くさそうな顔で戻って来た。

「手続きは全て済ませて来てやったぞ。そらもう後は勝手に戦って来い」
『『『ありがとうございます!』』』

ガーネットは態度は凄く悪く見えるがしっかり者だ。こういった面倒くさい事も渋々とでもちゃんとこなしてくれる。
そのお陰でクラス代表決定戦が執り行われる様だった。







******








グラウンドの中心には2人が相対している。アイナとカインだった。

その2人の離れた場所には空に飛んでいる魔法道具があった。遠隔視が出来る魔法道具だ。しかも二人の真上にはその魔法道具で撮っている映像を投影する巨大な光の膜があった。これも魔法道具で大会などで使われるものをガーネットがそのまま貸してくれた。

その魔法道具はその場の音声も拾っているようで観客達にも何を話しているのかが分かるようになっていた。




「カインと手を合わせるのはいつぶりかしら?」
「入学して最初の方で一回手合わせをした。その時には決着をつけていなかったはずだ」
「そうだったわね。いつまでやっても埒が明かないからって途中でストップが掛かったんだったわね。なら都合がいいわ」
「そうだな」

二人はニッと笑うと


『貴方(お前)に今日勝つことが出来るからな!!』



その瞬間、最初に動いたのはカインだった。地面を軽く蹴るように動いた筈なのにそのスピードは他のクラスの生徒たちがギリギリ目で追える速度で、観客達は早くも唖然としていた。


カインは右手に握っている戦斧を軽々と振り回す。対するアイナは強靭なミスリル合金の細糸を華麗に操るとその全ての攻撃を受け流す。

普通、斧と糸なら圧倒的に糸が不利になる。しかしアイナはその糸術の技術力の高さからか対等に渡り合えている。

しかしカインも凄まじい。カインが使っているのは片手斧では無い。人間の巨漢ですら両手でギリギリ使えるレベルの重量の両手斧なのだ。
それをいとも容易く片手で操るなど魔法無しならティオスであっても無理だ。


しばらくお互いの攻防が繰り広げられる。アイナはその身軽さから俊敏に動き回り、カインの腕や足に糸を絡めて動きを制御したり、もしくは糸を巧みに操り剣のような軌道、鞭のような軌道でカインに攻撃を当てたりしていた。

糸術の強みは何と言ってもその技の巧みさだ。細く耐久のある糸は素早く動かせば人間なんて軽く切り刻めるし、束ねてやれば攻撃を防御もできる。


「ふふっ楽しくなってきたわね」
「そう……だなっ!!」


カインはそう言うと目にも止まらぬ速さで斧を降る。アイナは何とか防御ができたが真正面から受けたので糸がいくつか切れ、アイナ自身も吹き飛ばされる。


「くっ……これだから筋肉ダルマは……!!」
「これでもまだ8割程度しか力を込めていないぞ」
「このっ……!!」


アイナが流石にやばいと思い、糸に魔力を込めると強度を上げ、更に雷魔法フォルゲンを付与する。

バチバチと電気の迸る糸を今まで以上のスピードで振る。
もともと細い糸はアイナが本気を出した事であまりの速さに既に見えなくなっていた。


「……本気で行くわよ」
「ならば俺も本気を出す」


そう言うとカインも雷魔法を発動、それを全身に広げる。腕や足からバチバチと電気が走る。



『これで決める!!!』



アイナは同時に見えない速度の50本もの糸をカインに、電気的加速を使って筋肉の限界値以上の速度で迫るカインは、その斧をアイナに、それぞれの本気の一撃を叩きつける。


二人がぶつかった途端、そこを中心に10m程の爆発が起きた。



観客達はその光景にずっと唖然としっぱなしだが、爆音で正気に戻った。「やばいんじゃないか?」「あいつら生きてるのか?」などざわざわし始める。

砂煙で未だに何も見えないままなのでティオスが土魔法スエロで砂煙を動かす。


砂煙が晴れると爆心地に居た二人は。





「はぁっ……はあっ………アイナ………俺の……はぁ……勝ちだ」



全身傷だらけでアイナを下に見ているカインが立っていた。










お読み頂きありがとう御座いますm(_ _)m

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コメント

  • 桜花 時雨

    カインとアイナの戦いにおいて、『無知のような軌道』とあるのですが、『鞭のような軌道』が正しいかもしれません。
    間違っていたらすいません。

    1
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