前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

皆の実力2

「次はリエスだ!」
「ええ。頑張るわ」


頑張ると言っているがもとが少し気怠そうな声音なので全然そう感じないのが残念だが、纏っている魔力が本気そのものだった。

その場にいた全員がその魔力の多さに驚き、同時に使った魔法に戦慄を覚えた。






「───彎曲ファルテン




リエスがそう言った瞬間、アダマンスラックの辺りの空間がギシギシと音を立て─────ぐにゃんと粘度をこねるかのように捻じ曲がった。

彎曲に巻き込まれたアダマンスラックはその硬い甲羅を全く活かすことはなくいとも簡単に捻じ曲げられ、中身をぶち撒けた。
そして汚物を見る目で呟いた。




「あら、汚いわね─────圧縮コンプレーモ



すると今度はバラバラになっていたアダマンスラックだったものが1箇所に集まるとギチギチと音をたてながらどんどん小さくなっていく。

それは最終的に5cm程の玉になるまで圧縮され続けた。


その様子を見たリエスは満足そうに



「ふふ、こんなものかしら?」


と皆の方を向きながら微笑を浮かべた。ガーネットはそれを見て嬉しそうに



「流石だな────唯一の力魔法の使い手だった元叡帝ヴァネッサの孫は一味も二味も違う」
「ふふ、知られてたのね」
「こう見えても元賢者、ヴァネッサとは友人。あいつはまだ元気にしてるか?」
「ええ、いつも魔法の鍛錬をしてるわ」
「そうか、それは、何よりだ」

ガーネットは友人の安否確認が出来て満足そうだった。




******


「それじゃあ次はルーチェだな」
「はい!」


ルーチェは元気に返事をするとアダマンスラックの近くまで行き、試験のときのように火魔法イグニス風魔法トゥールを右手と左手にそれぞれ発動させるとその2つを合成させた。



「行きます!─燃え盛る竜巻プロク・イアサール!!」



そう言うと魔力切れでへなっと地面に女の子座りのように倒れ込むが発動した魔法は強力だ。

炎を纏った巨大な竜巻がアダマンスラックを襲うと、その硬い甲羅の殆どを焼き溶かし、炭のようにした。
しかし、まだ扱いが完璧じゃないためアダマンスラックは生き延びていた。


「10歳で合成魔法を扱いそこまでの威力が出るとはな。この国の王女様はかなりの魔法の腕をしているようだ」
「あり……がとう……はぁっ………ございます……」
「魔力が切れてて辛いだろう、復活ルフトゥ


ガーネットがそう言って光魔法の中でも高位の回復魔法である復活を使うと、ルーチェの魔力と体力がおよそ5割復活した。


「復活……そんな高位の光魔法を……ありがとう御座います」
「いい、気にするな」


ガーネットは手をひらひらさせて大したことないと伝えるとルーチェは元いた場所に戻った。




******




「次はワイルだな」
「………………やる………」



ワイルは一言そう言うとアダマンスラックに照準を当て、弓を構える。

ワイルは10歳にしては身長が高く163cmあり、その体と同じくらいに大きな弓を持っている。その弓は上弭うわはずの部分にフェニックスの羽の装飾がある以外は唯のミスリルボウなのだが、そのフェニックスの羽による上方効果があるのか威圧感がある。

ワイルはその弓を引くと一言。



「─────穿て」




引いていた手をぱっと離すと矢が凄まじい速さで飛んでいくと、アダマンスラックの殻と地面の隙間に僅かにある隙間に矢が入った。


そして約10秒後、アダマンスラックの外見はそのままなのだが殻の中から赤黒いドロッとした血が溢れてきた。



「殻と地面はおよそ5cm、その隙間をこの20mほど離れた場所から狙い打つとはお見事」
「…………………当然」


ワイルは当然だと弓を片付けると元の場所に戻った。





******





「最後、ティオス」
「ああ」
「派手に、頼むぞ」
「派手にか。了解した」


ガーネットから派手にしろと頼まれたからにはやるしかないな。というかあの人は俺のことを知っているような態度だったが………まあいいか。

ティオスはアダマンスラックを前にして、約30mほど離れた場所に立つと




「それじゃあ────やるか」




そう呟いた途端、ドンッとティオスを中心に波動が走った。そしてその後の光景にガーネット以外全員が唖然とする。



まず、火の玉が背面に一つ出来上がる。そして間髪をいれずに今度は水の玉、緑色の可視化されている風の玉、土の玉、雷の玉、光の玉、闇の玉がぽんぽんと出来上がる。



「───合成魔法、絶滅エクスティンシオン




そう呟いた途端、全ての玉が合成されると音速で移動しアダマンスラックに当たった。





着弾地点、そこはまさに地獄だった。暴風や激流が津波の如く荒れ狂い、巨大な岩が降り注ぎ、業火に包まれる。光によって作られた聖属性を持つ剣が雨霰と地面に突き刺さり闇の霧が辺りを腐食させてゆく。




「これは……やりすぎたな。結界リーモ


そう言うと特殊な形の結界が出来上がった。結界をよく見ると小さなパーツで出来ているのが分かり、そのパーツというのが一つ一つが六角形で形成されていた。

所謂ハニカム構造で出来た結界だった。

その結界が絶滅を防ぐこと凡そ3分。ようやく収まった頃には結界の中の地面は抉れ、溶け、焦げ、腐食し、死にきった土地が出来上がっていた。



「まさかここまでの魔法の使い手とはな…流石、叡帝と剪神の息子だ」
「家の親のことを知っているのか」
「当たり前だ。あの私は昔あの2人と今の綾鞭りんへんとパーティーを組んでたことがあるからな」
「そうなのか。一体お前は何者なんだ?」
「お前と言うな先生と呼べ。何者と言われても元賢者としか言えないな」



そう言うガーネットを胡乱な目で見るティオスは、ガーネットがこれ以上なにも言わないと分かると諦めて元の場所に戻るのだった。





「よし、これにて全員の力を見ることができたな。目標となる者は居たか?そいつを見習って日々精進する事を意識して生活しろよ。以上で授業を終わる」



授業という名の実力公開が終わるとちょうど1時間目が終わるのだった。











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