前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

グアンとロウェル

「C-4番、前に出て下さい!」
「はい!」

グアンは元気よく返事をして前に出る。
生徒達のすぐ横をすっと通り過ぎる。爽やかなイケメンと言う事もあり女子生徒達の目は釘付けだった。同じイケメンであるティオスとの反応の差が激しい。

解せぬ。(ティオス)


「それでは、試験を開始します」
「よろしくお願いします。私は剣術を選択します」



そう言うと、女騎士が寄ってくる。騎士団長ロウェルだ。真剣な眼差しをしており、誰もが息を呑み込んだ。


そして。




「私のかわいいグアンた〜ん♡」

ロウェルがおもむろにグアンに抱き着く。しかしグアンの方はやれやれ…といった感じに抜け出す。

「姉さん…ちょっとは人目を気にしてください。恥ずかしいです」
「あっ……そうだった…えーごほん、それじゃあ剣術の試験ね」


突然騎士団長ロウェルが生徒に抱きついた!とその場にいた生徒たちは目を丸くしていた。が、グアンの“姉さん”という言葉で更に目を丸くしていた。
何せあの騎士団長の弟なのだ。どんな戦いを見せてくれるのかとざわざわし始めた。




「では、姉さん、行きます!」
「ええ、どんと来なさいな」
「──いつまでも昔の私だと思わないで下さい」




グアンは思い切り踏み込むとかなりロウェルとの距離を詰める。
そして最速で攻撃を当てる為に突きを選択した。
グアンはかなり鍛錬をしているのだろう、洗練されている。
しかし、それだと仮にも騎士団長のロウェルにはまだ届かない。

ロウェルはその突きを剣の側面で逸らすように受け流すとそのまま剣と剣どうしがくっついたままスッと前に踏み込み、そのまま振り下ろす。

グアンはその攻撃を読んでいたかのように突き出している右手が前になるよう半身になって、左側に落ちてくる斬撃を躱す。半身になる勢いのまま反時計回りに1回転すると同時に剣を振る。


「ッ!!危ないなぁ〜…」
「くっ…惜しい…」



ロウェルは流石にその攻撃は読み切れていなかったのか咄嗟に左手で右腰に刺してあった剣を引き抜くとその剣でロウェルの変則斬撃を受けた。
その斬撃はグアンの回転の威力も含まれているのでそのまま飛ばされ距離を取る。




「ふふ、私のグアンはやっぱり天才ね!ここまで私に本気で掛かってくるなんて……なら私もちゃんとグアンを一人の剣士として見る事にするわ」

ロウェルはヘラヘラとしつつグアンを見る。


その瞬間。


「なにを────ッ!?」






──ロウェルの雰囲気が変わる。

もはや別人のようだった。

それは弟にデレていた時の姿とは打って変わり、騎士団長としての威厳があり───────グアンにロウェルの本気の殺気が降り掛かる。

離れた場所で見ていた生徒たちはその殺気に当てられ気絶して倒れる者やガクガクと腰を抜かしている者が続出した。





グアンはその強大な殺気を全身に受け────初めて自分の姉の本気の殺気を受け驚愕したが、自分だって騎士を目指すものだ。




───この程度の殺気に屈するものか。



冷や汗をだらだらと流しつつもしっかり剣を構えて立っているグアンの姿をロウェルはじっと見据えると、ニパッと笑い、


「───ふふっ♪やっぱり私のグアンは才能があるね♪合格だよ、グアン!」
「は、はぁ…?」


突然殺気を引っ込めるといつものロウェルに戻る。
グアンは突然雰囲気が元に戻った姉を見て、その言葉を聞いて混乱した。


「これも試験なんだよ。グアンは剣術の方は申し分ないからその胆力を試させてもらったの」


ごめんね、と舌を出して謝るロウェル。
そして周りを見て倒れ伏している生徒たちを見て「わあああごめん!ごめんん!!」と取り乱しつつ教員を呼びに行った。






試験を見ていたティオスは、ロウェルを見て一目で分かった。
昔、父のマティスから聞いたことがあった。

天下武冠会の戦いで齢18にして剪神部に出場してくる程の実力を兼ね備えた女性。名前は忘れたが。


恐らくそれがロウェルなのだろう。あの殺気もまだまだ全然本気の物じゃなかったのが手に取るように分かった。

そのロウェルがグアンは天才だという。


グアンがどのように強くなっていくのか楽しみだ。








******







「あ!見てください!」

保健室で休んでいた筈のルーチェは既に体力が戻っており、他の3人に合流していた。
そのルーチェが嬉しそうに指を指しているのはクラス分けが書いてある表だった。


ルーチェの指の指している先を見てみると。



******


Sクラス


アイナ・イーリッヒ

アサド

カイン・ヴァイスロイ

シズ

ティオス

ニル

リエス

ルーチェ・ハーレイ

ワイル

グアン・グラディ



******




見事、全員Sクラスに入ることが出来た。
Sクラスは10人しか選ばれない特別なクラスなので選ばれた喜びは一入だろう。



これからの学園生活、6年間で一体どれだけ面白いことが待ち受けているのだろうか────


ティオスはその事しか頭に無かった。










お読み頂きありがとう御座います!

なんとやってはいけない間違いを最初にしていました…(汗)
マティス(父)の名前とティオス(主人公)の名前を反対で使っていました…

主人公はマティスです。はい。


この様にとんでもない間違いなどがあるとかなり危ないのでTwitterで知らせていただけると幸いです。

Twitter: @N_Tsukaccha

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