前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

強者の言葉

先程まで生徒たちが逃げ回っていたのが嘘の様に今は全員が目を剥いて唖然としている。



異様に静かな空間、ティオスはその静寂がなんか心地よくなり始め欠伸が出た。そんなティオスのすぐ横の方では戦慄の表情を浮かべる二人の姿があった。



「嘘だろ……?今のは全力で殴った筈だ……」
「僕も今のは本気で出した技だったのに……」


そんな二人の光景にティオスははぁ…と溜め息をつくと二人にゲンコツを一発ずつ御見舞した。

「ってえ!何しやがんだ」
「っつ〜…突然何をするんだよう」
「はぁ…あのなあ、戦うのは良いが周りを見てみろ」


ティオスにそう言われて二人はあたりを見渡しやっと気づく。大きく抉れたグラウンド、水に濡れてぐちゃぐちゃになっている場所、圧倒的熱量でガラス化している地面。

逃げ回っていただろう生徒達に先生達。


「お前らは仮にも称号持ちの一番弟子じゃ無いのか?人様に要らない迷惑かけといてそんなんで称号持ちの弟子で居られるのか??」
「そ、それは…」
「やりすぎたとは……思ってます…」

ティオスはそんな二人に何と無しに言い放つ。

「今のお前らは力はあるのだろうがそれだけだ。─────戦闘者の風上にも置けない」


それは前世で人生の全てを天下武冠会で全ての称号で1位を獲得した者だからこそ言える事だった。



戦いというのは単に自分の力を他人に見せつける為だけじゃ無い。その技の美しさを高め合い、お互いを認める。
戦いを冒涜するような奴は皆等しく散っていくか闇に身を落としていった。


戦闘者はその身に宿している力を正しく振るうべきである、ティオスはそういう信念がある。


禄に信念もない、周りにただ迷惑をかけるだけの戦いをする者は絶対に強くなれない。それじゃ戦闘者としては生きていけない。




天下武冠会で勝ち上がって来る者たちは等しく自分の扱う武術をこよなく愛している。そしてその信念どうしがぶつかったとき、初めて戦いになる。自分の全てを賭ける必要がある。



そんな覚悟もなくただ相手に勝つという曖昧な想いしかない戦いをする奴は戦闘者に喧嘩を売るような物だ。



アサドもシズもそういう信念はあるはずだ。今回はこういう慣れない人がたくさんいる場所で舞い上がっていたのだろう。

それが分かっていたから────ティオスにそう言われて、途端に自分の行いが恥ずかしくなる。



アサドはそういう浅はかだった自分に怒り、シズは戦いを冒涜していた事を想い恥ずかしさのあまり俯いていた。
ティオスはその二人の様子を見てフッと笑うと


「その様子じゃあ大丈夫そうだな」

そう言ってリエス達の方に歩いていくのだった。






「さて、面白いものも見れたしそろそろ時間だ、戻るぞ」
「そうね」
「……ティオスさんは底が知れないですね…」
「…全くですね」

そう言いうと3人は第一グラウンドに戻っていった。






グラウンドの方から謝罪をしている声が聞こえてくる。 


「本当に──面白くなりそうだ」と一人小さく呟くと踵を返し少し遅れて3人に着いていくのだった。










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