前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

実技試験2

「そ、それではC-1番、魔法の試験の方を始めます。ルールはあの的に向かって得意の魔法を放つ事。以上です」

先程の光景が頭から離れないのか審判員の教師はまだ流れてくる汗を拭っている。
的は凡そ20mほど離れた場所にあり、そこそこ硬いミスリル合金で出来ている様だった。



一方ティオスの方は剣術で相手を圧倒できてイライラしていた頭は冷えていた。なので未だに唖然としている生徒達の為に今度は魅せる・・・魔法を披露しようと思い、右手をスッと前に掲げる。




空中を掴むように手の平を広げ、何かを掴むようにギュッと握り込むと、握りこんだ拳の前に10枚の魔法陣が現れる。

魔法の試験を受けた者たちがそれを見て我にかえると、よく魔法陣を観察して生唾を飲み込む。

ティオスはパッと出したが、その一枚一枚の魔法陣があり得ないほど緻密なのだ。もはや芸術の域に達している。


「……ここからだ」


ティオスがボソッと呟くと腕をゆっくり引く。その瞬間、魔法陣が腕を潜る様に消えると、腕の上下に繊細な硝子細工の様な一対の翼が現れる。


ティオスが腕を更に引き絞ると翼もまるで弓に引かれるかのようにその尖った先端を的に向ける。



「これが本物・・の魔法だ」



そう言って拳を開くと、大気が軋み始める───とも思えば突然ガラスが割れるような音が聞こえる。
そしてワンテンポ遅れて爆風がその場を支配する。








「───う………そだろ………………」


誰かが呟いた声がやけにはっきりと聞こえた。

爆風で舞い上げられた砂煙が晴れると20m先にあったはずの的は木っ端微塵になっている。


だが、全員が絶句しているのは別の理由だった。



立ったままのティオスの少し前からそのまま直線距離150m程に二本の抉れた地面が広がっていた。
それはまるで巨大な生物が付けた傷跡のように深々と後が残っており、その威力が計り知れる。

その場にいた者たちは一様に声が出せないで居る。しかしそんな中に少し気怠そうな声が響く。


「っと、こんなもんだな。もう戻ってもいいのか?」
「────────ハッ、え、ええ、どうぞ」


審判員の教師も声をかけられてやっと正気に戻れた。そして正気に戻って気づいた。


「……只今の魔法により的と校庭の破損されたので準備時間が必要です。これから30分ほどは自由時間とします……」



そういって、一時解散になった。






******






「まさかあんな派手な魔法が使えるなんて驚きだわ」

と、リエスがそこまでの驚いた様子も無く話してくる。

「……本当に。ティオスさんの剣術に驚きました。まさか姉をあんなに簡単にあしらってしまうなんて…」
「あの魔法の威力……天下武冠会出場者達に匹敵していました……一体ティオスさんは……?」


ルーチェとグアンが視線をこちらに寄越してくる。これからよく絡むだろうし丁度いい、ここで俺の目標を話すか。


「俺の目標は天下武冠会にて全ての部において1位になる事を目指している」
「「「!!」」」

この発言には流石のリエスも目を見開いて驚いている様だ。なんか勝った気分。

「そしてこの学園に来た理由は薙王ていのう擲皇ちゃっこうの弟子が入学するらしいから今の内に繋がりを持っておこうと思ってな」
「薙王と擲皇の弟子が…」

ルーチェも驚いている。
まあ初耳なのも頷ける。なにせ弟子だって事はうちの親みたいな剪神や叡帝の様な称号持ちしか知らないはずなのだ。

「擲皇の弟子……確か才能が凄く次期擲皇に一番近い男と聞いていますが…何よりもその性格が─────」





グアンが何かを話そうとした瞬間、何かが爆発したような音が第二グラウンドの方から聞こえてきた。

「!!」
「なにか面白そうな事が起きそうね」

ルーチェが驚いているその横でリエスが少し悪そうな顔で笑っている。
リエスってクール美人だが意外と感情豊かなんだな。


リエスが第二グラウンドに行きたがるので全員で向かう事にした。







そして、そこで目にした光景にティオスですら「おっ…?」っと目を丸くした。








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