前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う
入学式
「────この誉れ高きエリザベート学園の生徒の名に恥じぬような学園生活を送ってください」
そう言うと大講堂中に大きな拍手が響きわたった。
拍手が止むと校長が舞台から後段し、次のプログラムのアナウンスが流れ始めた。
「──次は入学生代表のこのハーレイ王国の第一王女様による宣誓です」
「この国の王女さんか。どんなやつなんだろうな?」
「さあ?私はここから遠い場所にある国からやってきたから分からないわ」
そんななんてこと無い事を呟いていると、少し周りがざわざわし始めた。
王女が登壇したのかと思いリエスに向けていた視線を戻すがどうやら違うようだ。
「────し、少々お待ちください───」
アナウンスさんも焦っている。
王女が登場していない所を見るとまだ来ていないのだろう。
そんな風に思っていると、
「………ッ!」
俺の居る席を一つとんだ場所にいたルーチェが突然席から立ち上がった。
顔を見るに今まで寝ていたようだ。ついでにグアンも寝ている。
ルーチェは隣に居るグアンの両肩を持つと、
「ぐ、グアン!時間になったら起こしてくれるって言ってたじゃない!!」
かなりの勢いで揺らし始めた。グアン、首の骨大丈夫か?
するとグアンもばっと起きるとルーチェの前に跪いた。
「も、申し訳ありません、姫様。この私とした事が───」
「良いから早く行きますよ!!」
そう言うとルーチェはグアンの手を引っ張って入り口の方からそそくさと出ていった。
「……なんだあいつら。というかあれが素なのか?お淑やかな感じがあったのだが」
「さあ、どうかしら。それよりルーチェ、グアンが姫って呼んでたみたいだけど」
「そういえば呼んでたな。状況的に考えるとルーチェは第一王女か」
「あら、随分あっさりとした反応なのね」
「俺は身分がどうだとか気にしないタイプだからな」
「……それ大丈夫なのかしら」
「リエスも大概だと思うぞ。第一王女かもしれない相手がすぐ近くにいたと分かっても同様一つしなかったからな」
「……ふふふ」
リエスの反応に胡乱な目を向けていると、アナウンスが響いた。
どうやらやっと第一王女サマのご登場らしい。
まあ、ご察しのとおりだったのだが。
「──こんにちは」
ルーチェは登壇して、挨拶をした。挨拶をしただけなのだが溢れ出るお嬢様オーラが凄い。
この学園は制服にも力が入っていて、白を基調とした服に赤と黒のラインが肩から袖の方に伸びているシンプルな制服に、左胸の所にこの学園の校章が金の糸で細かく刺繍されている。
皆同じ制服を着ているはずなのに、ルーチェが着ているものだけ一際美しく見えた。
「私はこのハーレイ王国の第一王女、ルーチェ・ハーレイです。この度この学園に入学できた事、誠に嬉しく思います────────」
その後、約5分に渡る短いスピーチが行われた。
生徒たちは皆、ルーチェのその気品に目を奪われており、終始静かに聞いていた。
静かな大講堂にルーチェの声が響き渡る。
いつまでも聞いていたいと思ってしまうその凛とした透き通る声は、まるで歌の様だった。
「─────これからの6年間、充実した学園生活を送れるよう、精一杯学業に励みたいと思います。御清聴、ありがとう御座いました」
スピーチが終わったにもかかわらず、全員まだその美声の余韻に浸っているのかしんとしている。
俺はリエスと目を合わせると、拍手をした。
するとぽつぽつと拍手が湧き出し、最後には拍手喝采となった。
******
入学式が終わると大講堂を出るとルーチェとグアンを見つけたのでリエスと向かった。
「はぁ〜…緊張した。それにしても……グアン酷いです」
「誠に申し訳ございません…」
「まあ…良いです。過ぎたんだし次はしっかりしてね」
「肝に銘じておきます」
「それにしても……アドリブだったから余り良い事言えませんでした…」
「なかなか良いスピーチだったぜ?」
「ええ。なかなか良かったと思うわ」
背後から二人で声をかけると、ルーチェとグアンは二人してびくっとした。
二人はティオス達の方をそーっと見ると少しほっとした顔をした。
「ありがとうございます」
「どういたしまして、だ。それとこれから付き合っていくにあたって一つ確認しておきたい事がある」
「私とティオス、今はこんな口調だけれど貴方は姫。敬語の方が良いかしら?」
ルーチェとグアンは二人で顔を見合わせると
「はい!寧ろそっちの方でお願いします」
「私もそちらでお願いします」
「…驚いた。てっきり敬語で話せと言うものだと思ってた」
「同意」
「ははは。これから長い付き合いになるんです、皆さんとは仲良くなりたいですしね」
「私も“姫”ってだけでこれまでの場所で出会った同年代の人達は皆敬語しか話してくれなくて…」
「まあそれが普通だな」
「ティオスは肝が座ってて私は見ての通りこの国のものじゃない。私からしたら他国のお偉いさんなんてどうでもいいわ」
ルーチェはそんな二人の反応を見て、とても嬉しそうに笑った。
グアンはそんなルーチェの姿を見て微笑んでいた。
「それじゃあ改めて宜しくな、ルーチェ、グアン」
「改めてよろしく」
「はい!こちらこそよろしくお願いしますね!」
「こっちそこよろしくお願いします!」
おまけ(?)
テ「なあグアン」
グ「ん?なんですか?」
テ「それとルーチェも」
ル「はい?なんでしょう」 
テ「なんで俺とリエスはタメ口で話せって言っといてお前らは敬語のままなんだ?」
グル「「これでも砕けて話してるんですけど」」
リ「フッ……(嘲笑)」
テグル「「「いやなんでそこで笑った」」」
そんな訳で(?)ティオス、リエス、ルーチェ、グアンというグループが出来るのでした。
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そう言うと大講堂中に大きな拍手が響きわたった。
拍手が止むと校長が舞台から後段し、次のプログラムのアナウンスが流れ始めた。
「──次は入学生代表のこのハーレイ王国の第一王女様による宣誓です」
「この国の王女さんか。どんなやつなんだろうな?」
「さあ?私はここから遠い場所にある国からやってきたから分からないわ」
そんななんてこと無い事を呟いていると、少し周りがざわざわし始めた。
王女が登壇したのかと思いリエスに向けていた視線を戻すがどうやら違うようだ。
「────し、少々お待ちください───」
アナウンスさんも焦っている。
王女が登場していない所を見るとまだ来ていないのだろう。
そんな風に思っていると、
「………ッ!」
俺の居る席を一つとんだ場所にいたルーチェが突然席から立ち上がった。
顔を見るに今まで寝ていたようだ。ついでにグアンも寝ている。
ルーチェは隣に居るグアンの両肩を持つと、
「ぐ、グアン!時間になったら起こしてくれるって言ってたじゃない!!」
かなりの勢いで揺らし始めた。グアン、首の骨大丈夫か?
するとグアンもばっと起きるとルーチェの前に跪いた。
「も、申し訳ありません、姫様。この私とした事が───」
「良いから早く行きますよ!!」
そう言うとルーチェはグアンの手を引っ張って入り口の方からそそくさと出ていった。
「……なんだあいつら。というかあれが素なのか?お淑やかな感じがあったのだが」
「さあ、どうかしら。それよりルーチェ、グアンが姫って呼んでたみたいだけど」
「そういえば呼んでたな。状況的に考えるとルーチェは第一王女か」
「あら、随分あっさりとした反応なのね」
「俺は身分がどうだとか気にしないタイプだからな」
「……それ大丈夫なのかしら」
「リエスも大概だと思うぞ。第一王女かもしれない相手がすぐ近くにいたと分かっても同様一つしなかったからな」
「……ふふふ」
リエスの反応に胡乱な目を向けていると、アナウンスが響いた。
どうやらやっと第一王女サマのご登場らしい。
まあ、ご察しのとおりだったのだが。
「──こんにちは」
ルーチェは登壇して、挨拶をした。挨拶をしただけなのだが溢れ出るお嬢様オーラが凄い。
この学園は制服にも力が入っていて、白を基調とした服に赤と黒のラインが肩から袖の方に伸びているシンプルな制服に、左胸の所にこの学園の校章が金の糸で細かく刺繍されている。
皆同じ制服を着ているはずなのに、ルーチェが着ているものだけ一際美しく見えた。
「私はこのハーレイ王国の第一王女、ルーチェ・ハーレイです。この度この学園に入学できた事、誠に嬉しく思います────────」
その後、約5分に渡る短いスピーチが行われた。
生徒たちは皆、ルーチェのその気品に目を奪われており、終始静かに聞いていた。
静かな大講堂にルーチェの声が響き渡る。
いつまでも聞いていたいと思ってしまうその凛とした透き通る声は、まるで歌の様だった。
「─────これからの6年間、充実した学園生活を送れるよう、精一杯学業に励みたいと思います。御清聴、ありがとう御座いました」
スピーチが終わったにもかかわらず、全員まだその美声の余韻に浸っているのかしんとしている。
俺はリエスと目を合わせると、拍手をした。
するとぽつぽつと拍手が湧き出し、最後には拍手喝采となった。
******
入学式が終わると大講堂を出るとルーチェとグアンを見つけたのでリエスと向かった。
「はぁ〜…緊張した。それにしても……グアン酷いです」
「誠に申し訳ございません…」
「まあ…良いです。過ぎたんだし次はしっかりしてね」
「肝に銘じておきます」
「それにしても……アドリブだったから余り良い事言えませんでした…」
「なかなか良いスピーチだったぜ?」
「ええ。なかなか良かったと思うわ」
背後から二人で声をかけると、ルーチェとグアンは二人してびくっとした。
二人はティオス達の方をそーっと見ると少しほっとした顔をした。
「ありがとうございます」
「どういたしまして、だ。それとこれから付き合っていくにあたって一つ確認しておきたい事がある」
「私とティオス、今はこんな口調だけれど貴方は姫。敬語の方が良いかしら?」
ルーチェとグアンは二人で顔を見合わせると
「はい!寧ろそっちの方でお願いします」
「私もそちらでお願いします」
「…驚いた。てっきり敬語で話せと言うものだと思ってた」
「同意」
「ははは。これから長い付き合いになるんです、皆さんとは仲良くなりたいですしね」
「私も“姫”ってだけでこれまでの場所で出会った同年代の人達は皆敬語しか話してくれなくて…」
「まあそれが普通だな」
「ティオスは肝が座ってて私は見ての通りこの国のものじゃない。私からしたら他国のお偉いさんなんてどうでもいいわ」
ルーチェはそんな二人の反応を見て、とても嬉しそうに笑った。
グアンはそんなルーチェの姿を見て微笑んでいた。
「それじゃあ改めて宜しくな、ルーチェ、グアン」
「改めてよろしく」
「はい!こちらこそよろしくお願いしますね!」
「こっちそこよろしくお願いします!」
おまけ(?)
テ「なあグアン」
グ「ん?なんですか?」
テ「それとルーチェも」
ル「はい?なんでしょう」 
テ「なんで俺とリエスはタメ口で話せって言っといてお前らは敬語のままなんだ?」
グル「「これでも砕けて話してるんですけど」」
リ「フッ……(嘲笑)」
テグル「「「いやなんでそこで笑った」」」
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