学園バトルロワイヤル!!

来栖リム

キオク

ーー…年1組 石井イシイ シュン

『ハイ!』

元気な男性の声にハッとする。
先ほどの声の主が壇上に上がる。
その後、次々と名前が呼ばれ、何人かが壇上に並び始める。

壇下では男子と女子が分かれて交互に列になって座っている。

【ーー3組仙石センゴク ジン
陣『ハイッッ!!』

ひときわ大きな声が響いた。
それに反応してか笑い声が聞こえる。

その陣と言う男性は、手を大きく振り、自慢気に行進しながら壇上に上がる。
陣は壇上の最後尾についた。

並び終えたのか壇上の校長先生にマイクが切り替わる。
最初に呼ばれた石井という男性が壇前に移動する。
【えー、あなたは本校の持久走大会において優秀な…】

どうやらマラソン大会の表彰のようだ。
自分に関係の無い朝礼ほど眠いものは無い。
だが、うまく寝ないと体育館の端にいる先生に叩かれそうだ。

次々と賞状が渡されていく。

【ー以下、同文。】
【ありがとうございます!!
キーーーン
ーブチッ】
仙石 陣だ。

大きな声はマイクにまで入りハウリングを起こしたようだ。
放送室の人がマイクを切り、妙な静けさが漂う。

幾人かの人が空気に耐えかねて笑い出す。
始まった笑い声は次第に大きくなる。

自分も思わず笑ってしまった。
ふと、横の女の子が話しかける。
?『笑っちゃっ、可哀想だよ。』
そう言いながらも横の女の子は必死に笑いに堪えているのか顔が赤い。
優「大丈夫だよ。陣はあーゆうやつだから。」

壇上を見ると陣は優越感からか全く気にしていない様に見える。
体育館の端にいた先生たちが『静かにしろ』と笑い声を止めさせる

(平和だなー)

【アー、アー、あっ!、
えー、以上10名に盛大な拍手をお願いします】

マイクが回復したようだ。

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