ウイニー王国のワガママ姫
帆柱の屋烏 1
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セイレーンとの戦いが終わり既に数日が経っていた。明日にはノートウォルド付近に到着するらしい。
船上の数日間は実に有意義なものだった。戦艦という事もあって、話し掛けられる人や入れる場所等に制限はあったものの船底に押し込められていた事を思い出せば天と地ほどの差があった。
筋肉痛は湿布薬のおかげで2日後にはほとんど収まって動き回れるようになっていた。
その後はレイへの報告の為に魔法使い便を出してあげたり、船酔いに困っている人の為に薬を分けたり、船医室で調合を手伝ったりして日々を過ごした。
テディはテディで忙しいのか、昼間のうちは殆ど顔を合わせることなく、時折見かける程度ですれ違いばかりが続き、ゆっくり話をする機会は結局今日まで得られなかった。
再び私達が顔を合わせたのは、船旅最後の月が夜空に浮かぶ頃だった。
夕飯を終えて甲板へ出る。満天の星空と波の揺蕩う音に耳を傾け、夕飯の後にレムナフさんから貰ったトップルをちびちびと嗜んでいた。
ほろ酔い気分で何となくテディの事について考える。
戦艦はレムナフさんが指揮を取ってるみたいだったけど、テディに話し掛けてた兵士を見る限りではやっぱりテディが一番偉いのよね?
それにこの戦艦はウイニーの戦艦によく似ているけど、戦艦の種類なんて私には判らないし、兵士達の格好はテディみたいなローブ姿だったり、冒険者が着用しているようなありきたりな鎧だったりで、ウイニーの騎士が着用しているようなキチンとした制服でも鎧でも無いし…うーん……でも他国の戦艦が事件を処理しただなんてあり得るのかしら…
ウイニーだって戦艦は持っているし勿論フォールズにも戦艦は常駐しているはず。
わざわざリン・プ・リエンに頼むメリットが良く解らないわ。
他国の戦艦が領海内を行き来してるなんて領主達にばれたら大問題だと思うの。
あ、でも、この船は外から見えないし音が漏れないような結界が張ってあるとか言ってたかしら?
……うーん。それはそれで気付かないうちの国って危ないんじゃないかしら。
テディの事を考えていたのにいつの間にか微妙に思考が脱線している事に気がついた。
ーー結局、テディって何者なのかしら?
再び考察しようとした所で、一筋の風が頬を通り過ぎ、耳を掠める。
『ユニコーンの主の事は自分から探そうとか正体を確かめようとかしない方が良いじゃろうな。時が来れば自ずとヤツから話すじゃろう』
そんな声が通り過ぎた風の中からハッキリと聞こえて来た。
2年前、ライリ女王陛下に言われた言葉。
その風が通り過ぎるまで私はすっかりその事を忘れていた。
パチパチと目を瞬かせ、周りをキョロキョロ見渡し、
「…女王陛下?」
不思議に思って思わず呼び掛ける。しかし返事はなく首を捻っていると、
「レティ?」
と、通路の奥から声がかかった。
影から少し疲れた顔のテディが顔を出す。
「こんな所で何してるんです?ん?顔少し赤いですね。熱でもあるんですか?」
そう言うテディに「ふふふ」と笑ってトップルの入ったグラスをカラカラと振ってみせる。
テディは少し驚いた顔をして、
「酔ってるんですか?」
と声を上げた。
「レムナフさんがくれたのよ。酔い止めのお礼にって。酔い止めのお礼なのに酔うモノなんて…ふふふ」
上機嫌でグラスを煽る私から、テディはヒョイっとそのグラスを奪って、一気にトップルを飲み干してしまった。
「まだ少ししか飲んでないのに」
「…子供が飲むようなものじゃないですよ。全くレムナフは何を考えてるんだ」
「あっ!また子供扱いして!!酷いわ!!私これでも2年前よりは成長したのよ?背だって伸びたし…クロエには敵わないかもしれないけど、ス、スタイルだって少しはマシに…なった……でしょ?」
胸ぐらを掴んで少し涙目になりながらテディを見上げて訴えると、テディは「うっ……」と唸りながら頬を染め、慌てたように私を引き剥がした。
「そう言う事を言ってるんじゃ無いです!中身が追い付いてない分余計達が悪い……」
腕を伸ばして俯いたままテディは「はぁ〜」っと嘆息をする。
「…私、そんなに成長してないかしら?」
2年間ベルンを渡り歩いて、帰国してからも色んな地方に赴いた。
その過程で色んな人にあったし色んな考えにも触れた訳で、学ぶことはいっぱいあった。
自分では大分大人になれた気がしていたのに。そう言われるとなんだか自信がなくなってくる。
ションボリと項垂れているとテディはチラリと私を見て、もう1度溜息を吐き出してぽんぽんと私の頭を軽く叩いた。
「少しここで待ってて下さい。グラスを置いてきますから。その間に少し酔いを覚ましておいて下さいね」
話したい事がありますから。と言って、テディは1度その場から離れた。
そう言えばそんな事を潜入中に言われたような気もする。
テディは港に着いたらやっぱり帰ってしまうのかしら?国境付近まで見送りに行くのは…無理、よね。
お祭りの件が無ければもう少し一緒に居たかったけど、私も夏の舞踏会迄に出来る限り賛同者を増やしたいし、テディにもきっとお仕事があるわよね。
もう少し一緒に旅をしたかったのに。と、小さく溜息を落とす。
海を眺めながら物思いにふけっていると、程なくしてテディはロープとブランケットを片手に戻ってきた。
「お待たせしました。レティ、高い所って平気ですか?」
「高い所?どうかしら。お城の屋上とかは割と平気よ?」
でもどうして?と聞く前に、テディは私にブランケットを掛ける。
別に寒くないんだけど?と首を傾げると、テディはにこりと微笑んで私を徐に抱きかかえるとその瞬間に視界が歪む。
テディの行動にもこの感覚にもだんだん慣れてきたわね。と辺りを見渡す。眼下に広がる景色と甲板よりも不安定な揺れに驚き、
「きゃあ!」
と、小さく悲鳴を上げて思わずテディにしがみ付く。
甲板はテディの足元よりも遥か下に見える。
夢の中の雲の上とは全然違う現実味を帯びたグラグラとする揺れと、高所ならではの強い風に城のそれとは違う恐怖心が湧き上がる。
そこがマストの上の見張り台だと気がつくのに然程時間は掛からなかった。
「すみません。怖かったですか?ここからの朝日は格別なんですが…やっぱり下で話します?」
あ、朝日って…まだかなり時間があるんだけど、まさかここで夜を明かすつもりなのかしら?
ううん…でもそう言われるとその朝日見てみたいわ。
「う……大丈夫…たぶん。テディがお勧めなら是非見て見たい……けど、ここで寝るの?」
皿のように平坦な板張りの見張り台は確かに横になっても余裕のある広さと言える。
あくまで広いだけで、柵なんてご丁寧なものは着いていないのでそのまま転がり落ちて行く事も可能な訳で…
ゴクリと生唾を飲む私に気が付いているのかいないのか、テディは平然と質問に答えた。
「ええ、見張りがてらですけど。あっちにも並走してる戦艦があるんで別にこちらでする必要も無いんですが、念の為に」
まぁ、口実です。と言いながらテディは私を下ろすと、ロープをマストから伸びる太いロープに結びつけて、私の腰と自分の腰にきっかり結わえ付けた。
折りたたみ式の望遠鏡を片手にテディは遠くを見渡しながら私に話しかける。
「眠かったら眠ってくれて構わないですから。日が昇ったら起こしますし」
「眠れそうにないかも…テディは怖くないの?」
「魔法で転移が出来ますからね。それに慣れです。眠れなさそうならお手伝いしますよ?ユニコーンの力は夢想と戦を司りますから催眠の魔法は得意中の得意です」
テディがすぐに寝付くのは自分に魔法を掛けているからなのね。と納得する。
「そう言えば、あの時現れた銀髪の青年ってやっぱり…」
と、テディがセイレーンに洗脳されて角の生えた青年に蹴り飛ばされた時の事を思い出す。
すると、少しバツが悪そうにテディはコクリと頷いた。
「夢の中だとウマなんですけど、現だと何故かあの姿であの性格になるんですよ。ウマのまま出て来れない訳では無い筈なんですが…普段より気性が荒くなるので困ったものです」
僕の言う事は一向に聞こうとしないし何なんでしょうねあのウマは。と、後半は何故か愚痴になっていた。
「でも彼のおかげで私達は助かったわ」
と、懐中時計を取り出して、両手で包んで「ありがとう」とお礼を言う。
心無しか懐中時計はほんのり暖かくなったような気がした。
テディはそれを見て、ますますプクッと膨れると、
「僕よりレティと契約した方が良かったんじゃないですか?」
と、とうとう拗ねてしまった。
私に預けたのはテディなのに…と私は思わず苦笑する。
「えっと、それで、話したい事って何かしら?」
「えっ!?あっわわっ!」
唐突に話かけた所為か、テディは驚いて望遠鏡を落としそうになる。
なんとか望遠鏡を持ち直すと、ホッと息をついてから望遠鏡を折りたたんでポケットにしまい、胸を押さえて何度か深呼吸をすると、そっと私の右手を胸の辺りで掲げるようにして取った。
私の手を握ったテディの手が心なしか熱い。
テディのただならぬ空気に私は思わず身構える。
テディはジッと繋いだ手を見つめ、
「2年前、別れた時に僕が言ったこと憶えてますか?」
と、私に問いかけた。
2年前……えっと、何か言われたかしら?
セイレーンとの戦いが終わり既に数日が経っていた。明日にはノートウォルド付近に到着するらしい。
船上の数日間は実に有意義なものだった。戦艦という事もあって、話し掛けられる人や入れる場所等に制限はあったものの船底に押し込められていた事を思い出せば天と地ほどの差があった。
筋肉痛は湿布薬のおかげで2日後にはほとんど収まって動き回れるようになっていた。
その後はレイへの報告の為に魔法使い便を出してあげたり、船酔いに困っている人の為に薬を分けたり、船医室で調合を手伝ったりして日々を過ごした。
テディはテディで忙しいのか、昼間のうちは殆ど顔を合わせることなく、時折見かける程度ですれ違いばかりが続き、ゆっくり話をする機会は結局今日まで得られなかった。
再び私達が顔を合わせたのは、船旅最後の月が夜空に浮かぶ頃だった。
夕飯を終えて甲板へ出る。満天の星空と波の揺蕩う音に耳を傾け、夕飯の後にレムナフさんから貰ったトップルをちびちびと嗜んでいた。
ほろ酔い気分で何となくテディの事について考える。
戦艦はレムナフさんが指揮を取ってるみたいだったけど、テディに話し掛けてた兵士を見る限りではやっぱりテディが一番偉いのよね?
それにこの戦艦はウイニーの戦艦によく似ているけど、戦艦の種類なんて私には判らないし、兵士達の格好はテディみたいなローブ姿だったり、冒険者が着用しているようなありきたりな鎧だったりで、ウイニーの騎士が着用しているようなキチンとした制服でも鎧でも無いし…うーん……でも他国の戦艦が事件を処理しただなんてあり得るのかしら…
ウイニーだって戦艦は持っているし勿論フォールズにも戦艦は常駐しているはず。
わざわざリン・プ・リエンに頼むメリットが良く解らないわ。
他国の戦艦が領海内を行き来してるなんて領主達にばれたら大問題だと思うの。
あ、でも、この船は外から見えないし音が漏れないような結界が張ってあるとか言ってたかしら?
……うーん。それはそれで気付かないうちの国って危ないんじゃないかしら。
テディの事を考えていたのにいつの間にか微妙に思考が脱線している事に気がついた。
ーー結局、テディって何者なのかしら?
再び考察しようとした所で、一筋の風が頬を通り過ぎ、耳を掠める。
『ユニコーンの主の事は自分から探そうとか正体を確かめようとかしない方が良いじゃろうな。時が来れば自ずとヤツから話すじゃろう』
そんな声が通り過ぎた風の中からハッキリと聞こえて来た。
2年前、ライリ女王陛下に言われた言葉。
その風が通り過ぎるまで私はすっかりその事を忘れていた。
パチパチと目を瞬かせ、周りをキョロキョロ見渡し、
「…女王陛下?」
不思議に思って思わず呼び掛ける。しかし返事はなく首を捻っていると、
「レティ?」
と、通路の奥から声がかかった。
影から少し疲れた顔のテディが顔を出す。
「こんな所で何してるんです?ん?顔少し赤いですね。熱でもあるんですか?」
そう言うテディに「ふふふ」と笑ってトップルの入ったグラスをカラカラと振ってみせる。
テディは少し驚いた顔をして、
「酔ってるんですか?」
と声を上げた。
「レムナフさんがくれたのよ。酔い止めのお礼にって。酔い止めのお礼なのに酔うモノなんて…ふふふ」
上機嫌でグラスを煽る私から、テディはヒョイっとそのグラスを奪って、一気にトップルを飲み干してしまった。
「まだ少ししか飲んでないのに」
「…子供が飲むようなものじゃないですよ。全くレムナフは何を考えてるんだ」
「あっ!また子供扱いして!!酷いわ!!私これでも2年前よりは成長したのよ?背だって伸びたし…クロエには敵わないかもしれないけど、ス、スタイルだって少しはマシに…なった……でしょ?」
胸ぐらを掴んで少し涙目になりながらテディを見上げて訴えると、テディは「うっ……」と唸りながら頬を染め、慌てたように私を引き剥がした。
「そう言う事を言ってるんじゃ無いです!中身が追い付いてない分余計達が悪い……」
腕を伸ばして俯いたままテディは「はぁ〜」っと嘆息をする。
「…私、そんなに成長してないかしら?」
2年間ベルンを渡り歩いて、帰国してからも色んな地方に赴いた。
その過程で色んな人にあったし色んな考えにも触れた訳で、学ぶことはいっぱいあった。
自分では大分大人になれた気がしていたのに。そう言われるとなんだか自信がなくなってくる。
ションボリと項垂れているとテディはチラリと私を見て、もう1度溜息を吐き出してぽんぽんと私の頭を軽く叩いた。
「少しここで待ってて下さい。グラスを置いてきますから。その間に少し酔いを覚ましておいて下さいね」
話したい事がありますから。と言って、テディは1度その場から離れた。
そう言えばそんな事を潜入中に言われたような気もする。
テディは港に着いたらやっぱり帰ってしまうのかしら?国境付近まで見送りに行くのは…無理、よね。
お祭りの件が無ければもう少し一緒に居たかったけど、私も夏の舞踏会迄に出来る限り賛同者を増やしたいし、テディにもきっとお仕事があるわよね。
もう少し一緒に旅をしたかったのに。と、小さく溜息を落とす。
海を眺めながら物思いにふけっていると、程なくしてテディはロープとブランケットを片手に戻ってきた。
「お待たせしました。レティ、高い所って平気ですか?」
「高い所?どうかしら。お城の屋上とかは割と平気よ?」
でもどうして?と聞く前に、テディは私にブランケットを掛ける。
別に寒くないんだけど?と首を傾げると、テディはにこりと微笑んで私を徐に抱きかかえるとその瞬間に視界が歪む。
テディの行動にもこの感覚にもだんだん慣れてきたわね。と辺りを見渡す。眼下に広がる景色と甲板よりも不安定な揺れに驚き、
「きゃあ!」
と、小さく悲鳴を上げて思わずテディにしがみ付く。
甲板はテディの足元よりも遥か下に見える。
夢の中の雲の上とは全然違う現実味を帯びたグラグラとする揺れと、高所ならではの強い風に城のそれとは違う恐怖心が湧き上がる。
そこがマストの上の見張り台だと気がつくのに然程時間は掛からなかった。
「すみません。怖かったですか?ここからの朝日は格別なんですが…やっぱり下で話します?」
あ、朝日って…まだかなり時間があるんだけど、まさかここで夜を明かすつもりなのかしら?
ううん…でもそう言われるとその朝日見てみたいわ。
「う……大丈夫…たぶん。テディがお勧めなら是非見て見たい……けど、ここで寝るの?」
皿のように平坦な板張りの見張り台は確かに横になっても余裕のある広さと言える。
あくまで広いだけで、柵なんてご丁寧なものは着いていないのでそのまま転がり落ちて行く事も可能な訳で…
ゴクリと生唾を飲む私に気が付いているのかいないのか、テディは平然と質問に答えた。
「ええ、見張りがてらですけど。あっちにも並走してる戦艦があるんで別にこちらでする必要も無いんですが、念の為に」
まぁ、口実です。と言いながらテディは私を下ろすと、ロープをマストから伸びる太いロープに結びつけて、私の腰と自分の腰にきっかり結わえ付けた。
折りたたみ式の望遠鏡を片手にテディは遠くを見渡しながら私に話しかける。
「眠かったら眠ってくれて構わないですから。日が昇ったら起こしますし」
「眠れそうにないかも…テディは怖くないの?」
「魔法で転移が出来ますからね。それに慣れです。眠れなさそうならお手伝いしますよ?ユニコーンの力は夢想と戦を司りますから催眠の魔法は得意中の得意です」
テディがすぐに寝付くのは自分に魔法を掛けているからなのね。と納得する。
「そう言えば、あの時現れた銀髪の青年ってやっぱり…」
と、テディがセイレーンに洗脳されて角の生えた青年に蹴り飛ばされた時の事を思い出す。
すると、少しバツが悪そうにテディはコクリと頷いた。
「夢の中だとウマなんですけど、現だと何故かあの姿であの性格になるんですよ。ウマのまま出て来れない訳では無い筈なんですが…普段より気性が荒くなるので困ったものです」
僕の言う事は一向に聞こうとしないし何なんでしょうねあのウマは。と、後半は何故か愚痴になっていた。
「でも彼のおかげで私達は助かったわ」
と、懐中時計を取り出して、両手で包んで「ありがとう」とお礼を言う。
心無しか懐中時計はほんのり暖かくなったような気がした。
テディはそれを見て、ますますプクッと膨れると、
「僕よりレティと契約した方が良かったんじゃないですか?」
と、とうとう拗ねてしまった。
私に預けたのはテディなのに…と私は思わず苦笑する。
「えっと、それで、話したい事って何かしら?」
「えっ!?あっわわっ!」
唐突に話かけた所為か、テディは驚いて望遠鏡を落としそうになる。
なんとか望遠鏡を持ち直すと、ホッと息をついてから望遠鏡を折りたたんでポケットにしまい、胸を押さえて何度か深呼吸をすると、そっと私の右手を胸の辺りで掲げるようにして取った。
私の手を握ったテディの手が心なしか熱い。
テディのただならぬ空気に私は思わず身構える。
テディはジッと繋いだ手を見つめ、
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