死なない奴等の愚行
第167話 新たな仕事は世界の果てで
オッサンにサラの怒りから助けられ、見直した次の日の朝。
仕事を終えた団員は食堂に集合するように言われた。食堂に行くと既に多くの団員が仕事を終えたらしく集合していた。
(ケルベロスさん)
「ケルベロスさん」
サーペントとシャラも食堂に居た。どうやら二人も仕事を終えたようだ。
「二人も仕事が終わったのか」
「はい。夜遅くまで掛かってしまいましたが……」
(つい先程終わったばかりなんですが、疲労感というのはないので話を聞きに)
「二人とも無理はするなよ」
一応二人の先輩ではあるので気遣いの言葉を掛けた。
だが、二人とも疲れた様子はまるでない。サーペントは分かるが、シャラが元気なのはどうしてだろうか。ハーフモンスターだからか、あるいは……。
「本当は宿に戻り次第ケルベロスさんのところに行きたかったんですが、もう寝ている時間だと思いまして……。ああ、ようやく会えました!」
頬を紅潮させ、息が荒くなるシャラ。先日もこのような彼女を見たが、酒のせいもあっての事だと思っていたが…………もし何年も俺と会わなかったら、彼女はどうなってしまうのだろうか……。
「落ち着けシャラ。ほら、話が始まるみたいだぞ」
オッサンとサラが食堂を見渡すような位置に立ち、全員の視線を集めていた。どうやら話が始まるようだ。シャラはもっと話したいようだったが、自重して「後でまた話しましょうね!」と言って黙った。
食堂に団員が集まった事を確認すると、オッサンは話し始める。
「まずは、お疲れさん。みんなのおかげでセーレの仕事がだいぶ消化できた」
「まだ仕事をしている者はいるが、概ね終わった。そこで、この場に居る者達には最後の大仕事に向かって貰いたいと思う」
最後の仕事?
団員の中にはその言葉の意味を分かっているのか頷く者も居れば、眉を顰めたり、首を傾げたりと分からない者が居る。
いったい何をするのやらと固唾を飲んでオッサンの言葉を待つ。
「これから世界の果ての領域に踏み込むぞ」
世界の果て。それは人類未踏の地。どうして未踏かと言うと……誰も戻って来られないからだ。強大な力を持つモンスターが跋扈し、未踏の地に入る事は、死にに行くのと同義である。
どうして、そんなところに行くのかと思っているとサラが説明を始める。
「最後に世界の果てに行ったのが随分と昔の事だから、知らない奴も居るだろう。説明をすると、このセーレは世界の果ての入口の一つなんだ」
「入口の一つ?」
誰かが声を上げた。その疑問はもっともで、サラの言い方だと世界の果てに行くのに、決められたルートがあるように聞こえたからだ。
「まあ、これはあまり知られてない事だからな。世界の果てのモンスターがこっちに来ない事を疑問に思った事はないか? あれは、行き来できる道が限られているからだ。限られている理由は……まあ、それは世界の果てに行ってみれば分かる」
「とにかく、セーレが世界の果てに行く道があんだ。俺達はその道を通って世界の果てに行って、モンスターをある程度蹴散らすというのが今回の仕事だ。滅多にない事だが、こっちにモンスターが来る事があるからな」
世界の果てを行き来できる道というのが気になるが、仕事の内容は理解した。危険性はいつもより格段に高いと思うが特に異論はない。なにせ死なないからな、うん。
それに今回の仕事内容であれば、サーペントとも仕事ができるだろう。それなら纏って、モンスター相手でもまともに戦う事ができる。
「そんじゃ、昼頃に向かうから準備しておいてくれよ! はい、解散っ!」
こうして団員達は準備をする為に食堂から出て行く。特に準備をする事はなかったが、部屋に戻って体を休めようと思った。
「ケルベロスさん! 次の仕事まで時間がありますし、お話ししましょう!」
「…………」
俺がこの後、昼までシャラとお喋りしたのは言うまでもない……。
仕事を終えた団員は食堂に集合するように言われた。食堂に行くと既に多くの団員が仕事を終えたらしく集合していた。
(ケルベロスさん)
「ケルベロスさん」
サーペントとシャラも食堂に居た。どうやら二人も仕事を終えたようだ。
「二人も仕事が終わったのか」
「はい。夜遅くまで掛かってしまいましたが……」
(つい先程終わったばかりなんですが、疲労感というのはないので話を聞きに)
「二人とも無理はするなよ」
一応二人の先輩ではあるので気遣いの言葉を掛けた。
だが、二人とも疲れた様子はまるでない。サーペントは分かるが、シャラが元気なのはどうしてだろうか。ハーフモンスターだからか、あるいは……。
「本当は宿に戻り次第ケルベロスさんのところに行きたかったんですが、もう寝ている時間だと思いまして……。ああ、ようやく会えました!」
頬を紅潮させ、息が荒くなるシャラ。先日もこのような彼女を見たが、酒のせいもあっての事だと思っていたが…………もし何年も俺と会わなかったら、彼女はどうなってしまうのだろうか……。
「落ち着けシャラ。ほら、話が始まるみたいだぞ」
オッサンとサラが食堂を見渡すような位置に立ち、全員の視線を集めていた。どうやら話が始まるようだ。シャラはもっと話したいようだったが、自重して「後でまた話しましょうね!」と言って黙った。
食堂に団員が集まった事を確認すると、オッサンは話し始める。
「まずは、お疲れさん。みんなのおかげでセーレの仕事がだいぶ消化できた」
「まだ仕事をしている者はいるが、概ね終わった。そこで、この場に居る者達には最後の大仕事に向かって貰いたいと思う」
最後の仕事?
団員の中にはその言葉の意味を分かっているのか頷く者も居れば、眉を顰めたり、首を傾げたりと分からない者が居る。
いったい何をするのやらと固唾を飲んでオッサンの言葉を待つ。
「これから世界の果ての領域に踏み込むぞ」
世界の果て。それは人類未踏の地。どうして未踏かと言うと……誰も戻って来られないからだ。強大な力を持つモンスターが跋扈し、未踏の地に入る事は、死にに行くのと同義である。
どうして、そんなところに行くのかと思っているとサラが説明を始める。
「最後に世界の果てに行ったのが随分と昔の事だから、知らない奴も居るだろう。説明をすると、このセーレは世界の果ての入口の一つなんだ」
「入口の一つ?」
誰かが声を上げた。その疑問はもっともで、サラの言い方だと世界の果てに行くのに、決められたルートがあるように聞こえたからだ。
「まあ、これはあまり知られてない事だからな。世界の果てのモンスターがこっちに来ない事を疑問に思った事はないか? あれは、行き来できる道が限られているからだ。限られている理由は……まあ、それは世界の果てに行ってみれば分かる」
「とにかく、セーレが世界の果てに行く道があんだ。俺達はその道を通って世界の果てに行って、モンスターをある程度蹴散らすというのが今回の仕事だ。滅多にない事だが、こっちにモンスターが来る事があるからな」
世界の果てを行き来できる道というのが気になるが、仕事の内容は理解した。危険性はいつもより格段に高いと思うが特に異論はない。なにせ死なないからな、うん。
それに今回の仕事内容であれば、サーペントとも仕事ができるだろう。それなら纏って、モンスター相手でもまともに戦う事ができる。
「そんじゃ、昼頃に向かうから準備しておいてくれよ! はい、解散っ!」
こうして団員達は準備をする為に食堂から出て行く。特に準備をする事はなかったが、部屋に戻って体を休めようと思った。
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「…………」
俺がこの後、昼までシャラとお喋りしたのは言うまでもない……。
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