死なない奴等の愚行
第152話 新たな不老不死者
シャラの告白を受け入れるような流れになり、サラは新たな書類を用意する為、また国の案内を兼ねてシャラを除くガルダ達を連れて行った。
そして俺とシャラとサーペントは再び酒場に戻ろうとしたが、イモータルの酔っ払いで溢れる状況に一般人が飛び込むのは危険と判断した。サーペントにオッサンを呼びに行って貰う事にする。
すぐにサーペントはオッサンをつれて戻って来てくれた。
そしてオッサンはシャラを見て、すぐに状況を理解したらしく口を開く。
「お、シャラって子だったか。ケルベロスについて行くなら、イモータルに入るって事になるか? 不老不死はどうする?」
「是非、お願いします」
「ちょっ!?」
不老不死になるかどうかは相談して決めようと思っていたのだが、オッサンの問い掛けに対してすぐに決断し、答えた。
「い、いや、もう少し考えた方がいいんじゃないか……。永遠と死なないんだぞ? 聞こえは良いかもしれないが、一生ものの問題なんだ。もっとよく……」
「永遠と死なないという事は、ケルベロスさんと一生居られるという事ですよね。素晴らしい事だと思います」
「…………あっ! でも、あれだぞ! 共に生きていくというだけであって、夫婦になるかどうかは別な話だ!」
サラの話していた内容を思い出し、慌ててそう言った。
確かにサラは共に生きていく事を認めるとしか言っていない。おそらくサラとしては夫婦になる事を認めるという事だろうが、俺はあくまで額面通りとさせて貰う。卑怯かもしれないが、不老不死になる事をもっとよく考えて貰う為だ。
だが、それもシャラの前では意味がなかった。
「はい、分かっております。一生をかけてケルベロスさんに認めて貰えるよう努力します」
「………………そうか」
彼女の強い意志に対して、もはやそう言う事しかできなかった。
「よし。それじゃあ話はついてみたいだし、不老不死にするぞ。ついでにサーペントもやっておくか」
(いいんですか?)
「いいんですか? って訊いてるぞ」
「ああ、もうイモータルの一員だ。お前が良ければ不老不死にしよう」
(是非お願いします)
「是非お願いします、とさ」
「分かった。よし、二人ともそこに並べ」
オッサンの指示に従い、二人は並んで立つ。
そういえばオッサンが誰かを不老不死にするところ見るのは初めてだ。いったいどのように不老不死にするんだろうか。人を永遠に生きられる特別な存在にする訳だから、きっと神聖なものなのだろう。こう、複雑な魔法陣が出現したりして……。
などと考えながら、固唾を飲んで見守っていると、二人の体が一瞬淡く光を纏ったが、体内に吸収されるかのように消えた。
「よし、これで不老不死だ」
「しょぼっ!?」
今ので終わり? ええ…………その、何というか……うん、やっぱりしょぼい。
「だよな、しょぼいよな。俺も最初はしょぼいって思ったよ」
俺の反応に苦笑するオッサン。どうやらオッサンも不老不死の力を使い始めた当初は、俺と同じ思いだったらしい。
また、それは不老不死になった当人達も感じているようで、シャラとサーペントは困惑していた。
「え……今ので終わりですか? 私、不老不死になったんですか?」
(……あまり変わった感じがしませんね)
不老不死になった実感がないというのは俺もそうだった。特に体に変化は感じられず、実際に怪我をしてみないと不老不死を実感する事は難しい。
「二人とも問題なく不老不死だ。サーペントに関しては改めてになるが、ようこそイモータルへ。歓迎するぞ」
こうしてイモータルに新たな不老不死者が加わった。
そして俺とシャラとサーペントは再び酒場に戻ろうとしたが、イモータルの酔っ払いで溢れる状況に一般人が飛び込むのは危険と判断した。サーペントにオッサンを呼びに行って貰う事にする。
すぐにサーペントはオッサンをつれて戻って来てくれた。
そしてオッサンはシャラを見て、すぐに状況を理解したらしく口を開く。
「お、シャラって子だったか。ケルベロスについて行くなら、イモータルに入るって事になるか? 不老不死はどうする?」
「是非、お願いします」
「ちょっ!?」
不老不死になるかどうかは相談して決めようと思っていたのだが、オッサンの問い掛けに対してすぐに決断し、答えた。
「い、いや、もう少し考えた方がいいんじゃないか……。永遠と死なないんだぞ? 聞こえは良いかもしれないが、一生ものの問題なんだ。もっとよく……」
「永遠と死なないという事は、ケルベロスさんと一生居られるという事ですよね。素晴らしい事だと思います」
「…………あっ! でも、あれだぞ! 共に生きていくというだけであって、夫婦になるかどうかは別な話だ!」
サラの話していた内容を思い出し、慌ててそう言った。
確かにサラは共に生きていく事を認めるとしか言っていない。おそらくサラとしては夫婦になる事を認めるという事だろうが、俺はあくまで額面通りとさせて貰う。卑怯かもしれないが、不老不死になる事をもっとよく考えて貰う為だ。
だが、それもシャラの前では意味がなかった。
「はい、分かっております。一生をかけてケルベロスさんに認めて貰えるよう努力します」
「………………そうか」
彼女の強い意志に対して、もはやそう言う事しかできなかった。
「よし。それじゃあ話はついてみたいだし、不老不死にするぞ。ついでにサーペントもやっておくか」
(いいんですか?)
「いいんですか? って訊いてるぞ」
「ああ、もうイモータルの一員だ。お前が良ければ不老不死にしよう」
(是非お願いします)
「是非お願いします、とさ」
「分かった。よし、二人ともそこに並べ」
オッサンの指示に従い、二人は並んで立つ。
そういえばオッサンが誰かを不老不死にするところ見るのは初めてだ。いったいどのように不老不死にするんだろうか。人を永遠に生きられる特別な存在にする訳だから、きっと神聖なものなのだろう。こう、複雑な魔法陣が出現したりして……。
などと考えながら、固唾を飲んで見守っていると、二人の体が一瞬淡く光を纏ったが、体内に吸収されるかのように消えた。
「よし、これで不老不死だ」
「しょぼっ!?」
今ので終わり? ええ…………その、何というか……うん、やっぱりしょぼい。
「だよな、しょぼいよな。俺も最初はしょぼいって思ったよ」
俺の反応に苦笑するオッサン。どうやらオッサンも不老不死の力を使い始めた当初は、俺と同じ思いだったらしい。
また、それは不老不死になった当人達も感じているようで、シャラとサーペントは困惑していた。
「え……今ので終わりですか? 私、不老不死になったんですか?」
(……あまり変わった感じがしませんね)
不老不死になった実感がないというのは俺もそうだった。特に体に変化は感じられず、実際に怪我をしてみないと不老不死を実感する事は難しい。
「二人とも問題なく不老不死だ。サーペントに関しては改めてになるが、ようこそイモータルへ。歓迎するぞ」
こうしてイモータルに新たな不老不死者が加わった。
コメント