死なない奴等の愚行
第144話 三人から告白されました
呼ばれて外に出ると、そこにはミーア、リルナ、そしてシャラが居た。俺に話があるようだ。そしてバスとテントから少し離れたところで話をする事に。
「話って何だ?」
問い掛けるとリルナはは頷き、口を開く。
「その……一度、しっかり……話さないとと……思って……」
話す事というと……まあ、最近の俺への態度の事だろう。
シャラは柔和な笑みを浮かべているものの、他の二人は表情が硬い。何処か怯えているようにも思える。
そして恐るおそると言った様子で今度はミーアが口を開いた。
「あの、私達…………ケルベロスさんが好きです」
「お、おお……」
直球だった。あまりの直球っぷりに俺は思わず驚き、動揺する。
やややややべぇ、え? 返事をしししないと駄目か? 今? この場で? いやいやいやいやいや考えさせてください……前向きに検討をさせてぇ……。
と、心の中で半ば腰が引けていたのだが、話には続きがあるらしい。
ミーアとリルナが交互に語る。
「その、ただ……好きになった理由というか、いやそれだけが理由じゃなくて……うん、理由の一つなんだけど……」
「ケルベロスさんに、ついて行けば……色んなところに……行けると思って……」
「好きなところに?」
「私達ハーフモンスターは自由に生きる事ができない。不自由なく生きていけるといえば……人にあまり知られない場所や、今向かっているハーフモンスターの国くらい。でもケルベロスさんと居れば、色んなところで生きていく事ができるでしょ」
「ハーフモンスターの国……という限られた世界で……生きたくないです。もっと自由に……私達は生きていきたいんです……」
……なるほど。確かにハーフモンスターだけだと、限られた場所でしか生きていく事しかできない。俺と居れば、色んなところに……普通の人間と同じように過ごす事ができる。
少し残念ではあるが、彼女達の事情を考えれば、そういった考えのもと俺に接して来たのは怒る事はできない。
「い、いや、勿論、ケルベロスさんの事は本当に好きです! でも……そういった下心がなかったというと嘘になる。だけど、シャラは違うっ!」
「私は本当にケルベロスさんが好きです」
ミーアの言葉を引き継ぐように、シャラは呼吸をするかのような自然に好意を口にする。その様子から彼女は二人とは違い、本当に、純粋に俺を好きなのだという事が感じられた。
「私は、ケルベロスさんの優しさが好き……。あなたが居るのであれば、例えハーフモンスターの国で一生を終えても、ケルベロスさんが命じるのであれば檻に閉じ込められてもいい。毎日ケルベロスさんと過ごせるなら……」
……愛が重い。
彼女の純粋な好意は嬉しい……だけど……重いな……潰されそうだ。
「シャラの想いは……本物……。だから……私とリルナは……同情してくれるなら……愛人……ううん、このまま奴隷として……傍に居させて欲しい……」
「ええ、私達はそれで充分。だけどケルベロスさん……シャラは本気の好きなんです。だから、彼女の事は真剣に考えてあげてください。お願いいします……今日は、それを伝えたくて……」
「……そうか」
こうして三人からの想いを聞いて、俺はその場に留まり、三人はバスへと戻って行った。
「どうしようか……」
ミーアとリルナに関しては好意よりも自由に生きるという事が重要な気がする。一方でシャラは完全に俺の事を好きなようだ。
ハーフモンスターの国には、もう間もなく到着する。だけど三人の事を考えるにはあまりにも時間が少ない……。
さて……どうしたものか……。
俺はその場で暫く考えたが、結局考えはまとまらずテントへと戻る。ガルダやサーペントに相談をしようと思いながら。
「話って何だ?」
問い掛けるとリルナはは頷き、口を開く。
「その……一度、しっかり……話さないとと……思って……」
話す事というと……まあ、最近の俺への態度の事だろう。
シャラは柔和な笑みを浮かべているものの、他の二人は表情が硬い。何処か怯えているようにも思える。
そして恐るおそると言った様子で今度はミーアが口を開いた。
「あの、私達…………ケルベロスさんが好きです」
「お、おお……」
直球だった。あまりの直球っぷりに俺は思わず驚き、動揺する。
やややややべぇ、え? 返事をしししないと駄目か? 今? この場で? いやいやいやいやいや考えさせてください……前向きに検討をさせてぇ……。
と、心の中で半ば腰が引けていたのだが、話には続きがあるらしい。
ミーアとリルナが交互に語る。
「その、ただ……好きになった理由というか、いやそれだけが理由じゃなくて……うん、理由の一つなんだけど……」
「ケルベロスさんに、ついて行けば……色んなところに……行けると思って……」
「好きなところに?」
「私達ハーフモンスターは自由に生きる事ができない。不自由なく生きていけるといえば……人にあまり知られない場所や、今向かっているハーフモンスターの国くらい。でもケルベロスさんと居れば、色んなところで生きていく事ができるでしょ」
「ハーフモンスターの国……という限られた世界で……生きたくないです。もっと自由に……私達は生きていきたいんです……」
……なるほど。確かにハーフモンスターだけだと、限られた場所でしか生きていく事しかできない。俺と居れば、色んなところに……普通の人間と同じように過ごす事ができる。
少し残念ではあるが、彼女達の事情を考えれば、そういった考えのもと俺に接して来たのは怒る事はできない。
「い、いや、勿論、ケルベロスさんの事は本当に好きです! でも……そういった下心がなかったというと嘘になる。だけど、シャラは違うっ!」
「私は本当にケルベロスさんが好きです」
ミーアの言葉を引き継ぐように、シャラは呼吸をするかのような自然に好意を口にする。その様子から彼女は二人とは違い、本当に、純粋に俺を好きなのだという事が感じられた。
「私は、ケルベロスさんの優しさが好き……。あなたが居るのであれば、例えハーフモンスターの国で一生を終えても、ケルベロスさんが命じるのであれば檻に閉じ込められてもいい。毎日ケルベロスさんと過ごせるなら……」
……愛が重い。
彼女の純粋な好意は嬉しい……だけど……重いな……潰されそうだ。
「シャラの想いは……本物……。だから……私とリルナは……同情してくれるなら……愛人……ううん、このまま奴隷として……傍に居させて欲しい……」
「ええ、私達はそれで充分。だけどケルベロスさん……シャラは本気の好きなんです。だから、彼女の事は真剣に考えてあげてください。お願いいします……今日は、それを伝えたくて……」
「……そうか」
こうして三人からの想いを聞いて、俺はその場に留まり、三人はバスへと戻って行った。
「どうしようか……」
ミーアとリルナに関しては好意よりも自由に生きるという事が重要な気がする。一方でシャラは完全に俺の事を好きなようだ。
ハーフモンスターの国には、もう間もなく到着する。だけど三人の事を考えるにはあまりにも時間が少ない……。
さて……どうしたものか……。
俺はその場で暫く考えたが、結局考えはまとまらずテントへと戻る。ガルダやサーペントに相談をしようと思いながら。
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