捨てる人あれば、拾うワン公あり
第35話 異変
「なかなか見つかんねえな!」
「くそっ! 見つけるまで掘ってやる!」
「手が痺れて来た! 代わってくれ!」
再生速度に負けないよう、順調に掘り進めてきたが未だにコアらしきものは出て来ない。
だが、レイラのスキルではこの下にある事を示していた。だが、このままでは反対側に出てしまい、貫通してしまいそうだ。
「まだ出て来ないねっ」
「そうだなっ」
クロとジェノスの二人は、ハンマーである程度穴を広げると、ツルハシに持ち替えて休みなく掘り進めていた。ちなみにジェノスは最初フードで顔を隠していたが、邪魔だったので脱いでいる。
今は周囲の視線を気にしている場合ではないと、ただ掘ってコアを見つける事だけを考えていた。
「見つからねえな…………ん? なんか上が騒がしくねえか?」
「え? そういえば騒がしいような……悲鳴? ととっ……!?」
悲鳴が聞こえたと思えば、不自然な揺れが生じる。ユグドラシルゴーレムが拘束を破って動きだしたのか、あるいは別の要因によって起きたものか。
「おいっ! 誰か上を見て来い!」
「うっす!」
近くにいたジェノスの昔からの仲間の一人が上へと向かった。ちなみに下には何も手は加えていないが、これまで掘って来た部分には再生して塞がらないように工夫をしている。
ジェノスが自身の魔力でコーティングをして、簡単には塞がらないようにしているのだ。
立て掛けておいた梯子を駆け上がって行く。そして血相を変えてジェノス達に向かって叫ぶ。
「ゴーレムですっ! ゴーレムがいやがりますっ!」
「ゴーレム? ユグドラシルゴーレムの体にくっついていたのか?」
「た、ただのゴーレムじゃありませんっ! デカいし……形もなんか変……うおっ!?」
「危ねえっ!」
何かに驚いたらしく、手を離してしまった男が落ちてしまう。咄嗟に落下地点にジェノスが滑り込み、衝撃をできるだけ殺しながら受け止める。
「おい、大丈夫か? いったい何が……っ!?」
突然、上から注がれていた太陽の光が何かによって遮られる。その直後、ジェノスの全身に鳥肌が立つのを感じた。見上げなくても分かった。何かマズいものがいると、ジェノスは長年の経験から察知した。
「クロっ! 防御だっ!」
「《ブレイブガード》!」
次の瞬間、穴を塞ぐように《ブレイブガード》による大きな盾が現れる。そして間髪入れずに盾と何かが接触した。眩い光が掘り進めた穴の中を照らし、轟音が響き渡る。
「こいつは……まさかドラゴンのブレスか……」
ジェノスはこれまで読んだ様々な本から蓄えた知識から、それがドラゴンのブレスである事に気付く。
やがて光が弱くなり、大きな盾が消えるとその姿が見えて来る。それは岩だ。だが、ただの岩ではなく、多くの岩が幾つも集まってある形を成していた。
「ドラゴンゴーレム……」
ジェノスはすぐにその魔物の正体を理解する。
ドラゴンゴーレム。ゴーレムの性質を持つドラゴンで、コアを破壊しない限り死ぬ事はない。あらゆる鉱物を体に取り込み、体をその鉱物に作り変える事ができる。ドラゴンの中でも中位の存在で、今相手しているユグドラシルゴーレムとほぼ同格と言ってもいいだろう。
「それも………………二体か」
ドラゴンゴーレムの二つの顔がこちらを覗いていた。ジェノスは仲間を下ろして、ドラゴンゴーレムを見据えながら、予想外の展開にどうなっているんだと舌打ちをする。
異変はそれだけではない。
離れたところにいるナエ達のもとでも異変が起きていた。それに最初気付いたのはナエだ。
「ん? なんか変な魔力を感じねえか?」
「のじゃ? 変な魔力じゃと? いったいどんな魔力じゃ?」
「あのデカい奴の上の方……なんか魔力が集まっているような……おいっ! なんか飛んでっ! 《エレメントシールド》!」
ナエが周囲にいる者達も含めて覆うように《エレメントシールド》を発動し、接触。一瞬でそれは消滅する。それがいったい何かは分からない。ナエが魔力の感知に長けていたおかげで気付く事ができたが、その速さは肉眼で視認する事はできないだろう。
「おいっ! なんか……でっかいのが、こっちに!」
誰かが空を指さして叫ぶ。その先には大きな岩と思える大きな球体。よく見れば、その球体の上には人のようなものが座っている。それは暫くして近くに落下して土煙を上げた。
「何が起きているのじゃ……」
突然現れたそれに対して、レイラは戦闘に使用する為のスキルを準備をする。
「くそっ! 見つけるまで掘ってやる!」
「手が痺れて来た! 代わってくれ!」
再生速度に負けないよう、順調に掘り進めてきたが未だにコアらしきものは出て来ない。
だが、レイラのスキルではこの下にある事を示していた。だが、このままでは反対側に出てしまい、貫通してしまいそうだ。
「まだ出て来ないねっ」
「そうだなっ」
クロとジェノスの二人は、ハンマーである程度穴を広げると、ツルハシに持ち替えて休みなく掘り進めていた。ちなみにジェノスは最初フードで顔を隠していたが、邪魔だったので脱いでいる。
今は周囲の視線を気にしている場合ではないと、ただ掘ってコアを見つける事だけを考えていた。
「見つからねえな…………ん? なんか上が騒がしくねえか?」
「え? そういえば騒がしいような……悲鳴? ととっ……!?」
悲鳴が聞こえたと思えば、不自然な揺れが生じる。ユグドラシルゴーレムが拘束を破って動きだしたのか、あるいは別の要因によって起きたものか。
「おいっ! 誰か上を見て来い!」
「うっす!」
近くにいたジェノスの昔からの仲間の一人が上へと向かった。ちなみに下には何も手は加えていないが、これまで掘って来た部分には再生して塞がらないように工夫をしている。
ジェノスが自身の魔力でコーティングをして、簡単には塞がらないようにしているのだ。
立て掛けておいた梯子を駆け上がって行く。そして血相を変えてジェノス達に向かって叫ぶ。
「ゴーレムですっ! ゴーレムがいやがりますっ!」
「ゴーレム? ユグドラシルゴーレムの体にくっついていたのか?」
「た、ただのゴーレムじゃありませんっ! デカいし……形もなんか変……うおっ!?」
「危ねえっ!」
何かに驚いたらしく、手を離してしまった男が落ちてしまう。咄嗟に落下地点にジェノスが滑り込み、衝撃をできるだけ殺しながら受け止める。
「おい、大丈夫か? いったい何が……っ!?」
突然、上から注がれていた太陽の光が何かによって遮られる。その直後、ジェノスの全身に鳥肌が立つのを感じた。見上げなくても分かった。何かマズいものがいると、ジェノスは長年の経験から察知した。
「クロっ! 防御だっ!」
「《ブレイブガード》!」
次の瞬間、穴を塞ぐように《ブレイブガード》による大きな盾が現れる。そして間髪入れずに盾と何かが接触した。眩い光が掘り進めた穴の中を照らし、轟音が響き渡る。
「こいつは……まさかドラゴンのブレスか……」
ジェノスはこれまで読んだ様々な本から蓄えた知識から、それがドラゴンのブレスである事に気付く。
やがて光が弱くなり、大きな盾が消えるとその姿が見えて来る。それは岩だ。だが、ただの岩ではなく、多くの岩が幾つも集まってある形を成していた。
「ドラゴンゴーレム……」
ジェノスはすぐにその魔物の正体を理解する。
ドラゴンゴーレム。ゴーレムの性質を持つドラゴンで、コアを破壊しない限り死ぬ事はない。あらゆる鉱物を体に取り込み、体をその鉱物に作り変える事ができる。ドラゴンの中でも中位の存在で、今相手しているユグドラシルゴーレムとほぼ同格と言ってもいいだろう。
「それも………………二体か」
ドラゴンゴーレムの二つの顔がこちらを覗いていた。ジェノスは仲間を下ろして、ドラゴンゴーレムを見据えながら、予想外の展開にどうなっているんだと舌打ちをする。
異変はそれだけではない。
離れたところにいるナエ達のもとでも異変が起きていた。それに最初気付いたのはナエだ。
「ん? なんか変な魔力を感じねえか?」
「のじゃ? 変な魔力じゃと? いったいどんな魔力じゃ?」
「あのデカい奴の上の方……なんか魔力が集まっているような……おいっ! なんか飛んでっ! 《エレメントシールド》!」
ナエが周囲にいる者達も含めて覆うように《エレメントシールド》を発動し、接触。一瞬でそれは消滅する。それがいったい何かは分からない。ナエが魔力の感知に長けていたおかげで気付く事ができたが、その速さは肉眼で視認する事はできないだろう。
「おいっ! なんか……でっかいのが、こっちに!」
誰かが空を指さして叫ぶ。その先には大きな岩と思える大きな球体。よく見れば、その球体の上には人のようなものが座っている。それは暫くして近くに落下して土煙を上げた。
「何が起きているのじゃ……」
突然現れたそれに対して、レイラは戦闘に使用する為のスキルを準備をする。
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.7万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,659
-
1.6万
-
-
9,537
-
1.1万
-
-
9,329
-
2.3万
-
-
9,151
-
2.3万
コメント