泣き虫なこもりうた。

流維

泣き虫なこもりうた。

ひとつ、ふたつ 数えてく
まるで母の子守唄。
ひとつ 温もり噛み締めて
ふたつ 優しさ感じてる。

みっつ、よっつと増えていく
夢の中の宵風が。
身を委ねたらあたたかい、
心の中の子守唄。

母の背中に揺られながら
月に照らされた あの日
流した涙の数
数えないようにした。

いつつ、むっつ 悲しさを
母は何も聞かないで
いつつ 手を伸ばして笑う
むっつ 星が取れそうと。

ななつ やっつ ここのつ と
数を数えて行く度に
何故か母の子守唄、
泣きながら歌っていた。

優しさに包まれている
そんなことも気付かずに
当たり前のように過ごす
愚かな自分 見ないふり。

とお 数えたら
会いにいく
母の子守唄を聴きに。
母は笑ってくれるかな。

泣き虫な自分のために。

「詩」の人気作品

コメント

コメントを書く