赤ずきんは高校生

雨羇ーウター

Episode1 Encounter

何でよりによってこういう時に周りに誰もいないのだろう。

私は周りを見渡してため息をついた。
無理もないだろう。ここは校舎裏だから、ただでさえ人通りは少ない。
それに今は放課後。
今ここを通るのは、掃除当番のためにゴミ箱を持っている私ぐらいだろう。
そして、

「なぁなぁお前〜、聞いてんの〜?」
「ちょっとついて来てくれればいいんだっつってんだろ」

目の前に銀色のピアスとチェーンがちら着く。

「聞いてんのかって言ってんだよ!」

金髪と茶髪が怒鳴る。
いくら校則がゆるい学校とはいえ、ここまでやるのは彼らのような人種だけ。

そう、私は今不良の2人組に絡まれていた。

知らない、とでも言うようにふいっと顔を背けてみる。
これで少しは余裕があるように見えるだろうか。

「そんな事して誤魔化そうとしてもムダだって」
「唇震えてんぞ〜」

案の定見透かされて、ヒャヒャヒャと笑われた。
普段助けてくれる2人がいないせいで、いつもよりも恐怖はつのる。

何故か昔から私はよく不良に絡まれる。
でもそんな時いつも2人が助けてくれていた。
でも今日はたまたま、片方は部活、片方は面接、そして私は掃除当番という、
見事なタイミングの悪さだ。

「あーもう、ラチあかねぇ」
「無理やり連れていくか!」

とうとう強行手段に2人が打って出ることにしたらしい。
どうしよう、、、誰か、、、助けて、、、

「オラッ、行くぞ」

無理やり腕を掴まれ、グイッと引っ張られる。

「嫌です!誰か、助けてっ!」

思わず叫んでしゃがみこむ。
このままだと本当に連れて行かれてしまう。

「あーもう、うるせぇんだよっ!」

茶髪が拳を振り上げた。殴られる!

「キャーーッ!!!」




.......………?痛みがやってこない。
変わりに聞こえてきたのは、争うような音と

「何すんだてめ、うわぁっ!」

人が2人、倒れるような音。
いったい何が起きたんだろう。頭を上げるのが怖い。

「大丈夫〜?」

どことなく気だるげな声が聞こえて、恐る恐る顔を上げてみる。

「、、、っえ」

目に入ってきたのは、ゆるめに着崩した制服、長身の体。そして

「怪我してないか?」

軽い猫っ毛のウルフカット、涼しげな切れ長の目、気だるげな表情と声。

「せん、ぱい、、、」

助けてくれたのは、憧れの先輩だった。
















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はじめまして、アメタビビトと書いて、雨羇ーウター、と申します!

この少説を読んでくださってありがとうございますm(*_ _)m

この小説は、自分が部活のために書いた台本が元となっています。
(ちなみにその台本を使ってもらえるかはまだわかりません笑)


不定期投稿になりますが、ぜひぜひ続きを読んでくださると嬉しいです!

それでは。

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