青春キャンパス(題名に踊らされるな)

藤枝花古芽(ふじえだかごめ)

第一学期 桜の花びら(前段、1時間目)

前段
 私は、入学式なんてどうでもいい。
朝、目を覚まして第一に思った。
高校生になって一日目の朝はいつもど同じ、つまらない学校に行く朝と変わらない。
 しかし、私はこの時気付いていなかった。
いつもと変わらない朝がこの日から私の人生の中で忘れられないものになることに。
     1時間目
 今日は本当に行く意味の分からない入学式だから私は行きたくない。
だけど、両親が「ダメよ?ママは夜空ちゃんの入学式が見たいんだもん!」
とか、「そうだ、パパも夜空とママの入学式の写真撮りたい!」
なんて言う。
 私、梅宮夜空の父と母は本当の意味でバカップル。
母は36歳、父は41歳になるのに未だにイチャイチャしている。
このバカップルは数日前からずっとこんな感じで説得してくる。
結果、私が折れた。
「夜空ちゃん、行ってらっしゃい」
家を出たら徒歩3分で学校に着く。
  私がこれから通う高校は梨花高校。
商業科、普通科、理数科があり偏差値50 69ある進学校。
学校の説明は以上。
学校の威厳ある正門のすぐ奥の真新しい玄関のドアを開けた。
靴箱の前にクラス表が貼ってある。
クラス表を見るのと同時に。
「夜空、会いたかったよ久しぶり」
大きい声で大げさに手を振って走って来たのは小学生からの友人。
涼風八重だ。
 「そうね、昨日図書館で会ったばかりだけどね。」
図書館で本を読んでいたらいつからいたのか隣で少年漫画を読んでいた。
しかも、私が帰るまでの5時間ずっと居た。
「そんな事より私と夜空一緒のクラスだよ。やったー、ラッキー。」
マジか。
あぁ、ベタベタひっついてくる予感しかしない。

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