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超能力者 神本くん

昼寝王

3時間目



「.......入りにくいな」

 野球部である守谷もりやは部室の前までやってきていたのだが、部室に入ることを躊躇っていた。

 というのも、守谷もりや神本かみもとのイタズラによって新学期になって1日持たずに自宅謹慎となっていたのだ。

 新学期始まって1日で自宅謹慎になった事など過去に例を見なかったようで、学校中の噂になっていた。

 また、授業の開始時に先生たちが悪い例としてネタにしたことから噂として広がるどころか、全員が知っているという状況までなってしまっていた。

「後輩たちをこき使ってやろうと思っていたのに、このままじゃ笑い者だ........」

 守谷もりやは少しの間、迷っていたが、このままではらちが明かないと決心すると部室のドアを開けた。

なんじゃこりゃ・・・・・・・!?」

 部室の表札には確実に『野球部』と書いてあった。

 一年間休むことなく通っていた部室だし、間違える訳が無い。

「クヒヒヒッ.....守谷もりやくん久しぶりだねぇ」

「おい、お前、なんでここにいるんだ」

「なんでっていつも守谷もりやくんのことを考えている僕には、ここ以外の居場所は無いよ」

「いや、ここ野球部の部室だから......お前、野球部じゃないだろってか、その大釜はなんなんだよ、何を煮込んでるんだ?」

「......」

「いや答えろよ、神本かみもと!!」

「やっと名前を呼んでくれたね、これで成功だ」

「何言ってんだ?」

 火にかかっている大釜をゆっくりとまわしながら喋り続ける神本は、ブツブツと何かを唱え始めた。

「おい、また変なことやらかそうとしている訳じゃねーだろうな」

「そんなことないよ、守谷くん。これも君のためなんだ」

「俺のため?」

「そうさ、初日から部活に参加できなかった君が、部活に参加しにくい事くらい僕にはお見通しだからね」

「それとこの状況の関係性が一切わからねぇ......」

「今から教えてあげるよ、クヒヒヒッ…..ホニャホニャホイッ!!!!」

「なにしたんだ?」」

「外に出てみれば分かるさ........」

 守谷は部屋を開けると驚くべき光景を見てしまった。

「何だよこれ!!」

「君が望んだ世界さ........」

「いや、俺はこんな世界望んじゃいねーわ!!!!」

「い、いや、君が望んだ世界さ!!」

「違うから」

「いや、この前、見てたんだ、君が幼い子向けの魔法少女アニメを見ているところを….」

「何で家での状況把握してんだよ!! まぁ、それでも、どっちにしろだ......なんなんだこの世界!!!!!!!」

 守谷が見たものは、学生が箒に跨またがって校内を移動している姿、魔法を使って部活をやっている姿だった。


「バーニングシュート!!!!」

「ウィンドガード!!!!!」

「なかなかやるじゃねーか」

「お前もな、だがこれならどうだ!!!」


 サッカーに魔法を使う姿を見た守谷は開いた口が塞がらなかった。

「どうだい?やっぱり君が望んだ世界だったろう?」

「馬鹿野郎、ちょっと心躍るじゃねーか!!!!!」




 守谷は、バカであった......

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