とある人達の話
1人目 9.家族
駅前にある変な像の前で人を待っている、気持ちが焦ったのか1時間も早く着いてしまったので待ち合わせ場所の近くで待機する
待ち合わせまで後20分といったとこだろうか、待ち合わせしていた人が着いたようだ、どうやら周りを見ながら服装の最終チェックなどをしている
「おはようございます朱璃さん、待ちました?」
今来たフリをする、特に意味があるか分からないが何故かこうしてしまった
「いえ!私も今来たところなので!優人さんも早いんですね、私、今日緊張して早起きしてしまって...」
名前で呼んだのはお互いなんだかんだで初めてだ、少し照れくさい
じゃあ行きましょうか、と今日は私が決めたレストランに行きその後海遊館に行く予定だ
「わー、ほんとうに大丈夫なのでしょうか...」
少し奮発したので朱璃さんが少し戸惑っているようだ
「えぇ、大丈夫ですよ、趣味という趣味がなかったのでお金自体は有り余ってるほどではないにしてもこのくらいは」
少しいい格好したいのもある
「ではお言葉に甘えて」
席に座るとテーブルに色々と料理が運ばれてくる、私も見ただけでは何が出てきたのかは分からない
「いただきます」
「頂きます」
2人で食事する、ここでの会話は普段はるりちゃんが何してるかなどの話をしてくれた、やはり色々あるみたいだが毎日が楽しそうだ
「そう言えばるりちゃんなんですがやはりいい子ですね、最近も笑ってしまうような話をよく聞かせてくれます」
「でしょう?ふふ、るりったらいつもやんちゃして怒られるからって最近は足の速さに磨きがかかってて」
と、1時間くらいした頃だろうか、お腹も落ち着いてきたので移動をする
お昼過ぎ頃に海遊館につく、ここはやはりジンベイザメが有名なのでそれを1番に楽しみに来た後はアクアゲートやペンギンなどが特に人気なのでその辺を見に行く
「わー!おっきいですね!見てください優人さん!」
海遊館は知っていたが来たことがなかったという朱璃さんは実際に見るジンベイザメに興奮気味だ、こんなにはしゃいでる朱璃さんは初めて見るかもしれない
「ジンベイザメって何を食べてこんなに大きくなるんですかね?」
「食べるのはオキアミなどの小さなエビ類なんですけど、なんでこんなに大きくなるのは凄いですよね、不思議です」
大きくも優雅に泳ぐその姿はつい見惚れてしまう
「今度はるりにも見せてあげたいわね、今日はるりに内緒で私たち2人だけですけどもね」
「また来ましょう、いつでも連れてきますよ」
次はるりちゃんも連れて来よう
その時はきっと既に家族だとそう思ったのだ
━━━半年後━━━
「ぱぱ!そのパンこげてない?!」
「うおっ!?待ってくれ!今お客様のお会計をしてるんだ!」
「あなた、ここは私が変わるからパンの方見てきてちょうだい」
買い物から帰って来た妻がやってきて店番を変わってくれる
「るりー!パン無事だぞー!」
「ぱぱ!多分それ端の方にあるパン裏こげてるよー」
よく見ると外側に置いてた1部のパンのお腹の部分が少し焦げてしまっている
「全くもう、ぱぱったら仕方ないなー」
お客さんと妻がレジのところで笑っている、その声を聞いてわたしも笑ってしまう、失敗はしてしまっているけれども...
「ふふ、しっかりしてくださいね、あなた」
あの日以降私たちは色々話し合った結果夫婦になった、朱璃さんは亡くなった旦那さんのことも気にしていたが、そこについてももちろん2人で真剣に考えた
考えた結果、思ったより時間が流れ今に至る
今はもちろん夫婦になってから大変なことも増えた、でもそれ以上に毎日が楽しいことだらけだ
あの後、私は仕事を辞め家族と一緒に都会から離れ田舎に引っ越した、今日は念願の持ち家、兼お店としての初オープンの日だ、今レジにいるお客さんは記念すべき第1号さんだ
新しい仕事、新しい生活、新しい家族
全てが新しいことだらけで全て未知数だ
「るりーお客さん帰るぞー」
レジの方にるりを呼び私と娘と妻でお客様に声をかける
「またお越しくださいませ!」
「また来てねー!」
「またお立ち寄りしていってくださいね」
「ぱぱぁ!またパンのこと忘れてるよ!」
「忘れてた!」
笑いながらお客さんが帰る、あとには私たちの賑やかな声と軽やかな鈴の音だけが鳴り響く
待ち合わせまで後20分といったとこだろうか、待ち合わせしていた人が着いたようだ、どうやら周りを見ながら服装の最終チェックなどをしている
「おはようございます朱璃さん、待ちました?」
今来たフリをする、特に意味があるか分からないが何故かこうしてしまった
「いえ!私も今来たところなので!優人さんも早いんですね、私、今日緊張して早起きしてしまって...」
名前で呼んだのはお互いなんだかんだで初めてだ、少し照れくさい
じゃあ行きましょうか、と今日は私が決めたレストランに行きその後海遊館に行く予定だ
「わー、ほんとうに大丈夫なのでしょうか...」
少し奮発したので朱璃さんが少し戸惑っているようだ
「えぇ、大丈夫ですよ、趣味という趣味がなかったのでお金自体は有り余ってるほどではないにしてもこのくらいは」
少しいい格好したいのもある
「ではお言葉に甘えて」
席に座るとテーブルに色々と料理が運ばれてくる、私も見ただけでは何が出てきたのかは分からない
「いただきます」
「頂きます」
2人で食事する、ここでの会話は普段はるりちゃんが何してるかなどの話をしてくれた、やはり色々あるみたいだが毎日が楽しそうだ
「そう言えばるりちゃんなんですがやはりいい子ですね、最近も笑ってしまうような話をよく聞かせてくれます」
「でしょう?ふふ、るりったらいつもやんちゃして怒られるからって最近は足の速さに磨きがかかってて」
と、1時間くらいした頃だろうか、お腹も落ち着いてきたので移動をする
お昼過ぎ頃に海遊館につく、ここはやはりジンベイザメが有名なのでそれを1番に楽しみに来た後はアクアゲートやペンギンなどが特に人気なのでその辺を見に行く
「わー!おっきいですね!見てください優人さん!」
海遊館は知っていたが来たことがなかったという朱璃さんは実際に見るジンベイザメに興奮気味だ、こんなにはしゃいでる朱璃さんは初めて見るかもしれない
「ジンベイザメって何を食べてこんなに大きくなるんですかね?」
「食べるのはオキアミなどの小さなエビ類なんですけど、なんでこんなに大きくなるのは凄いですよね、不思議です」
大きくも優雅に泳ぐその姿はつい見惚れてしまう
「今度はるりにも見せてあげたいわね、今日はるりに内緒で私たち2人だけですけどもね」
「また来ましょう、いつでも連れてきますよ」
次はるりちゃんも連れて来よう
その時はきっと既に家族だとそう思ったのだ
━━━半年後━━━
「ぱぱ!そのパンこげてない?!」
「うおっ!?待ってくれ!今お客様のお会計をしてるんだ!」
「あなた、ここは私が変わるからパンの方見てきてちょうだい」
買い物から帰って来た妻がやってきて店番を変わってくれる
「るりー!パン無事だぞー!」
「ぱぱ!多分それ端の方にあるパン裏こげてるよー」
よく見ると外側に置いてた1部のパンのお腹の部分が少し焦げてしまっている
「全くもう、ぱぱったら仕方ないなー」
お客さんと妻がレジのところで笑っている、その声を聞いてわたしも笑ってしまう、失敗はしてしまっているけれども...
「ふふ、しっかりしてくださいね、あなた」
あの日以降私たちは色々話し合った結果夫婦になった、朱璃さんは亡くなった旦那さんのことも気にしていたが、そこについてももちろん2人で真剣に考えた
考えた結果、思ったより時間が流れ今に至る
今はもちろん夫婦になってから大変なことも増えた、でもそれ以上に毎日が楽しいことだらけだ
あの後、私は仕事を辞め家族と一緒に都会から離れ田舎に引っ越した、今日は念願の持ち家、兼お店としての初オープンの日だ、今レジにいるお客さんは記念すべき第1号さんだ
新しい仕事、新しい生活、新しい家族
全てが新しいことだらけで全て未知数だ
「るりーお客さん帰るぞー」
レジの方にるりを呼び私と娘と妻でお客様に声をかける
「またお越しくださいませ!」
「また来てねー!」
「またお立ち寄りしていってくださいね」
「ぱぱぁ!またパンのこと忘れてるよ!」
「忘れてた!」
笑いながらお客さんが帰る、あとには私たちの賑やかな声と軽やかな鈴の音だけが鳴り響く
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