とある人達の話
1人目 5.悩み
「おにーさんはお仕事のことで嫌なこととかないの?」
唐突に振られる話題に少し焦る、はぐらかしてもるりちゃんにはお見通しだろうし正直に話す
「うーん...確かにあるよ、嫌なことや理不尽なこと、大人になると避けられないこと、さすがに今はなんとも思わないけどもね」
実際仕方の無いことだ、子供の頃は逃げたりすることも出来たが今は違う、生活がかかっているのだから
「そっかー、やっぱり大人は大変なんだねー」
「でも全部が嫌なことじゃないからね、嫌なことがある分だけ嬉しいこともあるんだよ」
ここ数ヶ月の間の出来事を思い出しながら言う
「毎日のように仕事で嫌なことがあるよ、けどるりちゃんとこのお店で2人と話して、パンを買って、家で食べるとその日の嫌なことは全部どこかに行っちゃうんだ」
「だからありがとうね」
「そうなんだ、るりはおにーさんが毎日来てくれるから嬉しいよ!ありがとね!」
屈託のない笑顔でそう言った
言葉というのは凄い、何気ない一言がすごく心に響く
「そうだね...ありがとう、るりちゃん」
「え?ど、どういたしまして?」
よくわかっていないようだがこれでいいと思った、まだ分からない方がいいのかもしれない
「そういえばるりちゃん、学校の方はどんな感じ?楽しい?」
ここで正直に終わればいいものを私はるりちゃんの母親が気にしていたことを思い出してしまう
るりちゃんは毎日パン屋で私を癒してくれている、なのにわざわざこうやって私のために料理もしに来てくれた、もし悩みがあるならどんな内容であれ力になれると思ったのだ
「うーん?楽しいよ、それよりさー」
なんだかはぐらかすような言葉で遮られる
「るりちゃん、お母さんが学校でお友達と遊べてるか気になってたよ」
「え、る、るりは平気だよ」
少し焦ってるようだ
「そうだ、少し俺の子供の頃の話を聞いて欲しいんだ」
「俺は昔からあまり人と話すのが好きじゃなかったんだ、人と関わりを持つとその人に合わせなきゃいけないからね」
「仲良くしてると揉め事が起こる、そんなリスクを負いながらも自分の時間や体力を削らないといけないと思っていたからね」
子供だった時の私の勝手に思い込んでいた話だ
「おにーさんもそういうの思ったりする時あったんだ...」
「るりちゃんは他の人と遊んだりするの嫌いかい?」
普段の付き合いからはそんなことは無いだろうと思うが念の為に聞いてみる
「嫌いじゃないよ、お喋りするのは楽しいから!」
「るりちゃんは僕とは違う、るりちゃんは他人と自分を楽しく、幸せに出来る力を持っているんだよ、かけてもいいよ」
「学校のことは...おにーさんには関係ないよ...」
「私はるりちゃんのことを実の娘のようにも思ってる」
「でもおにーさんはお父さんじゃないもん」
「お父さんみたいな存在になりたいと思っているよ、るりちゃんの為に何かしたいのは本当だ」
また少し黙り、時間にして十秒なのか数分なのかわからないような時間が流れた
「るりね...」
少し俯いたままだけども、口を開いてくれた
唐突に振られる話題に少し焦る、はぐらかしてもるりちゃんにはお見通しだろうし正直に話す
「うーん...確かにあるよ、嫌なことや理不尽なこと、大人になると避けられないこと、さすがに今はなんとも思わないけどもね」
実際仕方の無いことだ、子供の頃は逃げたりすることも出来たが今は違う、生活がかかっているのだから
「そっかー、やっぱり大人は大変なんだねー」
「でも全部が嫌なことじゃないからね、嫌なことがある分だけ嬉しいこともあるんだよ」
ここ数ヶ月の間の出来事を思い出しながら言う
「毎日のように仕事で嫌なことがあるよ、けどるりちゃんとこのお店で2人と話して、パンを買って、家で食べるとその日の嫌なことは全部どこかに行っちゃうんだ」
「だからありがとうね」
「そうなんだ、るりはおにーさんが毎日来てくれるから嬉しいよ!ありがとね!」
屈託のない笑顔でそう言った
言葉というのは凄い、何気ない一言がすごく心に響く
「そうだね...ありがとう、るりちゃん」
「え?ど、どういたしまして?」
よくわかっていないようだがこれでいいと思った、まだ分からない方がいいのかもしれない
「そういえばるりちゃん、学校の方はどんな感じ?楽しい?」
ここで正直に終わればいいものを私はるりちゃんの母親が気にしていたことを思い出してしまう
るりちゃんは毎日パン屋で私を癒してくれている、なのにわざわざこうやって私のために料理もしに来てくれた、もし悩みがあるならどんな内容であれ力になれると思ったのだ
「うーん?楽しいよ、それよりさー」
なんだかはぐらかすような言葉で遮られる
「るりちゃん、お母さんが学校でお友達と遊べてるか気になってたよ」
「え、る、るりは平気だよ」
少し焦ってるようだ
「そうだ、少し俺の子供の頃の話を聞いて欲しいんだ」
「俺は昔からあまり人と話すのが好きじゃなかったんだ、人と関わりを持つとその人に合わせなきゃいけないからね」
「仲良くしてると揉め事が起こる、そんなリスクを負いながらも自分の時間や体力を削らないといけないと思っていたからね」
子供だった時の私の勝手に思い込んでいた話だ
「おにーさんもそういうの思ったりする時あったんだ...」
「るりちゃんは他の人と遊んだりするの嫌いかい?」
普段の付き合いからはそんなことは無いだろうと思うが念の為に聞いてみる
「嫌いじゃないよ、お喋りするのは楽しいから!」
「るりちゃんは僕とは違う、るりちゃんは他人と自分を楽しく、幸せに出来る力を持っているんだよ、かけてもいいよ」
「学校のことは...おにーさんには関係ないよ...」
「私はるりちゃんのことを実の娘のようにも思ってる」
「でもおにーさんはお父さんじゃないもん」
「お父さんみたいな存在になりたいと思っているよ、るりちゃんの為に何かしたいのは本当だ」
また少し黙り、時間にして十秒なのか数分なのかわからないような時間が流れた
「るりね...」
少し俯いたままだけども、口を開いてくれた
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