とある人達の話
1人目 3.お買い物
「おっかい〜もの〜、おっかい〜もの〜♪」
機嫌よく手を大きく振り、口ずさみながら横をテクテクと歩いている
今は歳相応に見えるが、そんな子供らしいるりちゃんも私よりしっかりしているのだから最近の子はすごいと思う
マンションから出る際も何作るか考えたあと、買うものをリスト作りながら「マイバッグ持って行くんだよ!」と言われた時は素直に感心した
「おにーさんオムライスで良かったの?」
「うん、オムライスは数ある好きな食べ物の中でもトップクラスに好きだよ」
「オムライスはよく作るからとくいだよ!また次も作ってあげる!」
「あ、そうだ!あとフライパンとか買ってきていい?お兄さんのところにあるやつおもいから使いずらい...」
「あー確かにそうだね、じゃあフライパンとかも新しいの買おうか」
「うん!ありがとー」
そんなこんなでワイワイと話していると近くのスーパーについた、1階が食品系で2階がキッチン周りや文房具など雑貨を扱っている大型のスーパーだ
「わー!すごいおっきい!」
「いっぱい種類あるから多分いいのが見つかると思うよ」
「だね!行こっ!」
独身貴族な自分でもこうやって子供と買い物に行くと、なんだか憧れてしまうものがある
「おにーさん、こうやっていっしょにおしゃべりしながらお買い物するのも楽しくなーい?」
「すごい楽しいよ、こうやってるりちゃんと喋りながらする買い物は全然違うね」
「よかったー、おにーさんいつもはあんまり元気に話さないから、すこーしだけ話すのきらいなのかなって思ってたの」
「確かに、普段俺からは話すこと少ないけど、るりちゃんとはお話するのは楽しいから」
「え、えへへ、なんかはずかしいなぁ」
照れているのか少し恥ずかしそうにして目をそらす
「あーと、えーっと、あと必要なのはーササミの切れてるやつとー、玉ねぎとーニンジンとー、おにーさんキノコ食べれる?」
恥ずかしいのか思い出したかのように呟きながらカートを押すスピードを少し上げた
「食べれるよ」
「んじゃキノコも買おーっと」
「オムライスだけじゃあさみしいからコンソメスープも作ってあげるね!」
「美味しそうだね」
「えへへ、前にお母さんとお外でオムライスといっしょに食べた時おいしいって思ったんだよねー」
本当に料理人に向いているとつくづく思う、将来が楽しみだ
「おにーさん、るりの背中のリュックからおさいふ取ってー」
「いやいやいや、俺が払うよ?!」
「えー」
「作ってもらうのに食材も買わせたってなると悪い気持ちでご飯食べられなくなっちゃうよ...」
「えー!食べられなくなるのはダメだよー...ならお願いしてもいい?」
「もちろんだよ」
危なかった、もう少しで子供に材料買わせた挙句にご飯を作らせるとこだった、大人としてと言うか、人としてどうかというところだ
「おにーさん、フライパンとかって上にあるんだよね、行こっ!」
「よし、行こうか」
なんやかんやで、2階でもフライパンをどっちが買うかで少し焦らされたけどなんとか買わせてもらえることになった
「今日はありがとおにーさん!お買い物ぶくろいっしょに持って帰ろ?」
「うん、いいよ」
自然と顔がほころぶ、天気のいい空を見ると雲ひとつなく綺麗な青空が広がっていた
私はフライパンの袋を片手に、食材の袋の持ち手を片方ずつ一緒に持って家に帰る
ふと懐かしい気持ちになった、きっとあまり覚えてもいない子供の頃の自分と、それを見て微笑んでいた親との記憶が少しだけ蘇り、今の自分たちと重なったのかもしれない
今この瞬間、だから大人は子供を愛おしく思ってしまうのだとわかった
機嫌よく手を大きく振り、口ずさみながら横をテクテクと歩いている
今は歳相応に見えるが、そんな子供らしいるりちゃんも私よりしっかりしているのだから最近の子はすごいと思う
マンションから出る際も何作るか考えたあと、買うものをリスト作りながら「マイバッグ持って行くんだよ!」と言われた時は素直に感心した
「おにーさんオムライスで良かったの?」
「うん、オムライスは数ある好きな食べ物の中でもトップクラスに好きだよ」
「オムライスはよく作るからとくいだよ!また次も作ってあげる!」
「あ、そうだ!あとフライパンとか買ってきていい?お兄さんのところにあるやつおもいから使いずらい...」
「あー確かにそうだね、じゃあフライパンとかも新しいの買おうか」
「うん!ありがとー」
そんなこんなでワイワイと話していると近くのスーパーについた、1階が食品系で2階がキッチン周りや文房具など雑貨を扱っている大型のスーパーだ
「わー!すごいおっきい!」
「いっぱい種類あるから多分いいのが見つかると思うよ」
「だね!行こっ!」
独身貴族な自分でもこうやって子供と買い物に行くと、なんだか憧れてしまうものがある
「おにーさん、こうやっていっしょにおしゃべりしながらお買い物するのも楽しくなーい?」
「すごい楽しいよ、こうやってるりちゃんと喋りながらする買い物は全然違うね」
「よかったー、おにーさんいつもはあんまり元気に話さないから、すこーしだけ話すのきらいなのかなって思ってたの」
「確かに、普段俺からは話すこと少ないけど、るりちゃんとはお話するのは楽しいから」
「え、えへへ、なんかはずかしいなぁ」
照れているのか少し恥ずかしそうにして目をそらす
「あーと、えーっと、あと必要なのはーササミの切れてるやつとー、玉ねぎとーニンジンとー、おにーさんキノコ食べれる?」
恥ずかしいのか思い出したかのように呟きながらカートを押すスピードを少し上げた
「食べれるよ」
「んじゃキノコも買おーっと」
「オムライスだけじゃあさみしいからコンソメスープも作ってあげるね!」
「美味しそうだね」
「えへへ、前にお母さんとお外でオムライスといっしょに食べた時おいしいって思ったんだよねー」
本当に料理人に向いているとつくづく思う、将来が楽しみだ
「おにーさん、るりの背中のリュックからおさいふ取ってー」
「いやいやいや、俺が払うよ?!」
「えー」
「作ってもらうのに食材も買わせたってなると悪い気持ちでご飯食べられなくなっちゃうよ...」
「えー!食べられなくなるのはダメだよー...ならお願いしてもいい?」
「もちろんだよ」
危なかった、もう少しで子供に材料買わせた挙句にご飯を作らせるとこだった、大人としてと言うか、人としてどうかというところだ
「おにーさん、フライパンとかって上にあるんだよね、行こっ!」
「よし、行こうか」
なんやかんやで、2階でもフライパンをどっちが買うかで少し焦らされたけどなんとか買わせてもらえることになった
「今日はありがとおにーさん!お買い物ぶくろいっしょに持って帰ろ?」
「うん、いいよ」
自然と顔がほころぶ、天気のいい空を見ると雲ひとつなく綺麗な青空が広がっていた
私はフライパンの袋を片手に、食材の袋の持ち手を片方ずつ一緒に持って家に帰る
ふと懐かしい気持ちになった、きっとあまり覚えてもいない子供の頃の自分と、それを見て微笑んでいた親との記憶が少しだけ蘇り、今の自分たちと重なったのかもしれない
今この瞬間、だから大人は子供を愛おしく思ってしまうのだとわかった
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