悪人ベルト

吉川瑠奈

2話

「このベルトにはどんな能力があるんだ?」

「それはの、まず悪いことと良いことどっちから聞いたいかの?」

 まるでオレを試すかのように尋ねてくる。

「な、なら悪い方から教えてくれ。」

 ごくっ、そう言って溜まっていた生唾をのむ。

「そうじゃの〜、一つ目は悪行をしないと死んでしまうことじゃの」

「....はぁ?!それどういう意味だよ!」

 一瞬理解できず困惑したがすぐに意味を理解し声を荒げる。

「言った通りじゃよ、まぁ詳しく言うと善行をした場合1分以内にそれと同等又はそれ以上の悪行をしなければ1分毎にHPが100ずつ減るだけじゃよ」

「いや、意味わかんねーよ...。てかHPとかもあんのかよ。」 

 半ば呆れ気味になり、昔にやったRPGに似てるな。なんて考え出した。

「まぁそこらへんはそのベルトに聞けばいいじゃろう。」

「はぁっ?!こいつしゃべんのか?!」

 驚きのあまりつい声を荒げてしまう。

「そうじゃよ、もうそろそろ設定も完了した頃じゃろう。ではわしを楽しませてくれよ。さもなければ...」

「さもなければ...?」

 頬に冷や汗が一滴たれてきた。

「まぁ、何にもないぞ」

  フォッフォッフォッと含みのある笑い声を残しプツンッと念話が切れた。
 
「オレはこの先どうしたらいいんだ...?」

 溜息混じりに呟くとベルトが紫色に光り、話し出した。
 
「お前が僕ちんのご主人様だすか?」

「僕ちん...それにだす...?」

 キャラが濃すぎだろと思っていると

「早く返事するだす!」

「悪い悪い、多分お前のご主人様だと思うよ」

「なんかひ弱で頼りないだすね」

 やれやれと吐き捨てるように言われる。
 そりゃ、運動部に入っていて趣味で筋トレをしてると言っても全然ムキムキな訳ではないしな...なんて考えてると勝手に話し出した。
 
 「まぁ、いいだす。とりあえず僕ちんの能力について教えるだす。」

「わかった。教えてくれ。」

「言っても難しいし理解できないと思うから簡単に言うだす」

「は?何いっ...」

そう言うのを無視してベルトが続ける。

「まぁ簡単に言うと悪いことをすれば身体の能力に依存する魔力と違って悪人魔力が溜まって専用の技が使えるって感じだす。そして悪いことをせず24時間が経過すると僕ちんに生気を吸い取られ干からびて死ぬだす。」

「えっ...いや、待て待て。おかしいだろ?!」
 
 先程老害が言ってたことが本当だとわかり焦燥感にかられる。う

「仕方ないだす。諦めるだす。」
 
「いやいや、どう考えても理不尽すぎるだろ!」

「うるさいだすねぇ、そろそろ黙るだす。そんなにうろたえてたらすぐに死ぬだすよ。」

 そうは言ってもと口答えしようと思ったが話が前に進まないから辞めた。

「わかった...。この世界で生き抜く方法を教えてくれ。」

 苦虫を噛み潰したようなで顔でそうベルトに聞くしかオレにできることはなかったのだ。


次回イツキのステータス公開?!次回も絶対みてね!

 




 

コメント

  • オナ禁マッスル

    ベルトの語尾ウザすぎませんか?

    0
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