青篝の作詞集

青篝

『二人の帰る場所』

夕方の市民病院
僕の手を握り返した
柔らかい手のひらの中で
君は笑っていた

悲しくなるようなこと言わないで
きっと君は大丈夫だから

帰りたい僕らの家に
公園に寄り道なんてしながら
手を繋いで帰りたい
温かなドアを潜ろう


朝方の手術室に
入ってく君の横顔が
とても怯えているようで
僕は怖かった

気休め程度しか言えないけど
きっと君は大丈夫だよ

何時間か経った頃に
お腹が空いてしまった僕は
我慢して指を噛む
君は何も食べてないから


僕は祈った
君が元気になることだけを


目を覚ました君の手を
僕は泣きながら握り締めた
さぁ帰ろう僕らの家に
今晩のご飯は派手にいこう
君の退院祝いと僕らの門出に

コメント

コメントを書く

「詩」の人気作品

書籍化作品