青篝の作詞集

青篝

『兵士の夢の果て』

ひとつ土に咲く兵士の心
重なる体と煙の臭い
「悲しくはない」強がってみる
儚くも散る彼の姿

もう、帰りたい
愛する者の場所に
また狼煙が上がる
前へと進む軍

俺たちはこの母国のために
今日も銃を背負って突き進む
けれど何をもって勝ちとなるのか
神よ、教えてくれ


鳥に乗る彼は爆弾落とし
クジラに乗る彼は海を走る
鉄屑が落ち、やいばが朽ちる
散るだけでは何にも守れない

いつまで続くの
桜も紅葉も散り去り
また狼煙が上がる
後には戻れない

叫んでも助けなど来ない
今日も戦車に跨り突き進む
曇り空の向こうに何があるのか
神よ、助けてくれ


すまないが、俺はここで終わる
愛する場所にも帰れぬまま
頼むから誰も死なないでくれ
神よ───

愚かなる愛すべき祖国
お前の平和はどこにあるのか
俺の屍に意味を持たせて
あぁ、醜い

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