季節に彷徨う影

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季節に彷徨う影

 









肘が隠れたシャツから袖が無くなり
膝も露わに軽装で過ごす頃
湿った空気でもこの月灯りの下で
彷徨く影が居る
昼間でも夜中でも動きは活発になり
周囲構わず鳴き通す
恋多き小さな影は
今日も方々彷徨い続ける
落ち着かないとか
理性が無いとか
自分を見失うとか
そう言うレベルの話ではなくて
彼らのこれが昔からの自然の姿だから
今夜も窓から抜け出して
騒がしい彼らの世界へ飛び出した
猫たちの繁殖期
彼らの生き甲斐であり使命だから
帰宅はいつになる事やら‥











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