魔王、なぜか冒険者学校の先生になって、英雄の子孫を鍛え直す
セラフィマ、職業『伯爵』
「こらキミ、ウチのクラスだろ。授業中だぞ」
「これも授業の一環ですわ」
注意をする教師を制止して、セラフィマが馬を下りる。
教員が引き下がった。セラフィマの親は、この学園に出資している。あまり大きく出られない。
ウスターシュが学園長を担当し、学園内のパワーバランスは保たれている。
エステルに食ってかかるのは、「要求側の分際で」という苛立ちがあるのかも。
「いかがでしょう、わたくしがお相手致しますわ」
鉄扇を豊満な胸から取り出して、セラフィマが担任を挑発した。
「おいおい、セラフィマが戦うってよ」
「エステルに勝ちたいのでしょうね」
「でも、お顔に傷が付いたら」
セラフィマのクラスメイトが、ヒソヒソ話し出す。心配する者、面白がっている者など、意見は様々だ。
「いかがですの?」
「いいだろう。かかってきな」
セラフィマが鉄扇を開いた。カマイタチでけん制する。
担任は回避運動すらせず、銃で風魔法を弾き飛ばした。
「ほう、踊子か。もっと知的系の職業で来るかと思ったぜ」
「正式には伯爵ですわ。魔法も多少の白兵戦も可能なスキルを学びましたの。踊りは、社交界の一環ですわ!」
得意魔法を潰されても、セラフィマは恐れない。肉弾戦へ。
片手だけで、担任はセラフィマの攻撃を幾度も受け止める。
セラフィマだって、決して弱くない。戦闘訓練に適していないだけで。
「一発一発が弱いな。ザコ相手ならどうにかなるが、強いモンスターが相手だとキツい。だが、どこを攻撃すれば弱まるか、理屈は分かっている。お前は、指揮官向きだ」
「だまらっしゃい。ゴブリン風情が!」
「そのゴブリン風情に翻弄されているのは、どこのどいつ様だ?」
ますます額に青筋を立てて、セラフィマは鉄扇を担任に叩き込んだ。しかし、攻撃が雑になっていく。
担任が、セラフィマをおちょくり出す。
鉄扇を弾いては眉間に銃口を当て、また鉄扇で攻撃されたら、肘を攻撃してずらす。
再度セラフィマの眉間に銃を突きつけた。
「どうした、まだやるのか? ギャハハハ!」
いつもの担任スマイルで、セラフィマをからかう。
「何事だ!」
上級魔導師のローブを着た、若い男性が、数名の教員を伴って現れた。
三〇代に見えるが、齢一一〇を超えた老人である。
魔法で、自分の体内時間をねじ曲げているのだ。
「ウスターシュ・ワトー校長」
校長のおでましに、マノンたちはひざまずく。
特にエステルは彼の孫だ。
六〇年前、下級魔族たちと共に世界を救った英雄、ウスターシュ。
「これも授業の一環ですわ」
注意をする教師を制止して、セラフィマが馬を下りる。
教員が引き下がった。セラフィマの親は、この学園に出資している。あまり大きく出られない。
ウスターシュが学園長を担当し、学園内のパワーバランスは保たれている。
エステルに食ってかかるのは、「要求側の分際で」という苛立ちがあるのかも。
「いかがでしょう、わたくしがお相手致しますわ」
鉄扇を豊満な胸から取り出して、セラフィマが担任を挑発した。
「おいおい、セラフィマが戦うってよ」
「エステルに勝ちたいのでしょうね」
「でも、お顔に傷が付いたら」
セラフィマのクラスメイトが、ヒソヒソ話し出す。心配する者、面白がっている者など、意見は様々だ。
「いかがですの?」
「いいだろう。かかってきな」
セラフィマが鉄扇を開いた。カマイタチでけん制する。
担任は回避運動すらせず、銃で風魔法を弾き飛ばした。
「ほう、踊子か。もっと知的系の職業で来るかと思ったぜ」
「正式には伯爵ですわ。魔法も多少の白兵戦も可能なスキルを学びましたの。踊りは、社交界の一環ですわ!」
得意魔法を潰されても、セラフィマは恐れない。肉弾戦へ。
片手だけで、担任はセラフィマの攻撃を幾度も受け止める。
セラフィマだって、決して弱くない。戦闘訓練に適していないだけで。
「一発一発が弱いな。ザコ相手ならどうにかなるが、強いモンスターが相手だとキツい。だが、どこを攻撃すれば弱まるか、理屈は分かっている。お前は、指揮官向きだ」
「だまらっしゃい。ゴブリン風情が!」
「そのゴブリン風情に翻弄されているのは、どこのどいつ様だ?」
ますます額に青筋を立てて、セラフィマは鉄扇を担任に叩き込んだ。しかし、攻撃が雑になっていく。
担任が、セラフィマをおちょくり出す。
鉄扇を弾いては眉間に銃口を当て、また鉄扇で攻撃されたら、肘を攻撃してずらす。
再度セラフィマの眉間に銃を突きつけた。
「どうした、まだやるのか? ギャハハハ!」
いつもの担任スマイルで、セラフィマをからかう。
「何事だ!」
上級魔導師のローブを着た、若い男性が、数名の教員を伴って現れた。
三〇代に見えるが、齢一一〇を超えた老人である。
魔法で、自分の体内時間をねじ曲げているのだ。
「ウスターシュ・ワトー校長」
校長のおでましに、マノンたちはひざまずく。
特にエステルは彼の孫だ。
六〇年前、下級魔族たちと共に世界を救った英雄、ウスターシュ。
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