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バーチャル美少年受肉異世界転生ゾンビヤクザおじさんとか設定盛り過ぎだろぉー!

しーとみ@映画愛好家

ゾンビ、王都へ。

かつて、無数のモンスターで栄えていた都、カルンスタインの城。

フェロドニアも活気に溢れていた。ドワーフが刃物を売り、ダークエルフのシーフが街を駆け回るような街である。

この都市は、フェロドニアの一〇倍近く賑やかだ。

世界各地から人が集まっている。
米の入ったツボを頭に載せた人、装飾品を服代わりにしている者、お揃いのピンク羽織で合わせ、帯刀した女侍の集団などだ。
どの人種も、分け隔てなく、街の住人と語らっていた。

「お祭りが近いからね」
だが、今のカルンスタイン最大の特徴は、人と魔物が仲良く暮らしていることだ。

「店まで開いてやがる」
「それだけオープンなんだろう」

昼食のため、魔族が経営するレストランへ。
角の生えた魔族の少女が給仕をし、スライムがテーブルを拭く。料理を獣人が運び、半漁人が後片付けをした。

今日は、タマミも連れてきている。

仲間が増えすぎて、手狭になった屋敷を離れた。その後、ハイモ卿の城に拠点を移してある。

今頃、ゾンビ共はハイモ卿によるトレーニングで、更に強くなっているはずだ。ますますエインフェリア道に磨きが掛かる。

遠慮しなくてもいいと伝え、タマミにはなんでも食わせた。

海に近いカルンスタインは、魚介が新鮮なまま食べられる。
毎回食事が穀物中心だったせいもあり、箸が止まらない。

「うめえ。香辛料の質が街と違うな」

この世界に来て、焼きホタテにありつけるとは。
前の屋敷でも魚は出たが、川魚だったからな。それはそれで味わい深いが。

「うん」と、タマミも首を縦に振る。
「いたって普通だね。魔族だからって特別ってワケじゃない」
客の方も、相手を邪険にしている風もない。

店を出て、中央の噴水広場へ着く。
広場では、数々の店が軒を連ねていた。
屋台だけでなく、詩人や演芸などの催しものが行われ、場が盛り上がる。

「ここに舞台を作って、王が平和を謳う演説を行うんだ。もし狙われるとしたら、この場所だろう」

そこで、オレは信じられないモノを見た。

「カミュじゃねえか!」

カミュそっくりの像が、噴水のモニュメントとして腰を据えていたのである。
長い髪も、小さな背丈も、すべてがよく似ていた。

「彼女こそ、ここの領主の先祖、エリザベート・レ・ファニュ・フェロドニア一世だ」

この人が、カミュの母親か。

エリザベート一世の像は、銀の剣と、楕円形の盾を手にしていた。
カミュは優しい印象だが、この像からはある種の勇ましさが漂う。

「武装してやがる」
「彼女は、この一帯で最強のヴァンパイア、カルンスタインを退治する、討伐隊を率いる姫騎士だったんだ」

今から数年前、カルンスタイン城を舞台に、人と魔物の覇権を争う激闘が始まった。

「相手の魂まで削り合う死闘だったそうだよ。どちらも、今のボクより数十倍は強かった、ってサティは言っていたね」

だが、ミイラ取りがミイラに。
姫騎士はヴァンパイアの餌食どころか、虜になっちまった。
噛まれたわけでもないのに、二人は引かれ合う。
戦いを通じて、闘志が愛情へと変わっていったらしい。

「河原で殴り合って友情が芽生えたヤンキーみたいなエピソードだな」

どちらも、殺すには惜しいと考えた。
また、どちらも種族にまで敵意はないのだと。

こうして、魔物による人類蹂躙は免れた。

「あとはこの間話したとおりさ。とはいえ、隣国とは相変わらず微妙な関係にある」

実際、刺客が送り込まれていてもおかしくない現状だ。
キャンデロロ男爵は、まだ手を出して来ない。
が、時間の問題だろう。


「うわ。大変だ!」

近くで悲鳴が上がった。

咄嗟に、オレはタマミを抱き寄せる。

串焼き屋の屋台で、火災が発生した。
油がはね、いつ周辺りに火の手が回ってもおかしくない。

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