転移先がゴミ屋敷だったので、掃除スキル最強の俺がキレイにする!
ロリババアエルフ見参!
俺達は、外まで案内された。
客人は中庭で待って貰っていると言う。
中庭の中央には、バラ園に囲まれた円形のステージがあった。運動場ほどの広さがある。
床は石畳が張られ、物が多い魔王城において唯一、何もない空間が広がっていた。
円形の広場を囲むように、観客席のような石畳が、階段状に連なっている。まるで野球場のように。
「なんだ、ここは?」
「旧闘技場です。現在は特に使われておらず、多目的ステージとして活用されています」
武術の試合があるときに使われるのだが、ここまで来られる闘士が存在しなかったらしい。
今ではもっぱら、ディナー会場やモンスター同士の見合い会場、催し物を行う宴会場となり果てている。
「パイロンが寄りついた様子がないんだが?」
「お嬢様は、インドア派ですから」
片付いている方かなと思っていたが、よく見ると草は生え放題で、バラは特に手入れもされていない。
石畳の隙間からタンポポまで生えている。要は、何も手を付けていない。
「ねえマーゴット。ここまできた猛者ってどこにいるの?」
「相手はお一人で参られました。各地に配置した四天王を撃退し、この城に辿り着く権利を獲得したようです。魔王城に挑戦者が現れるなんて、実に二年ぶりでしょうか」
真琴が、四枚の石版を見せる。
組み合わせると、一枚の絵になった。魔王家の紋章だ。あれが、四天王を倒した証だという。
相手を殺すのではなく、気絶するか負けを認めるかで勝敗が決まるらしい。
「北の魔神も倒したの? みんなそこで躓くのに。あいつがやられたんなら、相当強そう」
と言いつつ、パイロンはどこか嬉しそうだ。前を向いたまま、歩みを止めない。
「その客人ってのは、どこにいるんだ?」
「いるじゃん。あそこに」
パイロンが、ステージ中央を指さした。
円形のステージに、少女が座っている。
一瞬、俺には分からなかった。相手は、景色と同化していたように思える。
長い耳と銀色の髪、褐色の肌が印象的だ。浴衣を思わせる黄色い装束に全身を包み、武装は、腰に引っかけた棒切れだけだ。木刀だろうか、短い棒を手にしている。
すぐそこに椅子とテーブルがあるというのに、彼女は闘技場の上で座禅を組んでいた。傍らに置かれたお茶には手を付けている。ティーカップの取っ手を使わず、手づかみで。
今まで聞いたことがない声色で、パイロンが尋ねた。
サイドポニーの少女が、こちらを向く。
「それがし、エルフ族のクヌギと申す。待たせてもらっている間に、見事な茶をいただいた」
クヌギと名乗った少女が、凜として立ち上がる。
客人は中庭で待って貰っていると言う。
中庭の中央には、バラ園に囲まれた円形のステージがあった。運動場ほどの広さがある。
床は石畳が張られ、物が多い魔王城において唯一、何もない空間が広がっていた。
円形の広場を囲むように、観客席のような石畳が、階段状に連なっている。まるで野球場のように。
「なんだ、ここは?」
「旧闘技場です。現在は特に使われておらず、多目的ステージとして活用されています」
武術の試合があるときに使われるのだが、ここまで来られる闘士が存在しなかったらしい。
今ではもっぱら、ディナー会場やモンスター同士の見合い会場、催し物を行う宴会場となり果てている。
「パイロンが寄りついた様子がないんだが?」
「お嬢様は、インドア派ですから」
片付いている方かなと思っていたが、よく見ると草は生え放題で、バラは特に手入れもされていない。
石畳の隙間からタンポポまで生えている。要は、何も手を付けていない。
「ねえマーゴット。ここまできた猛者ってどこにいるの?」
「相手はお一人で参られました。各地に配置した四天王を撃退し、この城に辿り着く権利を獲得したようです。魔王城に挑戦者が現れるなんて、実に二年ぶりでしょうか」
真琴が、四枚の石版を見せる。
組み合わせると、一枚の絵になった。魔王家の紋章だ。あれが、四天王を倒した証だという。
相手を殺すのではなく、気絶するか負けを認めるかで勝敗が決まるらしい。
「北の魔神も倒したの? みんなそこで躓くのに。あいつがやられたんなら、相当強そう」
と言いつつ、パイロンはどこか嬉しそうだ。前を向いたまま、歩みを止めない。
「その客人ってのは、どこにいるんだ?」
「いるじゃん。あそこに」
パイロンが、ステージ中央を指さした。
円形のステージに、少女が座っている。
一瞬、俺には分からなかった。相手は、景色と同化していたように思える。
長い耳と銀色の髪、褐色の肌が印象的だ。浴衣を思わせる黄色い装束に全身を包み、武装は、腰に引っかけた棒切れだけだ。木刀だろうか、短い棒を手にしている。
すぐそこに椅子とテーブルがあるというのに、彼女は闘技場の上で座禅を組んでいた。傍らに置かれたお茶には手を付けている。ティーカップの取っ手を使わず、手づかみで。
今まで聞いたことがない声色で、パイロンが尋ねた。
サイドポニーの少女が、こちらを向く。
「それがし、エルフ族のクヌギと申す。待たせてもらっている間に、見事な茶をいただいた」
クヌギと名乗った少女が、凜として立ち上がる。
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