創作に役立たない、「映画の感想」

しーとみ@映画ディレッタント

ユニバーサル・シティは地獄 『アルゴ』

デモ隊の襲撃を受けたアメリカの大使たちが、ホメイニのカナダ大使館に匿われた。
イスラム兵に見つかったら殺される。
無理難題を前に、CIAである主人公は、大胆な作戦を決行する。

「大使を映画の撮影クルーに変装させて逃がそうぜ!」

1979年、在イランアメリカ大使館人質事件を元にした実話。
しかも、1997年になるまで、この事件にCIAが関与していたことは伏せられていたという。

架空の映画『アルゴ』は、『光の王』という、ロジャー・ゼラズニイ著の小説を元に作られるという設定。

製作会社を偽装する際、本物らしさを演出するため、メイクアップアーティストのジョン・チェンバースを訪問する。

「世界最悪の場所から、さる人物を救出する作戦を行う」
ジョンは言う。「ユニバーサルシティからか?」

監督は「オレが作るからにはガチで売れる脚本にする」と言い出す。
実際に衣装まで作って、ヒルトンホテルで記者会見も行った。
だが、実際は撮影されない。

現地に乗り込んだ主人公は、大使らと綿密に打ち合わせをして、映画のロケハンをしに来たスタッフという肩書きを叩き込む。
変装まで行い、言葉も覚えさせる。

事実に基づいた話だが、ハラハラの連続。
まるで、映画のような話だった。
映画だけれど。

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