新しい嫁探し?バツイチお父さんは娘の為に霊界で伝説になる。
パパなのでノンケです。
「あー、ケツ痛てーなぁ……」
無事に悪霊?退治も終わり、康成と智之はリビングに降りてきた。
「ぷぷっ、まさか幽霊退治にプロレス技を使うなんてお前くらいだよ」
智之にも家の雰囲気が眼に見えて変わり安心したのか、以前のように軽口を叩く。
「殴るだけじゃ逃げられるかもしれないだろ?きちんとホールドしてクラッチして、フィニッシュがプロレスの基本だろうが」
「いやいや、タワーブリッジまではわかるけどよ、とどめにキ○肉バスターってどうなのよ?レスラーでも難しいだろ?」
「それはレスラー同士だからだよ、100キロもあるレスラーを頭の上に持ち上げるとか無理だから。幽霊ってのは霊力が強ければ掴めるけどほぼ重さは無いんだよな」
「何か未だに信じられないな。本当に幽霊っているんだな?」
「まぁ、しゃーないわな、俺も見えてから間もないし、まだよくわからないし」
「それも鬼に聞いたのか?」
「そうだよ、2メートルはある筋肉ムキムキの鬼だよ。村長と学者をしている」
「ますますわからねーよ……」
「それにしてもケツが痛いな……
なぁ智之?俺のケツなんかなってねーか?」
康成は臀部の痛みがなかなか退かないため、少しズボンを下げ、智之に見せた。
「馬鹿!俺の家で汚ねーもん出すな!」
ガチャ
「仕方ねーだろ?お前の為に俺のケツを犠牲にしたんだぞ?まだヒリヒリするんだよ、赤くなってねーか?」
「赤くなってねーよ!嫁が帰って来たらどうするんだよ!いい加減しまえ!」
スパーン!
智之は康成の尻を叩く
「痛っ!叩くなよな!悪化す……る……だ……ろ?」
康成はリビングの扉を凝視する。
「うるせ!もう1発くらわ……せ……る……ぞ……?」
智之もリビングの入り口に目をやる。
仕事を終え、ちょうど帰宅した智之の嫁が入口に立っていた。
立ちすくんでいた。
「あな……た?」
康成は現在の様子を確認する。
尻を出し、智之に向ける康成。
康成の尻を罵るように叩く智之。
康成と智之は冷や汗が止まらない。
言い訳が思いつかない。
「違うぞ、真弓!?これは康成が尻を痛めたから俺に確認を求めてだな」
「尻を痛めることを……?」
後退る智之嫁。
冷や汗の他に脂汗が止まらない康成
「違う!いやっ!違うくはないけど……康成が俺らの家を助けてくれたんだ!幽霊が出てだな、康成が幽霊にキ○肉バスターでとどめをさしてくれたから尻を痛めて」
「智之……無理だ……」
「康成!諦めるなよ!ほらっ?最近俺の調子が悪かっただろ?それは幽霊が原因でな?真弓?」
「あなた……全ては幽霊が悪いと?」
「そうだ!なぁ康成!」
康成は嫌な汗が止まらない。
智之は嫁へ近づく。
智之嫁は智之が近づくと頭を下げ
ズンッ!
智之のボディを左の拳が貫いた。
「げふっ!?ま…ゆみ?」
智之嫁は頭を下げたまま、右の拳を智之の意識の外側からフックの形で頭を貫いた。
「おぉ……ドラゴンフィッシュブローだ……」
智之はなんとか踏ん張り意識を失わずにすんだ。
「真弓!本当なんだ!信じてくれよ!」
「よくわかりました。あなたがあなたのロングホーンで康成さんにハリ○ーンミキサーをお見舞いして、康成さんが尻を痛めた。さらに猪○並みのビンタを康成さんの尻に闘魂注入する所に私が帰ってきた。」
「違う!全然違う!」
嫁さんスゲープロレス大好きじゃん……
「今日は実家に帰ろうと思います。子供も私が今から迎えに行きます。良いですね?」
「真弓?いやっ!それは……」
「良いですね!」
「はい……」
智之嫁は帰宅宣言をすると、家を出た。
智之嫁が家を出ると康成は尻をしまう。
智之の家は来た時よりも暗い雰囲気が漂っていた。
まだ夕方なのに暗い。
「まぁ……あれだ、智之?きっとどうにかなる。生きていれば何でもできる。俺も全力でフォローするからさ……な?」
微動だにしない智之。
「智之?」
「俺どうしたらいいかな?なぁ康成?今回みたいにどうにかできるんだろ?これも悪霊のせいなんだろ?なぁ康成?」
「智之!これは無理だ!」
「頼むよ!親友だろ!?」
無言で康成は首を横に降る。
智之は小刻みにぷるぷる震え
「くそがぁ!真弓!待ってくれー!」
智之は康成のことなどお構いなしに家を飛び出した。
「おい!俺、鍵持ってねーよ、家どうすんだよ!?」
1人家に取り残され、康成は途方に暮れていた。
「ったく……まぁいいや、まずは……」
康成はリビングを出ると再度2階へ足を運んだ。
智之の部屋に入るとキ○肉バスターを行った机に近寄り、引き出しや裏側を確認する。
「あー、これか?」
康成は二段目の引き出しの裏側に御札のようなものを見つけた。
今回の霊は前に俺の家に出た霊とは少し違う気がした。
家に出た霊は外から憑いてきた未練の強い地縛霊だった。
その霊が俺の霊力に引かれ家まで憑いてきてしまった。
今回、智之に憑いていた霊は、外から憑いてきたのではなく、この机に込められた怨念のようなものを感じた。
案の定机には、御札のようなものが貼られ、康成に成仏させられたせいか縦に切れるように避けていた。
「今回はたまたまだろうけどな、これは甚平さんに見てもらうかな?」
机を見るとアンティークの年代物の机だ。
どこかの訳あり商品が市場から流れ着き、智之の家にたどりついたのだろう。
その後、康成は智之の家を出ると、娘の迎えに保育園へ向かった。
夜に智之から連絡が来て、靴を舐める勢いで土下座したらどうにかなったと報告が送られてきた。
ラブラブのツーショットと共に
康成は無言でメールを削除した。
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