「さくら。」奇妙な巫女編

あきさか

#000 絶望の光と希望の光。

「はあ、はあ……ここまで来れば…ひめさまも無事…!」

薄暗い森を走る老侍ろうざむらいがまだ、幼い少女わたし抱えてかかえて息を切らしながら、”何者かに”逃げるように、走る…——

『見つけたゾォ!!”悪魔の姫”がァ!』

「し、しまった…!」

秋季しゅうき!オレが奴らのおとりになるッ!!だから、姫を”蒼のお頭”まで走れッ!」

「りゅ、竜之助りゅうのすけ……わ、わかった!武運ぶうんを祈っておるぞ!?」

「ああ!秋季しゅうきもな!!」


こうして、竜之助りゅうのすけが囮になってから数時間…わしは無我夢中むがむちゅうで”蒼さん”の所へ全力で走っていた。

「はあ、はあ…ッ!!アレは…”蒼さん”!!」

「ど、どうした秋季さん!?」

「ひ、姫を……頼む…」

わしは、力尽きてその場に倒れた…

「しゅ、秋季さん?!」

「”奴ら”が…また、姫を……殺しにころ来た…姫を逃がすために…大きな犠牲をわしらは払ってしまった…」

「また、”アイツら”か……それで、”大きな犠牲”とは?!」

「…今大夭森だいようもりが焼けているのは姫さま…の”あの能力ちから”が開花されて…暴走したせいだ…」

「あ、あの能力ちからか……」

「その大きな犠牲は……ォ…」

「な、何だ?!」

「…………。」

わしはもう無理じゃ…。
頼んだぞ…”蒼坊主”よ………

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