チートスキル『死者蘇生』が覚醒して、いにしえの魔王軍を復活させてしまいました〜誰も死なせない最強ヒーラー〜
歯車
「……凄いなの。世界が変わってるなの」
百年ぶりにディストピアから出たフェイリス。
最初の言葉は、零れ落ちるような感嘆であった。
「リヒトさん、向かう場所は分かってるなの?」
「勿論。というか、知らない方が問題ってくらいだ」
リヒトとフェイリスは、伝説のネクロマンサーを蘇生させるため、英雄の墓地に向かおうとしている。
現在そのネクロマンサーが眠っている場所は、崇めるようにして保存されており、守りも手薄になっているはずだ。
イリスとティセを連れて行くとなると、二人分の穴が空いてしまうので不可。ロゼを連れて行くとしても、同等のダメージとなってしまうため不可。
消去法によって、今回の相棒はフェイリスとなった。
「この作戦が成功したら、沢山の休みが手に入るなの。やっぱり魔王様は許してくれると思っていたなの」
「あぁ。本当に許してくれるなんてな」
実際、魔王であるアリアに相談したところ、驚くほど簡単に許可が出た。
曲がりなりにも、確実に一人下僕を連れて行くことになるので、交渉になると予想していた分、肩透かしをくらったような気分である。
「そういえば、そのネクロマンサーを復活させたとしても、魔王様はディストピアに受け入れてくれるなの?」
「それも大丈夫だってさ。何でか分からないけど、信用してくれてるみたいだよ」
リヒトは、ここまでスムーズに話を通してくれたアリアに感謝していた。
かなり特殊であるが、新入りという形のリヒトをこれほど信頼してくれる魔王がどこにいるだろうか。
その期待を背負っている分、より一層頑張ろうとさえ思える。
これが全部アリアの作戦だとしたら、魔王の名に恥じないカリスマ性だ。
「それなら良かったなの」
「――それじゃあ行こう。多分墓守と戦うことになるだろうから、覚悟はしておいてくれ」
「待って。リヒトさんは、確か死者を蘇生させる能力だった――それって、何度でも復活させることができるなの……?」
「うん、問題ないよ」
フェイリスは、改めてリヒトのスキルを確認する。
戦闘の前に必ず確認しておきたいことであり、これからの戦い方を変えるかもしれない大切な質問。
そして確信した。
リヒトの能力とフェイリスの能力が、歯車のように噛み合っていることを。
魔王であるアリアから聞いた内容と同じだ。
何度でも対象を蘇生できる《死者蘇生》のスキルは、自分が死んだ時に発動する、フェイリスの《怨恨》と最高の相性だった。
百年ぶりにディストピアから出たフェイリス。
最初の言葉は、零れ落ちるような感嘆であった。
「リヒトさん、向かう場所は分かってるなの?」
「勿論。というか、知らない方が問題ってくらいだ」
リヒトとフェイリスは、伝説のネクロマンサーを蘇生させるため、英雄の墓地に向かおうとしている。
現在そのネクロマンサーが眠っている場所は、崇めるようにして保存されており、守りも手薄になっているはずだ。
イリスとティセを連れて行くとなると、二人分の穴が空いてしまうので不可。ロゼを連れて行くとしても、同等のダメージとなってしまうため不可。
消去法によって、今回の相棒はフェイリスとなった。
「この作戦が成功したら、沢山の休みが手に入るなの。やっぱり魔王様は許してくれると思っていたなの」
「あぁ。本当に許してくれるなんてな」
実際、魔王であるアリアに相談したところ、驚くほど簡単に許可が出た。
曲がりなりにも、確実に一人下僕を連れて行くことになるので、交渉になると予想していた分、肩透かしをくらったような気分である。
「そういえば、そのネクロマンサーを復活させたとしても、魔王様はディストピアに受け入れてくれるなの?」
「それも大丈夫だってさ。何でか分からないけど、信用してくれてるみたいだよ」
リヒトは、ここまでスムーズに話を通してくれたアリアに感謝していた。
かなり特殊であるが、新入りという形のリヒトをこれほど信頼してくれる魔王がどこにいるだろうか。
その期待を背負っている分、より一層頑張ろうとさえ思える。
これが全部アリアの作戦だとしたら、魔王の名に恥じないカリスマ性だ。
「それなら良かったなの」
「――それじゃあ行こう。多分墓守と戦うことになるだろうから、覚悟はしておいてくれ」
「待って。リヒトさんは、確か死者を蘇生させる能力だった――それって、何度でも復活させることができるなの……?」
「うん、問題ないよ」
フェイリスは、改めてリヒトのスキルを確認する。
戦闘の前に必ず確認しておきたいことであり、これからの戦い方を変えるかもしれない大切な質問。
そして確信した。
リヒトの能力とフェイリスの能力が、歯車のように噛み合っていることを。
魔王であるアリアから聞いた内容と同じだ。
何度でも対象を蘇生できる《死者蘇生》のスキルは、自分が死んだ時に発動する、フェイリスの《怨恨》と最高の相性だった。
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