もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

違和感の正体

 あのお弁当をくれたお姉さんが言った、木の下での出会い。確かにあった。あったけど、幾ら何でも出会う人が創造神様ってないでしょ。人ですらなかったし。
 そんな神に手を差し出されて綺麗な土下座で頭を下げるのも自然だと思う。

「も、申し訳ありませんでした!!! まさか、創造神様だと分からず、ちょっと危ない人なんじゃないかと思ってしまい!!! 本当に申し訳ございません!!!」
「え?」
「こんな私になんなりと罰をお与え下さい!!! しかし、大事な家族にだけは見逃して下さい!!!」
「あ、いや、ちょっと……」
「本当に申し訳ございません!!!」

 俺の土下座に創造神様ですら引いている。

「えっと、イサミくん。頭を上げて欲しいのだが……」
「い、良いんですか?」
「頼む、頭を上げて下さい」
「わ、分かりました」

 その後、何故か創造神様も一緒にサンドイッチを食べていた。
 な、何故?

「やはり、このサンドイッチ美味しいな」
「え? やはりとは?」
「あぁ、あのサンドイッチをあげるように頼んだのは私だからな」
「え?」
「それに、以前クレープを食べた事あるだろ?」
「あー、結構前ですけど確かに食べましたね」
「あれも、私が遣わせた神だ」
「そうなんですか? 確かに変な感じはしましたけど……」
「それに、そのクレープに導いた少女も、君が仲良くしている少女を元に神に変身させて連れて行ったんだ」
「……だから違和感を感じてたのか」

 なんか、もう、凄い。

「えっと、なんでそんな事を……?」
「それは、フェンリル、クロが世界を壊したり混乱に導くかもと思いどうにか直ぐに天界に戻そうと考えていたんだ」
「そ、そうなんですか……」
「だが、君のような優しい者と一緒にいたなら安心だな」

 そう言って、創造神様は優しい顔で笑った。

「何を言う。ただ、我を撫で回せなくて困っているだけだろ」
「な、なななな、何を、そ、そそそそんな事ないぞ!!!」
「めっちゃ動揺してるじゃないですか……」

 この神様は、もしかしたら俺と同じモフモフ好きなのかも知れない。
 そんな創造神様は気を取り直す為に咳払いをして、空気を変えた。

「さて、そろそろ私は帰らせて頂こうかな」
「もう帰るのか?」
「あぁ、私にだって仕事はある。……」

 創造神様は少し寂しそうな顔で帰ろうとした。そんな所にクロは話しかけた。

「……少しぐらいなら我の事撫でて良いぞ」
「っ!?!? いいのか?」
「早くしろ。止めるぞ」
「あぁ! いや、撫でる。撫でるから待ってくれ」

 そして、猫の姿のクロを撫でて神界に帰っていった。

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