もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

呼び戻し

 何故か僕の名前を知っているウィルンドさんは、何故かドヤ顔をしている。

「イサミくんって、精霊王と知り合いなんでしょ?」
「そう、ですね」

 僕がそう言うと、後ろで固まっていたみんながものすごい勢いで遠ざかっていった。

「え! なんでみんな逃げるの!」
「え、だって……ねぇ?」
「「「「うん」」」」
「酷い」
「いや、イサミ。精霊王様と知り合いってもう、やばいじゃん。近づきたくないよ」
「確かにやばいけど、そこまで遠ざかることないじゃん」

 ちょっと泣きそうになりながら訴えるも、みんなは首を横に振った。

「メイさんは精霊王よりもやばいもの見たじゃないですか!? 忘れたんですか!?」
「え、えぇっと、なんだっけ……?」
「そ、そんなぁ」

 僕に味方なんていなかった。

「それでね。イサミくん」
「は、はい。なんでしょうか?」
「今、魔力ってどのくらいある? もし、精霊王様と契約するとしたら最低100万は魔力必要だけど……」
「今ですか? ちょっと見てみますね」

 ステータスプレートを取り出して魔力を流す。

「確か、以前測った時は8万ぐらいだったんですよね。それ以降は殆ど魔物倒してないので上がってないと思うんですよね」

 そう言いながら、ステータスプレートを見て僕は驚愕した。
 少し変わった。なんてもんじゃない。

ーーーーー
名前:イサミ・ケイレード
職業:召喚士
種族:人間 年齢:9
MP:268700
LUCK:極
スキル:召喚・契約・通信・強化Lv.3
契約獣:クロ・モフラ・ルル・ウミ
ーーーーー

 約3倍に膨れ上がっていた。

「なっ!? これ何!?!?」
「どれどれ? 見せて……は?」

なんでこんな事になったのか、すぐに分かった。

「は〜〜〜〜!!!! クゥゥゥロォォォォォォ!!!!!」

 今まであげた事のない大声を上げて叫び、クロを呼び出した。
 みんなは、今まで見た事のない僕の大声に、少し近づいて来ていた距離がまた更に離れた。

「ご、ご主人。な、なんだ?」
「やぁ。来たね〜クロ」
「ご、ご主人。お、怒ってないか?」
「うん。ものすご〜く。怒ってるよ」
「な、何故だ?」
「そっかー。自覚ないのか〜。うんうん。しょうがない、訳ないよね〜。クロ、僕と別れてから何してた?」
「喧嘩の続きをして来たり、繁殖しすぎた魔物を狩ったり、修行して来たり……」
「はぁ。クロ」
「な、なんだ?」
「クロはもう僕の隣から出ていくことを禁止します!!」

 これ以上クロを野放しにしたら、僕の魔力が無限に上がっていく気がした。

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