もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

ミルvsイヤ〜1〜

 3人での最後の戦いはミルとイヤの戦いだ。実際やる意味もないのだが、観客の人達にやるかどうか聞くのだが、満場一致で観たいと答えたので、やる事になった。
 ついでに、リュメルの時もそうだった。

「試合!!! 開始!!!」

 先に動いたのはミルだった。双剣を抜かずに走り出していた。

「え!?」

 イヤも驚きはしたが、すぐに刀を鞘から抜いて正面で構えた。

 双剣と刀ではどちらが強いかは分からない。双剣は両手に剣を持っている事もあり、剣などのように両手で持って戦うわけじゃ無いので力が入らない。ただ、剣を二つ持っているので単純に手数が多くなる。
 双剣は防御に回ったら勝ちは殆ど無くなる。いかに、ミルに双剣で防御させるかがこの試合の鍵になるだろう。

 そして、双剣を抜きながらイヤに向かっていくが、イヤは正面に構えたまま動かない。
 そのまま、一撃喰らわせようとしたが、ミルはその場から後ろに飛び退いた。

「あれ? バレた?」
「やっぱり、何かやる気だったね」
「そっかー。何やるかは分からなかったか」

 イヤはそう言って構えを解いた。

「さぁ、次は正々堂々と戦おうよ」
「えぇ、良いわよ」

 イヤは正面に構え、その構えのままミルに向かって跳んだ。そして、着地と同時にミルに向かって刀を振り下ろした。
 イヤの振り下ろしをミルは双剣をクロスして受け止める。

「くっ!」

 そのままミルは膝をついた。

「ふっ!!」

 イヤはそのまま終わらせるために、更に押し込む。ミルは肩の上で刀を押し返そうとするが双剣である事が致命的で、押し返すほどの力が入らない。
 そこで、ミルは双剣を前に倒しながら体を後ろに倒した。

「うおっと!」

 上手く刀を前に滑らせることができた。

「危ない」
「惜しかったな」
「「ふふっ!!」」

 2人はその場でニヤッと笑った。とても、楽しそうだ。
 イヤは刀を腰より下のところに置いて走り出した。ミルは双剣を体の左右に置いて走り出す。2人が交差する瞬間、イヤが右下から左上に向けて振り上げ、ミルはそれを右手の剣で止め左手の剣で左から右に薙ぎ払う。
 イヤは、刀を止められた瞬間に後ろに飛び退き剣を避けすぐに前に出る。ミルは、避けられたけれども、当たらなかったその剣の勢いで回りながらイヤに攻撃を仕掛ける。

「くっ!」

 前に出ようとしたイヤにその攻撃は見事に当たった。
 それでも試合は続く。

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