もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

遅刻魔は救世主

 その日は、クロたちともふもふしてそのまま寝てしまった。
 そして、次の日。今日から僕はちゃんと授業を受けられる。

「それじゃ、一時限目を始める……って、またあの子遅刻?」

 僕は朝のHRが終わったらクラスを離れるので未だに隣の人を見たことが無かった。

 頬杖をついて出入り口を見ていると、タッタッタッと走る音が聞こえ、ドアがバンッ!! と開いた。

「す、すみません!!」
「まったく、また遅刻?」
「すみません。お手伝いが時間かかってしまって」
「分かってるわ。それに、まだ授業も始まってなかったから良いわ。早く席につきなさい」
「ありがとうございます」

 その子は、少し身長の高い女の子だった。

「あれ? 君誰?」
「はじめまして。この間編入して来たイサミです」
「あぁ、あの子か。試合観たわよ」
「っ!? そ、そう、ですか」
「ありがとうね」
「……え?」

 僕は、そこで感謝の言葉を貰えるとは思わなかった。怖いだとか、恐怖の感情を言ってくるのかと思っていたからだ。

「私、だけじゃないわね。あの、ファンクラブには他の生徒達も先生達も迷惑していたのよ。ほんと、それを解散までさせてくれたんだから、ありがたいわ」
「……そうなんだ」
「知らなかったの?」
「知らなかったです。みんな、僕の事怖がって近づいて来ませんから」

 あの日、ファンクラブのリーダーを倒した後、出入り口にミルさん達が立っていた。まるで、化物を見る目で僕のことを見ていた。
 異世界は、確かに危険がいっぱいだ。だから力は必要だ。でも、行き過ぎた力は唯の恐怖にしか映らない。

「あぁ、確かにあれは怖かったね。でも、あれは、『高嶺の花束』の人達のために怒ってたんでしょ?」
「うん」
「だったら、シャキッとしなさいよ。あれで、『高嶺の花束』の人達は確かに救われたんだから」
「……ありがとう」
「そうだ。私の名前言ってなかったわね。リュメルよ。よろしくね」
「うん。リュメルさん? よろしくお願いします」

 僕がそう言うと、リュメルさんは目をパチパチしていた。

「そ、その。僕、皆さんより年下なので」
「え? 何才?」
「9才です」
「……ぷ、アハハハハ!!」
「そこ! うるさいわよ!」
「「す、すみません」」
「リュメルで良いわよ。よろしくね、イサミ」
「はい!」

 僕は、救われた。リュメルのお陰で救われた。
 僕はずっと怖かった。本当は、ミルさんたちの事を助けようとして、僕の方が迷惑だったんじゃないのかと思っていた。
 でも、リュメルのお陰で僕は、そうじゃなく、本当にミルさんたちは救われたたと知れたことが出来た。
 僕がやった事は間違いじゃなかった。
 今日のお昼。僕はミルさん達に会いに行く事を決意した。

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