もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

編入試験〜3〜

 修練場を後にし、僕たちは学園の一室に案内された。

「ウミ、ここは流石に入れないから、修練場で遊んでてよ。良いですか?」
「いいぞ」

 最近もふもふ出来て無いけど、この学園に入ったらお金があるから冒険者としての活動はお休みできるし、学校終わったら即もふもふ出来る。
 そう思ったら、やる気が出て来た。

「それでは、この問題を1時間で解いて下さい」

 そして、問題はものすごく簡単だった。
 編入するのが、日本で言う小学3、4年生だと思うからこんな簡単なんだと思う。

「どうしよう。時間が余ってしまった」

 足算に引き算。掛け算と割り算は無かったが、4桁の足算引き算が主な問題だった。その他にも、魔法の問題が出て来た。

「よし、遊ぶか」

 僕は、残り40分遊ぶことにした。

 今日は、少しだけ残っていた仕事を片付ける為に学園に出勤していた。
 残り僅かで終わらせて、午後は遊びに行けると思っていたら、学園長が教員室に入って来た。
 今から、編入試験やるから問題用意しとけって。今から実技やるから後20分で用意しろって言われたんだよ。

「はぁ、死ねる」
「あ、そうそう。それを作ったらボーナス倍ね」

 学園長のその一言に、私は燃え上がって作った。そしたら、めちゃくちゃ難しくなってしまった。

「ど、どうしよう。ここまで難しくする気なかったんだけどなぁ。……ま、いっか」

 それからちょうど20分後。学園長が戻ってきた。

「どう? 終わった?」
「あ、はい。こんな感じで良いですか?」

 めちゃくちゃ難しくなった問題を見せたら。

「うーん。ま、良いんじゃない?」

 この人、編入される気ないのかなって、疑問を持ってしまった。まぁ、そんな疑問はテストの採点をしている時に消えてしまったんだけどね。

 テストの時間になって、私は自分の仕事を片付けていた。偶に、カンニングをしてないか見ていた。少し頭を抱えていたから、難しくしすぎてごめん、と心の中で謝っていた。
 時間にして20分がたった頃。その子がペンを置いた。

(諦めたのかな?)

 そして、60分が経過してテストを回収した。

「それは、明後日までに採点をしたら良いからな」
「分かりました」

 学園長が教員室を出た後、私は大きな溜息をついた。

「はぁ〜〜。あの子諦めていたし、適当に書いたのか、裏面は絵が描かれてるし」

 そして、採点が終わった私は驚愕していた。

「うそ。ありえない!!! 早く学園長に知らせないと!!!」

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