もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

ステータスの更新

 ルルの急成長はクロに聞いても結局分からなかった。

「我も始めて見る光景だ。創造神なら知ってるかもしれんが。今は、会えないなから聞けないな」
「そっかー。ま、今回はルルが成長したって事でいいか!」
「ご主人様!」
「グフェッ!! う、い、痛い」
「あー! ご主人様、ごめんなさい!!」
「全く。ルルはその癖直さないとな。ご主人が死んでしまう」
「うー、頑張って治すよ」

 僕はその時、少し違和感を感じていた。

「なんか、痛いけど、死ぬほどって訳じゃないんだよな」

 僕が、小さい声で呟いていると、モフラがこっちを見上げて来た。顔どこにあるか分からないけど……

「ご主人? どうした?」
「ん? あぁ、いや、ルルの突進が痛いは痛いけど、死ぬほどって訳じゃないんだよ」
「? そうなのか? 進化か何かしたルルの攻撃を食らってその程度って……もしかして!? ご主人よ、ステータスを見てみてくれ!」
「……ステータス? あっ!? そっか!」

 僕は、クロの言う通りに自分のステータスを開いてみた。

(そうだ。数日前の魔物の群勢を倒したのがクロ達だ。そして、クロのステータスはもう上がらない。その分が僕に来るのか!)
「えっと、ステータスプレートはどこだっけ?」

 カバンの中からステータスプレートを取り出して魔力を流す。

ーーーーー
名前:イサミ・ケイレード
職業:召喚士
種族:人間 年齢:9
MP:83600
LUCK:極
スキル:召喚・契約・通信・強化Lv.3
契約獣:クロ・モフラ・ルル・ウミ
ーーーーー

「うわっ! MPがめっちゃ上がってる!」
「やはりか。魔力量が上がって、その分自分を包む魔力が多くなった。そして、防御力が上がったんだな」
「なるほどなぁ。まぁ、こんなに魔力が上がったのに、痛いって感じるんだから、ルルは僕以上にステータス凄そうだよね」
「そうだな。ウミがひと段落着いたら、我達のステータスを鑑定してもらおうか」
「うん。そうだね」

 そのステータスを見ながら僕はーー

「そう言えば、強化スキルも上がってるよね」
「そうだねー」
「ちょっと、ここで使っ見ても良いかな?」
「良いんじゃないか?」
「よし。それじゃ、行くよ。『強化Lv.3』!」

 スキルを発動すると、クロ達が口をあんぐりと開けていた。

「どうしたの?」
「やばい。早くスキルを解いてくれ」
「え? わ、分かった」

 クロが、必死の表情でそう言うので、すぐにスキルを解除した。

「どうしたの?」
「なんとなくの感だが、我の身体能力が倍以上に上がった気がする。ルルも、そう感じなかったか?」
「うん。感じだ。だから、動いたらダメって本能で感じたんだ」
「そ、そうなんだ」

 やばい、なんかチートに近づいた気がする。そんな事、僕望んでないのに……。

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