もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

宝選び

 話が終わり、その場の空気は何とも言えない感じになってしまった。

「一旦、私たちは部屋を出ますか」

 国王様の一声で、僕たちはその部屋を出て、ウミと王妃様の2人にした。

「まさか、こんなところで再会するとわね」
「ほんとだぞ。村が襲われて、探したら居ないんだ。心配したんだぞ!!」
「ごめんね。キュウちゃん。あの時、お父さんに逃げろって言われて、お父さんが怖くて必死に逃げたのよ。気付いたら村から離れた場所に居るしで、私も大変だったのよ」
「にしても、まさかここまで大きくなってるとわね」

 王妃様の身長は、昔から時が経った事もあり、見違えるほど大きくなっている。

「当たり前じゃない! あれから数千年は経っているもの」
「そうか。もう、そんなに経つのか。なぁ、お父さんは何処にいるんだ?」
「この国にいるわよ」
「そうか。だったら、挨拶に行かないとな」
「うふふ。そうね。お父さんも喜ぶと思うわ」

 そこからも、久し振りの会話は盛り上がり、部屋を出たのがそれから3時間後だった。

「それじゃ、娘の家庭教師よろしくね」
「うむ。任せておくれ!」

 その間。僕たちは国王様の案内で宝物庫までやって来た。

「さ、ここから好きなだけ持って行くが良い!」
「わ、分かりました」

 こんな時、ウミが居てくれたら鑑定しながら選べたのに!!

「どれが、良いのかな?」

 宝物庫の中を見渡すと、立てかけてある剣や淡く光る壺、黒い箱に入った何か。

「この指輪なんだろう?」

 それを手に持ってみると、何も起こらない。

「んー?」
「ご主人よ。魔力を流してみろ」
「う、うん」

 クロの言う通りに魔力を流してみると、その場に何かが現れた。

「これは? 何だ?」

 僕は、現れた何かに手を入れてみた。

「ん? なんだ? 本当に何だこれ?」

 よく分からないものであったが、なんか良さそうなので、持って行くことにした。

 そして、その後も色々と選んで行き計6つのお宝を貰うことにした。

「なんだ? それだけで良いのか?」
「はい。何となく、これが良いかなって思って」
「そうか。なら、それを持って行くが良い!」
「ありがとうございます!」

 この時、僕のとある物が役に立った。

 それが、転生するときに貰った『運極』だ。

 これのおかげで、僕は良いものを貰っていた。それに分かったのは、宿屋に帰ってからだった。

コメント

  • ノベルバユーザー424249

    寿命長くね?

    0
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