もふもふ好きの異世界召喚士

海月結城

魔物の大群〜1〜

 魔物数10万。それは、世界的に見ても今まで発生したことのある魔物の大群でも1万が最高だった。それの被害が国2つ。今、それの10倍の10万の魔物の大群。この世界が消える可能性すらある。

「……嘘だろ」

 ギルドの中にいる誰かが呟いた。

「そんなの、無理じゃないか」
「お、俺は逃げるぞ!!」
「ま、待ってくれ、俺も逃げる!!」

 そして、ギルドの中には僕とケイド、そして、数人の冒険者と受付嬢。そして、ギルドマスターだけだった。

「さて、これだけの人数でどうしようか」
「ギルドマスター。まずはこの事を国王様に報告しましょう」
「あぁ、勿論だ。それじゃ、頼んだ」
「はい!」

 ギルドマスターは、隣にいた受付嬢に何かを渡して、受付嬢はそのままギルドを出て行った。

「さて、残ってくれた冒険者と受付嬢の諸君。ありがとう。けど、流石に10万の魔物の大群。どうやっても戦える数じゃない。それでも、市民の命を救いたいと、この国のために命を捨てる覚悟があるのなら、私と一緒に戦ってくれるか?」
「「「当たり前だ!!!」」」

 ギルドマスターの言葉に、ここに残った冒険者は応えていた。

「ありがとう」

 そして、ギルドマスターの指示の下、配属される場所が決まった。

 僕は、端っこの方だった。本名で登録したし、貴族の息子を最前線には送れないって事かな?

「そろそろ、だよな」
「あぁ、そうだな」

 隣にはケイドがいる。頼もしい……?

「そう言えば、いつものモフ家族は?」
「あ、やべっ! 忘れてた!!」

 通信スキルを発動して、クロ達に話しかけた。

「クロ! 聞こえる!?」
「ん、どうしたのだ?」
「気付いてるかもしれないけど、今王都に向かって10万の魔物の群勢が向かって来てるみたいなんだ。だから、みんなでこっちに来て欲しいんだ」
「この異様な魔力の数はそういう事か。分かった、今から向かう」

 それから、数秒後、目の前にクロ達が現れた。

「それで、我らはどうする?」
「勿論。最前線で魔物を刈り尽くして! 存分にやっちゃえ!!!」
「ご主人よ。有り難い!!」
「久方振りの本気の力を出すかの」
「僕も頑張る!」
「私はここに居るわ」
「モフラは、いつも通りで助かるよ。それじゃ、『強化Lv.1』。行ってらっしゃい!!」

 クロはフェンリルの姿に戻り、ウミは毛が逆立ち、いつもと雰囲気も変わった。ルルは、なんか、堂々としてる。可愛い。

 そして、三体の魔物は10万の魔物の群れに向かって行った。

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