転生した世界の相棒は拳銃だった!?
story…No.007
「…」
「…ジー」
いやそんなに見られても困るんだが。
「…何か?」
「いえ、何も。」
そう彼女は答える。
「…」
私は作業を続ける。
「…」
やはり他人に調整されるのは遺憾か。
そう、銃のメンテナンスをしていたのだ。
すると彼女が出てきて目の前でさっきから眺めているのだ。
…気になる。
お偉い様が来るまで暇なので、銃を触っていたが…その、なんだ。
作業を見られるって嫌じゃないか?
彼女は私に対する忠誠だけだと言っていたが、最近感情らしきものを確認出来るようになってきた。
掃除を頼んでみて、背が届かない場所があったのだ。
すると彼女は肩を震わせ若干赤面していた。
声をかけるといつもの無表情に戻ったが。
三日後、
お偉い様が帰ってきた。
そこで私は呼び出しをされた。
「感謝する。是非この街の護衛をして欲しい。」
だそうだ。
なかなかな金額を貰えたし(後で分かったが、200万円程だった)、未だこの世界は分からないことが多すぎる。
ここは乗っておいた方が良さそうだ。
「分かりました、微力を尽くしましょう。」
そのあとかくかくしかじかあってこの街の
ギルドに入るようになった。
この街には帝国直轄の衛兵などはおらず、
腕利き冒険者などのギルドのみだ。
家もお偉い様が用意してくれた。
シンプルな一軒家、なかなか良さそうだ。
「ここが新しいマスターの家ですか。」
「…!?あ、あぁ。」
いきなり出てきたので若干びっくりした。
「マスター、ご命令下さい。」
「…」
「如何なされましたか?」
「じゃあ、
主従関係ではなく、対等の関係とすること、
私に協力してくれ、もちろん私も君に協力する。」
「…かしこまりました。マスター。」
笑った。
綺麗な笑顔だった。
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