転生した世界の相棒は拳銃だった!?

oozako

story...No.001


さて、一体いつまでこの感覚が続くのだろうか。体感時間では小一時間くらい経ったように感じるが...
未だ何も変化がない。
五感がないというのはこんなにも辛いことだったのか...。

それから体感時間にて、2日経った。

すると突如として、ソレが起こった。
五感が一気に、そしてなんの前触れもなく...
急に戻ったのだ。
ここで皆様に考えてみて欲しい。
2日も五感なくして生きていた(生きているのかどうか知らないがね。)ヤツが、いきなり五感を戻されたらどうなるか。
うん、我ながらみっともなかった...
地面に着いたことは分かったのだが、それから赤ん坊のようにのたうち回る成人男性の姿といえば、見苦しいものだったろう。

私も赤面していた。東京という、都会のど真ん中で、のたうち回ってしまったのだから。(家の中だったがね)

しかしそこで気付いた。
まだ目は見えないものの、聞こえるようになってきたので、周囲の音は聞こえた。

人の足音や車の音うるさい広告のCMの音などが全く聞こえなかった。

私は立ち上がり、ようやく見えるようになった頼りない目で見た。

一面草原だった。

「ここは...?」
草が生えているが、見たことも無い形をしている。そして、私には、視覚 聴覚 触覚嗅覚 口の中が苦く感じるので、味覚も揃っている。

つまりはここはゲーム夢の中の中ではない。

服装も、パジャマから野戦服のようになっている。これは、私のゲームに中での姿だった。
ただ一点、違うと言えば...銃がない。
私がいつも携帯しているトンプソン機関銃が!
別にSMGがトコトン好きという訳ではなく、PKプレイヤーキルのほとんどが接近戦だったため、比較的至近距離で使えるSMGを携帯していたのだ。
何故トンプソン機関銃かって?
好きだからDA✩

私のプレイヤーレベルは決して高くなかったので、護身用の武器がないというだけでも不安になってしまうのに、こんな訳のわからない場所に放り出されて、完全にパニック状態だった。
ウロウロしたりしきりに周囲を見回したりして、気を紛らわせていた。

よくラノベ系の異世界の主人公は落ち着いていられるな...とつくづく思った。

そうしている間に落ち着いてきて、あるものに気付く。
ホルスターだ。
「私は...HGハンドガンを装備していなかったとおもうが...デザートイーグルなどだったら嬉しいな...。」
淡い期待を抱きつつもホルスターの留金を外す。

そこにあった銃は...

コルトSAAシングルアクションアーミーだった。




主人公紹介:尨 蒼牙(むくい そうが)
                    会社員として働く23歳。
                   この時代は昼に働くよりも、夜
                   に働いた方が良いとされている
                   が、ゲーム以外に金をあまり使         
                   わなかったため、昼に働く。

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