異世界に飛ばされたが選択肢を間違うと必ず死んでしまうなんてあんまりだ!~早く元の世界に帰らせてくれ!~
二度目の死
目が覚めたら大草原だった。
デジャヴ?
さっきのは夢か?
腕や足を見てみるが傷一つついてはいない。
これで目覚めたのが自分家のベッドだったのなら、夢だったのかと安心しただろう。
だが、今俺が居るのはよくわからない草原。何故こんなところに居るかもわからないのに、ここで寝てしまいあんな夢を見る、なんてことがあるだろうか? 否、普通はあり得ないだろう。
きっと……いや――
俺は確かに一度体験している。
この草原にいて、町や人を探して歩いて、夜になって、狼のような生き物に襲われて……
――そして殺された。
思い出すと背筋がゾクリとした。
噛まれた感覚、引きちぎられた感覚がまだ残っている。痛かった。苦しかった。
"死ぬ""殺される"と言うことがあんなに恐ろしいものだと初めて知った。
ポタリと冷や汗が流れ落ちる。
……もう二度とあんな思いはしたくない。
そう、確かに俺は死んだはずだった。
なのに何故今無傷でたっている? 
疑問を抱きながら辺りを見渡すと、遠くに森のようなものが見える。あんなに歩いた筈なのにまだあの森が見えるのはおかしい。
今俺が居るのは恐らく死ぬ前初めに立って居た場所……
「死ぬ前に戻ってるのか……? 」
この現象を説明出来るすべはない。只の仮説。
だが、あながち間違ってもいない気もする。
そんなことを考えているとまたあの選択肢が現れる。
―――――――――――――
・移動する
・此処に留まる
―――――――――――――
暫く悩み、もう一度移動してみようかと思ったが、歩いたらまたあの狼のような生き物に会うかもしれない、という恐怖で移動をするという選択をやめた。
勿論ここに居ても出会う危険はあるが、そもそも動こうとすると手足が震えるし、前回は移動するを選択して死んでいるのは事実だ。
留まるの選択肢が正解ルートなのかもしれない。
それに、遭難してしまった時は、むやみに動き回って体力を消耗させない方がいいとも言う。
遭難……ではないが"よくわからない場所に居る"という点では一緒だろう。
もしかしたら誰か通って助けてくれるかもしれないという微かな希望を抱き、此処に留まるを選択することにした。
――どの位の時間が経っただろうか。 
日が沈んで、日が昇るを3回繰り返しているから、3日は経っているのはわかる。
因みに、選択肢は数時間おきに出たが全て此処に留まるを選択した。
幸いあの狼のような生き物などには出会っていないので生き延びてはいるが、流石に喉も乾くしお腹も空いている。既に力も入らない。
「…このままだと餓死かな……。」
だが、それでもいいと思ってしまったのは一度ひどい死を体験したからだろうか。
肉を引きちぎられて死ぬよりずっとましだ。
――更に日が沈んで日が昇るを何度か繰り返した。
唇や喉がカサカサになり、もう視界もぼやけている。誰かが通ってくれるかもしれないという微かな希望が叶うことはなかったのだ。
「…ッァ"……テ"」
助けてという声は声にならなかった。
泣きたいのに涙はでなかった。
"餓死でもいい"だなんて嘘だ。
嫌だ……まだ死にたくない――
目が覚めたら、何時もの日常に戻っていることを願い、俺は目を閉じたのであった。
デジャヴ?
さっきのは夢か?
腕や足を見てみるが傷一つついてはいない。
これで目覚めたのが自分家のベッドだったのなら、夢だったのかと安心しただろう。
だが、今俺が居るのはよくわからない草原。何故こんなところに居るかもわからないのに、ここで寝てしまいあんな夢を見る、なんてことがあるだろうか? 否、普通はあり得ないだろう。
きっと……いや――
俺は確かに一度体験している。
この草原にいて、町や人を探して歩いて、夜になって、狼のような生き物に襲われて……
――そして殺された。
思い出すと背筋がゾクリとした。
噛まれた感覚、引きちぎられた感覚がまだ残っている。痛かった。苦しかった。
"死ぬ""殺される"と言うことがあんなに恐ろしいものだと初めて知った。
ポタリと冷や汗が流れ落ちる。
……もう二度とあんな思いはしたくない。
そう、確かに俺は死んだはずだった。
なのに何故今無傷でたっている? 
疑問を抱きながら辺りを見渡すと、遠くに森のようなものが見える。あんなに歩いた筈なのにまだあの森が見えるのはおかしい。
今俺が居るのは恐らく死ぬ前初めに立って居た場所……
「死ぬ前に戻ってるのか……? 」
この現象を説明出来るすべはない。只の仮説。
だが、あながち間違ってもいない気もする。
そんなことを考えているとまたあの選択肢が現れる。
―――――――――――――
・移動する
・此処に留まる
―――――――――――――
暫く悩み、もう一度移動してみようかと思ったが、歩いたらまたあの狼のような生き物に会うかもしれない、という恐怖で移動をするという選択をやめた。
勿論ここに居ても出会う危険はあるが、そもそも動こうとすると手足が震えるし、前回は移動するを選択して死んでいるのは事実だ。
留まるの選択肢が正解ルートなのかもしれない。
それに、遭難してしまった時は、むやみに動き回って体力を消耗させない方がいいとも言う。
遭難……ではないが"よくわからない場所に居る"という点では一緒だろう。
もしかしたら誰か通って助けてくれるかもしれないという微かな希望を抱き、此処に留まるを選択することにした。
――どの位の時間が経っただろうか。 
日が沈んで、日が昇るを3回繰り返しているから、3日は経っているのはわかる。
因みに、選択肢は数時間おきに出たが全て此処に留まるを選択した。
幸いあの狼のような生き物などには出会っていないので生き延びてはいるが、流石に喉も乾くしお腹も空いている。既に力も入らない。
「…このままだと餓死かな……。」
だが、それでもいいと思ってしまったのは一度ひどい死を体験したからだろうか。
肉を引きちぎられて死ぬよりずっとましだ。
――更に日が沈んで日が昇るを何度か繰り返した。
唇や喉がカサカサになり、もう視界もぼやけている。誰かが通ってくれるかもしれないという微かな希望が叶うことはなかったのだ。
「…ッァ"……テ"」
助けてという声は声にならなかった。
泣きたいのに涙はでなかった。
"餓死でもいい"だなんて嘘だ。
嫌だ……まだ死にたくない――
目が覚めたら、何時もの日常に戻っていることを願い、俺は目を閉じたのであった。
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